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壁DON! DON!
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―――カツーン……コロコロ。
廊下を歩く
青野 海仔
の足元に何かが落ちてきた。
(これは……ストラップか……?)
南国の海の色のような透けた青色の髪をサラリと耳にかけ、海仔は屈んでそれを手に取った。掌でコロリと転がったのは、瓢箪型のストラップ。面白い形だがなぜここにと思って視線を前に戻せば、ふらりふらりとおぼつかない足元で歩く茶髪の女生徒の姿が目に入った。
(ふむ)
一見眠そうに見える薄く開いた目で女生徒を見つめながら、海仔は合点がいった。
恐らくこれは彼女が落としたのであろう。見知らぬ顔のようだが渡してあげないとと無表情に思った海仔(彼女は本来フレンドリーなのだが、その動かない表情のせいでだいぶ損をしているようだ)は、歩を進めながら声をかけた。
「そこの、後輩」
が、しかし。
女生徒は相変わらずふらふらと歩いたままだ。海仔はむ、と首を捻った。
(振り返らないな。しかし名前がわからないと声のかけようもない)
肩を掴んで振り向かせてもいい。しかし、上級生の自分がやると、怖い先輩と思われてしまうのではないだろうか。
女生徒の上履きの色を見ながら海仔は考える(ここまで思いやれるのにその動かない表情のせ(以下ry))。海仔はしばし逡巡していたが、ふっとその瞳に決意の色を載せ、顔を上げた。
今日も変わらず、
酒浸 朱蘭
は酔っ払っていた(彼女ために一応注釈をつければ、彼女は己のろっこん『似非バッカスの施し』で酔っ払っているのである)。お酒は20歳になってからと朱蘭は決めている。ろっこんで酔っ払うのは酒に慣れるための訓練でありけして好き好んで……彼女はやっている。お陰でいつも頬の辺りは赤く、とろんとした瞳で過ごしているので、朱蘭の素面の姿は伝説のネコモン並に珍しいのかもしれない。
そんな彼女が今日も千鳥足でふらふらふらりと廊下を歩いていると、ふと後ろから涼やかな声で呼び止められた気がした。
(ん~と……声がしたような……そうでないような)
何せ気分はいつも雲の上だ。まあ酒の神様が声をかけてきたんなら、もちっと酔っ払ってから出直して欲しいもんだと大して気にも留めず、朱蘭はふわふわと歩き続ける。と、ドンという音と共にいきなり朱蘭の目の前に腕がにゅっと伸びてきた。
「あ……え?」
突然目の前に現れた女の子が、朱蘭の前を塞ぐように壁に手を突き、彼女の進路を絶っている。朱蘭は一瞬、とうとう酒の神が自分の目の前に降りてきたのかと思った。でもバッカスって男神だった気がするし、酒呑童子は鬼だし、目の前にいるのはどう見ても女子高生だ。
「……なんなんだぜ?」
目をぱちくりとさせ朱蘭は呟く。混乱、していた。ろっこんでの酔いがちょっと覚めるくらい。ただ分かる事と言えば目の前の人物は寝子高の女生徒でぱっつん前髪のロングの髪の毛を持ち、ひたと自分を見据えている。朱蘭は彼女に全く見覚えはなかったが何故か不快な思いはせず、こんな印象を持った。
―――綺麗な、髪の色だな。
―――振り向かないなら進行方向に回り込んで遮るのが正解ではないか。
よくよく考えたら肩を掴むのと同じくらい物理的な手段で、落とし主であろう女生徒の歩みを止める事に成功した海仔。壁に手をつきながら彼女を囲い、その目の前にずいっとストラップを突き出したが。
(む。足を止めさせたのはいいものの……これはこれで何か違うか)
見知らぬ後輩とおでこが触れ合うくらいの距離で、海仔は無表情に考えていた。
海仔はそのままじいっと女生徒の少し見開かれた大きな黒い瞳を見つめてみる。後輩、このストラップは私の足元に落ちてきたのだが……うん、アイコンタクトでは何ともならんようだな。
海仔は嘆息した。時に自分の行動には言葉が足りず、そして人とコミュニケーションを取るには言葉が不可欠だと分かっていたからだ。いやはや何とも、難しい。
それでもまだ何とか意図を分かってもらえないだろうかと海仔はもう1度女生徒を見た。明るい茶色の髪を無造作に下ろし、彼女は頬を染めながらとろんとした瞳に戸惑いの色を浮かべている。海仔は少し待ったが、やはり彼女の口からは「あなたの意図は理解しました」という言葉は出てこなかった。
(うむ、きちんと言葉で伝えねばならないか)
海仔は女生徒との瞳の会話をあきらめ、そのあまり器用ではない口を開いた。あくまで、怖がらせないように、優しく。
「後輩、これは落とし物ではないか?」
……残念ながら表情はついては来なかったが。
―――これは『壁ドン』って事でいいんだよな?
