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どうしてもこいつと練習していると時間を忘れる。
ユニットを組む
オルカ・ヴィヴァルディ
の自宅でパフォーマンスの練習をしていた
獅子目 悠月
は、壁の時計を見てその美しい眉を大きく上げた。
「もうこんな時間か。早く帰らないと」
時計は夜がだいぶ更けたことを知らせている。つられて時計を見たオルカがちょっと首を振って汗を落とすと、タオルに手を伸ばす。そして1枚を悠月に投げて寄越しながら言った。
「かなり遅いし、悠月泊まってっちゃえば? この時期の日本は変な人が多いってマードレも言ってたし、心配だよ」
「マードレ?」
「ああ、母さんのこと」
「なるほど。まあ陽気につられて危ないのが湧きがちだし、ここから帰るのは確かに億劫だが……大丈夫だ。明日も学校だし」
そう言うと悠月は榛色の瞳をオルカに向け、挑戦的に微笑んだ。
「危険といっても余程のことでもなければ対処できる。そのための合気道だ」
「う~ん、でもさ~……」
タオルを首に掛け心配そうに言うオルカを、悠月はもう見ていなかった。帰り支度を始めるため、さっさと壁際に歩き始めた悠月。その姿をオルカは手持ちぶさたに眺めていたが、ふとその唇の端がやんちゃそうに上がった。
―――大体悠月はさ、しっかりしてるようでどっか抜けてるんだよね。無防備っていうか。ほら、今も背中はがら空き。俺だから気を抜いてるんだったら……嬉しいんだけど。どっちにしても、油断は大敵なんだよ、悠月。
一呼吸の後、すっとしなやかな動作で音もなくオルカは悠月の背後に忍び寄る。その全く警戒していない悠月の首筋に軽く肩を竦めると、オルカはいきなり悠月の細い手首を掴んだ。そしてこちらを振り向かせるようにしてその手をドンと壁に縫い止め、もう片方の自分の手は悠月の顔のすぐ近くにつく。そして閉じ込めるように悠月を覗き込むと、驚きに見開かれた黄玉の瞳を深い海の瞳で見つめ返した。
「―――いくら悠月が強くても、こうされたら抵抗するの難しいでしょ?」
オルカは、肉食獣のようにぺろりと自身の唇を舐めた。
煙るような睫から覗く悠月の揺れる瞳に、オルカはぞくりとした。興奮が上がってくる心の隅で、元気な悠月をこうやって手の内に閉じ込めるのは初めてだな、なんて思いながら。
悠月の無防備さをわからせるためにやった筈なんだけど、そんな瞳で自分を見つめられちゃ堪らない。思わずオルカは押さえた悠月の手にその指を絡ませる。そしてそっと悠月の白い耳に濡れた唇を近付けた。
「Non ti faccio scappare」
とびきり低く、甘い声で『逃がさないよ』なんて囁いてみれば。彼の華奢な首筋が小さく震える。
ダメだよ、悠月。―――食べたくなっちゃうじゃないか。
オルカの唇が悠月の耳朶に触れる。その艶めかしさに心を直接犯されているようで、悠月は思わず目を瞑った。
息が、出来ない。オルカの体温を感じながら小さく肩を震わせるだけだ。オルカの感触に思わず出した吐息が自分でも驚くほど温度が高くて。悠月の身体がカッと熱くなった。
やめて欲しいのか続けて欲しいのか自分でも分からなかった。ひたすら自分の渦巻く感情に振り回され、動けない。堪らずオルカの肩に頭を押しつければ呼応するように握る手に力を込められた。
俺はどうして欲しいんだろう。この切ない程の熱い感情をオルカにぶつければいいのだろうか。
浮かされるようにオルカを見れば深い海が熱を持って自分を捕らえてくる。悠月はオルカの厚い胸に縋るように掌を伸ばした。触れたその指先から痺れる程の熱さが流れ込み、心が痛い。悠月は溢れる想いを言葉に載せようとした。
(オルカ)
しかし、悠月は気付いてしまった。
自分の手が震えていることに。
(なんで、俺は震えている)
言いようのない思いが心の別の場所から湧き上がった。
俺は、確かにあの
不思議な町
で、自覚をした。オルカへの―――恋慕。あのオルカの瞳と同じ圧倒的な青の中で。……けれど。
