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壁DON! DON!
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「♪ ♪ ♪~」
放課後。大柄な体を軽やかにスキップさせて、下校する生徒の視線を引きつけているのは
羽生 碧南
だ。
(だって! 今日は部活がお休みなんだもん!)
別に碧南は部活が嫌いな訳ではない。ただやっぱり色々とご多忙な女子高生としては息抜きも欲しいのである。それがたまたま目の前に転がり落ちてきて……本日の碧南はご機嫌だった。
(どう過ごそうかな。まっすぐ寮に帰ってもいいし……図書室に寄ってもいいな)
ふんふんと考えていた碧南は、ゲームをやり途中だった事を思い出した。勿論碧南が大好きな乙女ゲームだ。『学園天国 ~愛も成績も掴み取れ~』。あとちょっとであのゲームも全員攻略できる。美麗な攻略キャラ達を思い浮かべれば碧南はもう脳内プレイ状態だ。うふふ、あのイベントは美味しかった……なんてうきうきしながら校舎を歩いていた碧南は、自分を呼ぶ声にようやくその足を止めた。
「羽生君」
「へ?」
後ろからかけられた声でハタと我に返れば、ここは……どうやら美術室。
(え? なんで私ここに?)
夢から覚めた心持ちで後ろを振り返れば。
「やあ」
鷹取 洋二
がワカメな前髪を気障に掻き上げ、微笑んでいた。
「あ! ……せ、先輩?!」
碧南は真っ赤になって小さく叫ぶ。その心臓は今までの妄想とは比較にならないほどトクンと跳ねた。それはそうだろう。想いを寄せる人が突然目の前に現れたのだ。所詮妄想はリアルな恋心には敵わない。
どうやら碧南は妄想している内に美術室に迷い込んでしまったようだ。……無意識に洋二の姿を探していたのかもしれないが。
あたふたと辺りを見回し碧南は取り繕うように言った。
「あっと……先輩は部活……ですか? あれ? でも他の部員さんって……」
洋二は突然美術室に来た碧南にさして驚くこともなく口を開いた。
「ああ。何だか今日はみんなスケッチに行くとかでね。でも僕は気分じゃなかったから、ここに残ったんだ」
そしてカタンとキャンパスの前の椅子に座ると、ちょっと碧南を振り返り、肩越しに言った。
「―――どうする? 僕の絵でも見ていくかい?」
美術室に、2人きりの静かな時間が流れていた。
碧南がいる事など全く意に介していないように左手でサッサと絵筆を走らす洋二。その姿に碧南は見惚れていた。
(本当に、何でも出来ちゃうんだ鷹取先輩……)
彼の専攻は音楽。専門はバイオリンのはずなのだが、碧南は目の前で描かれている絵に圧倒されていた。
真剣な横顔。絵筆を持つ手首が意外に骨っぽくて、色っぽい……。
本人がこちらを向いていないのをいい事に心ゆくまで洋二を眺めていると、突然その唇が動いた。
「で、羽生君は部活はどうしたんだい?」
「え?!」
もう自分の存在なんて忘れられてるだろうと思っていた碧南は思わず背筋を伸ばして答えた。
「あ、今日は休みなんです」
洋二は筆を止める事無くふーんと呟いた。
「じゃあゆっくり見ていきたまえ。たまには芸術もいいものだろう?」
「は、はい。ありがとうございます」
洋二の横で碧南はこくこくと頷く。正直芸術はよく分からないけど洋二を見ていたいのは本音だった。
(……邪魔にならないかな?)
そんな不安が少し頭を掠めたが、碧南は小さく首を振った。大丈夫。本人から許可が出たし……。
碧南は顔を上げると微笑みながら、相変わらずキャンバスに向かう洋二を見た。
……先輩、絵を描きながらでも私に話しかけてくれたもん。
「―――さて、今日はこの辺で終わろうか」
洋二が絵筆を置いた音で、ハッと碧南は我に返った。ぽつりぽつりと会話をしながらゆっくりと洋二と過ごす時間は、終わったのだ。
「あ、じゃあ私掃除をします!」
碧南は勢いよく立ち上がるときょろきょろと辺りを見回す。そして掃除用具入れを見つけると、一直線に駆け寄った。そして取っ手に手をかけた時。
「あ、ちょっと待ちたまえ羽生君」
「え?」
意外に近い声に驚いて後ろを振り返ると。
トンと耳元で音がして……洋二が戸に凭れ、すぐ傍で自分を見つめていた。
「あ……せ……先輩……」
乙女ゲーのスチルでは何度も見た。攻略キャラがプレイヤーをかっこよく壁に追い詰める壁ドン。まさか、自分がやられる日が来るとは思わなかった。
余りのことに碧南は胸がキュンとして動けない。好きな人の壁ドンがこんなに破壊力を持つものだとは思わなかった。……たとえ自分の方が4センチくらい高いとしても。
至近距離の洋二の唇が動く。何を言われるのかと碧南がドキドキ身構えると。
「―――これはね、凄くたてつけが悪いんだ。こうやって叩かないと……」
そう言って洋二は碧南の後ろの戸をドンドンと何度か叩き始める。驚いて碧南が横にどくと、洋二はすんなりと戸を開け、箒を取り出した。
「ほら開いただろ。さ、どうぞ」
「あ、ありがとう……ございます……」
差し出された箒を呆然と受け取る碧南に軽く頷くと、洋二も箒を持ちさっさと床を掃き出した。
「大して汚れてないからすぐ終わりそうだ……どうしたんだい羽生君、顔が赤いけど?」
箒を抱えたままの碧南に、洋二は首を傾げる。洋二の指摘にひゃん! と碧南の両肩が上がった。
「な、何でもないです~!」
そう言うと猛然と掃き出した碧南に、洋二はますます首を捻る。その視線を背中に感じながらも碧南は頬を赤らめたまま、全力で掃き続けた。
たとえ偶然だったとしても。洋二が何とも思ってなかったとしても。
碧南の心の中には先程の壁ドンは、大事なスチルとしてしっかり収められたのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月29日
参加申し込みの期限
2017年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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