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妖怪トレペちぎりの謎
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夜の校舎を響き渡る声に、別棟でぬんぬんと読書タイムを楽しんでいた
真辺 伸幸
も立ち上がる。
「あらら~。あっちに出ちゃったのねぇ」
と言葉では言うものの、まったく急ぐ様子はない。椅子を持ち上げ、教室のもとあった場所に戻し、本をカバンにしまって声のした方にのらくらと進んで行く。校舎を出て、騒ぎ声のする部室棟に向かうところで
逆巻 天野
に出会った。
「真辺。今までどこにいたんだい?」
「南校舎のトイレよー。あまくんは?」
「僕は用務員さんに夜滞在の許可を取ってから、探検部で靴を履き替えて、応急処置セットとか……いろいろ用意してたんだ」
「えらいのねぇ。ここからは一緒しようかぁ」
「ああ。心強いよ」
伸幸は縁があればほらね、会えるでしょー? とほえほえと笑う。天野はそうだね、とだけ短く答えた。どちらともなく、次第に早足になる。どうやら事件の決着は、部室棟のトイレで迎えられるようだった。
マウル・赤城・スティック
が待ち伏せる部室棟男子トイレの個室がかたりと揺れる。
(出たという声が聞こえたが……こっちに進路変更か?)
微かなしずくの音も聞こえた。次にローラーに手か足か、何かがそっとかけられる音。紙を引き出そうとする気配。
(――いまだ!)
マウルは肺一杯に息を吸い込み、勢いつけてぴたりと止める。途端彼のろっこん『救いの手』の力を受けたブーメランから右腕が生え出て、思い切りネットを引き下ろした。何かが網に絡まる感触がして、じたばたともがくのが聞こえる。暗闇の中、色の濃いネットに覆われたその正体はいまだ判じることができないが、小動物だとマウルは確信した。ブーメランから手を伸ばし、相手を押さえ込もうとするが思うように行かない。ネットに駆け寄り、自分の両手も使って捕獲を試みるものの、水を撒き散らしながら暴れ、飛び上がる塊を捕まえるのは想像以上に難しい。次第に息が苦しくなってきた。
(だれか! 早く来てくれ!)
真っ先に駆けつけたのは校舎で妖怪に出くわし、その逃走経路を見ていた
晴海 飛鳥
だった。マウルは息を吐き、ぜいぜいとしながらも叫ぶ。
「トレペちぎりだ! 頼む!」
飛鳥は答える代わりに、ポケットに忍ばせていた個包装をすばやく引きちぎり、のど飴を口に放り込んだ。『ソリッドボイス』が発動する。
「まてー!」
個体と化した声のブロックが、ネットを引きずり逃げようとするトレペちぎりを襲う。『て』のブロックがごつんと当たり、妖怪の体が傾いた。バケツをひっくり返したように、水が散る。
「ようかいがでたー!」
飛鳥の声は大きなブロックとなって飛び、壁に当たって大きな音と振動を生み出した。音に気づいた
真辺 伸幸
、
逆巻 天野
がやってくる。どこに身を潜めていたのか、
大天使 天吏
も姿を見せる。体育館から飛び出した
握 利平
も後を追っていた。
トレペちぎりは動かなくなっていた。男子トイレの電気をつけ、マウルはネットをゆっくりと外す。飛鳥は妖怪の正体を今か今かと待ち受けていた。ネットを解いていくたびに、まるでスポンジを絞っているかのように大量の水が流れ落ちる。妙に湿っぽく柔らかい腕のような何かをつかんで引っ張り出してみると、黒い体がだらんと力なく落ちた。
「やめて!」
それは天吏の声だった。皆が始めて耳にする、彼女の大きな声。叫び声。普段はとても考えられないような素早さで、天吏はマウルの腕からトレペちぎりだったものを奪い取った。そのまま濡れた床にひざまずき、抱きしめる。
妖怪トレペちぎりと呼ばれたものは、信じられない姿に変貌したカラスだった。
まだ小さい。繁殖もできない若い個体だろう。両の翼が綿のように膨れ上がり、重たげにたっぷりと水を含んでいる。翼は異常なほどに柔らかくなり、骨が入っていないかのようだった。これでは飛ぶことはおろか、まともに歩くことさえできないだろう。翼に比して体はみじめなほどに痩せ細っていた。哀れなカラスの姿に、天吏の片方の瞳に涙があふれる。
「これ。羽に当ててやって」
誰にも渡すものかとでも言うように背を向けてしゃがみこむ天吏に、天野がトイレットペーパーを一巻手渡した。ペーパーを押し当てると、たちまち翼の水分を紙が吸い込んでいく。紙に水分が行き渡ると翼は再び固くなり、羽毛が伸びて鳥らしい形を取り戻す。だが、トイレットペーパーが水を含んで一杯になってしまうと、また翼はぶくぶくと水分で膨れ始めた。
飛鳥はその姿をカメラに収める。悲しみと怒りを込めた目で、カメラを見つめる天吏に諭すように言った。
「違うよ。姿を撮っておけば、治す方法を探すのに役立つから」
「神魂の影響ってやつだろうなあ……トレペちぎりがトレペだけを探してたのは、体を元に戻したかったからだったのか」
利平は自分の考えた犯人の理由が、半ば正しいものであったことに対して複雑な気持ちを隠せなかった。
「なまじ頭がいいだけに、トイレットペーパーで水を何とかできるってことだけ覚えちゃったんだねぇ」
伸幸の言葉に、皆がうなずく。妖怪は、何とか生き延びたくて、必死にもがいていただけなのだ。
「飛べなくなって、餌も取れなかったんだろうなぁ。だから、夜を選んで……」
そう思うと、今までの苛立ちよりも、カラスを哀れに思う気持ちばかりが強くなる。このままではこのカラスは餓死するほかにないからだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月13日
参加申し込みの期限
2013年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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