悠月は奥歯を噛みしめ震える己の手を見た。
儚い花のようにオルカに縋って頼るのは、何か違う。恋だって、求めてやまなくたって。
俺達は対等でなくてはいけない。オルカに一方的に負ける訳にはいかないんだ。
揺れていた悠月の瞳に、強い光が戻る。悠月は残された意地で僅かに腕を引くと、オルカの胸に掌底を叩き込んだ。
「―――ッ?!?」
まさか胸を突かれるとは思わずもろに喰らってしまったオルカは、ゴホゴホと咳き込みながらしゃがみ込む。その肩を悠月は容赦なく掴み、体重をかけて手荒く床に押し倒した。
「誰の抵抗が難しいって?」
倒れたオルカを見下ろしながら、悠月は不遜な態度で言い放った。火照った頬がオルカに気付かれないようにと思いながら。
大体。オルカには色々とやられっぱなしのような気がする。さっきの言葉といい、
この前の時
といい。何で突然イタリア語で喋るんだ。訳がわからんだろう。
(……何だか段々腹が立ってきた)
オルカを組みしながら悠月はむーんと眉根を寄せた。目の前の少し汗ばんだオルカの首筋。ここから出される声が、悠月の歌をサポートし、より高みにつれていってくれる。そして時に甘く囁き、悠月を混乱に陥れるのだ。
(悔しい)
ない交ぜになる様々な感情。負けたくないし、小憎らしいし、触れたいし、愛しいんだ。
悠月はたくさんの想いに突き動かされるままオルカの首筋に唇を寄せ……カプリと噛んだ。
「……ッ!」
オルカの眉がその刺激にひそめられる。ふふ、と悠月の唇に色のある笑みが浮かんだ。
顔を上げオルカと目を合わせた。その何が起こったか分からないといったまぬけ面。悠月は唇だけで小さくこう呟いた。
(仕返しだ)
悠月はオルカを放し、ゆっくりと立ち上がった。喉元を押さえ呆然としているオルカを見下ろしながら、悠月は自分の鞄を手に取った。
「泊まっていってはやる。その代わり夕飯と朝食はお前が作れ」
そのままくるりと踵を返し、悠月はしっかりとした足取りでオルカのリビングに歩き始めた。ドクドクと大きく脈打っている胸の音を必死に隠しながら。
―――オルカが追いつく前に、この熱を冷まさなければ。
(え~っと……今、何された?)
片肘をつきながら呆然と悠月の揺れるポニーテールを見送っていたオルカは、喉元を押さえながらゆっくりと体を起こした。
自分が悠月を閉じ込めたと思ったら、逆に掌底喰らって。咳き込んでたら押し倒されて。見上げた悠月の髪が光に透けて綺麗だなぁなんて思ってたら突然悠月の顔が近付いてきて。
オルカはそこでそっと喉を撫でる。彼に与えられた痛みが甘い痺れとなって体中に染み渡る。オルカは全身脱力すると、は~と大きく溜息をつき、ガクリと俯いた。
(もうホント、これだから悠月は)
あの後の自信に満ちた榛の瞳。何かを呟いたあの唇は薔薇のようだと思った。美しく、気高く触れ難い薔薇。けして覚悟無く踏み込めはしないんだ。
ぞくぞくとした興奮がオルカの胸を駆け巡った。自分が食べてやろうなんて思ったら、逆に食べられて。そうだよ、それが悠月だ。俺が見つけた―――唯一無二の人。
オルカはゆっくりと立ち上がった。全身に回る覚悟や、興奮や、想いを噛みしめながら。
リビングにいる悠月はどんな顔をしてるだろう。俺を見て何て言うだろう。
―――きっと「腹が減った。早く何か作れ」とかって言うんだろうな。
オルカはくすりと笑いながらそっと首を撫でた。君が噛んだ場所。ここに薔薇のような跡が残ればいい。
オルカは唇の端に笑みを残したまま悠月を追い、歩き出した。
先ずは……美味しい晩ごはんを作ってあげないとね。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月29日
参加申し込みの期限
2017年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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