突然目の前にせまってきた女生徒と至近距離で見つめ合いながら、朱蘭の動揺は続いていた。
嫌ではない。嫌ではないが、相手の意図が読めないのだ。
上履きの色を見ればどうやら先輩で。しかし朱蘭は彼女に見覚えはない。そんな知り合いでもない先輩にいきなり壁ドンされたら、誰だって驚くだろう?! そしてそのまま無言状態が続けば何なんだって思うじゃねえか!
もしかしたら……あたしに一目惚れ……って事はねぇと思うんだけど。女同士だし。でも最近は性別なんてフリーダムだし……ってかどっちにしたって一目惚れはねぇだろと自分にツッコミをいれていると、目の前の女生徒が無表情に口を開いた。
「後輩、これは落とし物ではないか?」
え、と思い彼女の差し出されていた手元を見る。そこには、瓢箪型のストラップ。それは自分の持ってたものと似てるというか、それそのもので。
(えっと、もしかしてあたしが落としたから呼び止めてくれたのかな……?)
呼び止める、にしては些か不思議な手段ではあるが。でも朱蘭は自分を見つめてくる深い真っ直ぐな瞳に好感を持った。朱蘭はそっと掌を差し出して言った。
「そ……そのありがとなんだぜ?」
朱蘭が返した言葉に女生徒は軽く頷くと、ころんとストラップを朱蘭の掌に置く。そしてくるりと踵を返し朱蘭に背を向けると、その美しい水色の髪を翻し歩き出した。
(ク、クールなんだぜ?)
颯爽と歩くその後ろ姿を、朱蘭はポカンと見送っていた。
何だったのだろう。あの先輩が発したのはたった一言だけ。そして朱蘭の手元には落としたストラップが無事に戻って。
そこでハッと朱蘭は気が付いた。呆然としたままお礼は言った、けど。
(いやいやこれじゃあ折角拾ってくれたのに失礼なんだぜ!)
きゅっとストラップを握りしめ、朱蘭は思う。
突然壁ドンしてきた先輩。無言でストラップを突き出してきた先輩。一風変わってるけど……あの見つめてきた瞳の色は、優しかった。
朱蘭はにひゃと笑った。何だか会った事のないタイプの先輩だ。行動が突拍子もなくて、でも温かくて。
男でも、女でも。あたしは面白そうな人が大好きだ。瓢箪が取り持つ縁。粋じゃねぇか。ここであの先輩を逃したら―――あたしは絶対後悔する!
朱蘭の背が、壁から離れた。
(怖い先輩と思われなかっただろうか)
無表情でスタスタと歩きながらも、内心ではぐるぐると海仔は考えていた。
いつも、そうだ。言葉を考えると最低限の単語しか表に出ない。表情に至っては……。
こう思いながらも海仔の顔に変化は現れない。もうそれはしょうがないのかもしれない。自分はいい。ただ、自分に関わる人間が、不快な思いさえしなければ。
その時、大きな声がした。
「先輩ー! おーい、先輩ー!」
(先輩……誰のことだろうか)
歩を止めず海仔は背中でその声を聞いていた。しかしよく考えると周囲には人っ子一人居ない。と、いう事は……。
まさかと思いながらもやっぱり無表情で海仔は振り返る。そこにはさっきストラップを渡した女生徒が、手をぶんぶん振りながら駆け寄る姿があった。
「やった、振り向いたぜ! 先輩~……っとっとっと!」
赤ら顔の女生徒がバランスを崩したのか、足をもつれさせる。思わず海仔は彼女に向かって走り出していた。
「危ないぞ後輩!」
楽しそうに倒れ込む朱蘭、ほんの少し驚いた表情を浮かべながら両手を差し出す海仔。
―――これが、2人が出会った、きっかけ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月29日
参加申し込みの期限
2017年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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