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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
遊びにいこう！ 絶滅動物園
【可愛さ爆裂！ ふれあいコーナー（４）】
「「か、可愛いいい……！！」」
女の子たちの黄色い声が重なりました。
遠野 まほろと椿 美咲紀のところへ、てってってってっ。よちよち歩きでやってきたのは、ドードーのヒナたち！
「わぁ……産毛がふわふわだね」
「だ、抱っこ！ 抱っこしたいのですー！」
ガイドのお姉さんがどうぞどうぞーと言ったので、ふたりはひょいっとヒナたちを胸に抱いてみます。
なんともやわらかいぽわぽわの産毛を両手に抱き上げると、ふかふかであったかくて気持ちが良くて、ふたりのお顔はふにゃーっと緩みました。
「かわいいなぁ……ぬいぐるみさんみたい」
「癒されるのです……！ でもこんなに簡単に捕まっちゃうんですねぇ」
「まぁ、ここの動物たちは飼い慣らされているらしいけどな」
どこからか声がして振り返ると、
「あれ、シュー君？ どこにいるですか？」
「ここだ。助けてくれ」
ちょうど飼育員さんによるホラアナライオンやサーベルタイガーの赤ちゃんたちのお散歩に巻き込まれる形で、八神 修が毛皮にもっふり埋もれておりました。
ドードーちゃんを下ろして、猫科動物たちの赤ちゃんを修の身体からいったんどけようとして屈みこむと、
「わ、わ！？」
「私たちも捕まっちゃったね……？」
美咲紀もまほろも、あっという間に毛皮まみれ！ ドードーにホラアナライオン、サーベルタイガー、それにフクロオオカミまでもが集まってきて、身動き取れなくなってしまいました。
もちろん三人は、本望でしたけれど！
「かわいいなぁ……でも、この子たちはもう、ここの外にはいないんだよね……」
ドードーを膝に乗せたまほろが、ふと、ちょっぴりしんみりと言いました。
「絶滅動物園、ですものねぇ」
「ああ、そうだな。夢のような光景だ」
美咲紀はサーベルタイガーの赤ちゃんをくりくり撫でて可愛がり、修はライオンの赤ちゃんにミルクをあげています。
「ドードーは、人が滅ぼした種の代表格だよな……」
「そういえばあっちには、ニホンカワウソとかニホンオオカミの赤ちゃんもいたのです！ あれも絶滅種なんですねぇ。ちょっと前までは普通にいたはずなのに、動物ってけっこうあっさり絶滅しちゃうんだなぁって。切なくなるですよー」
美咲紀にうなずいて、修は言いました。
「そう、生物種族というものは、案外簡単に滅んでしまうものだ。さっきも向こうで誰かが話していたが、スチーフンイワサザイの例のように、人間のちょっとした行動がひとつの種を絶滅に追い込んでしまうこともある」
あたりの樹々の上からは、多種多様な鳥の鳴き声が聞こえてきます。丘の向こうの草原には、動物たちの群れが元気に駆けています。
それらのすべてが、もはやこの地球上には存在しない生き物たちなのです……この絶滅動物園を除いては。
「絶滅動物について記した『レッドリスト』によると、特に急激な種の絶滅が進み始めた大航海時代以降に絶滅が確認された動物は、７００種以上に上るそうだ。そしてそのほぼ全てに、人間が関わっている」
「……かなしいね」
まほろが触れているこの産毛の手触りや、ぽわっとあたたかい体温のぬくもりは、本物です。
「人間への警戒心が無さすぎるのも、考えものなのですねー……」
美咲紀がなでる毛並みの感触、伸びかけの牙も、腕にかかる重みだって、きっと本物です。
そして同時に、それらは儚いまぼろしでもあるのです。
「ま、この調子だと、ヒト自身も例外ではないかもしれないがね。未来のどこかの博物館で、絶滅種『ホモ・サピエンス』が展示されていないことを願うばかりさ」
肩をすくめた修の言葉にはどこかシニカルな響きがありながら、彼の語るのはシビアな現実でもあるのでしょう。
余談ながら、この絶滅動物園もまた人間の手によって運営されています。彼らがいなくなっては、絶滅動物たちもまた再び居場所を失い、今度こそ完全に死に絶えてしまうかもしれません。
「……うん。そうだね」
もっとも、それはまだもう少し先の未来に訪れるかもしれないお話。まほろは膝の上で眠るヒナを、くっつきながらころころと寝転ぶ赤ちゃんたちを撫でてやりながら、小さく、けれどしっかりとうなずきました。
「なら、せめて……今はこの子たちを、うんっと可愛がってあげよう？」
「そうそう、そうなのです！」
「ああ……そうだな。そうしよう」
少なくとも、目の前でじゃれる動物の子どもたちは無邪気です。
三人はやわらかい芝生の上に寝転んで、ますます雛たちや赤ちゃんたちのふかふか毛並みに埋もれながら、やがてうとうと。いっしょにぬくぬくとあたたかなお昼寝を楽しみました。
「「か、可愛いいい……！！」」
女の子たちの黄色い声が重なりました。
遠野 まほろと椿 美咲紀のところへ、てってってってっ。よちよち歩きでやってきたのは、ドードーのヒナたち！
「わぁ……産毛がふわふわだね」
「だ、抱っこ！ 抱っこしたいのですー！」
ガイドのお姉さんがどうぞどうぞーと言ったので、ふたりはひょいっとヒナたちを胸に抱いてみます。
なんともやわらかいぽわぽわの産毛を両手に抱き上げると、ふかふかであったかくて気持ちが良くて、ふたりのお顔はふにゃーっと緩みました。
「かわいいなぁ……ぬいぐるみさんみたい」
「癒されるのです……！ でもこんなに簡単に捕まっちゃうんですねぇ」
「まぁ、ここの動物たちは飼い慣らされているらしいけどな」
どこからか声がして振り返ると、
「あれ、シュー君？ どこにいるですか？」
「ここだ。助けてくれ」
ちょうど飼育員さんによるホラアナライオンやサーベルタイガーの赤ちゃんたちのお散歩に巻き込まれる形で、八神 修が毛皮にもっふり埋もれておりました。
ドードーちゃんを下ろして、猫科動物たちの赤ちゃんを修の身体からいったんどけようとして屈みこむと、
「わ、わ！？」
「私たちも捕まっちゃったね……？」
美咲紀もまほろも、あっという間に毛皮まみれ！ ドードーにホラアナライオン、サーベルタイガー、それにフクロオオカミまでもが集まってきて、身動き取れなくなってしまいました。
もちろん三人は、本望でしたけれど！
「かわいいなぁ……でも、この子たちはもう、ここの外にはいないんだよね……」
ドードーを膝に乗せたまほろが、ふと、ちょっぴりしんみりと言いました。
「絶滅動物園、ですものねぇ」
「ああ、そうだな。夢のような光景だ」
美咲紀はサーベルタイガーの赤ちゃんをくりくり撫でて可愛がり、修はライオンの赤ちゃんにミルクをあげています。
「ドードーは、人が滅ぼした種の代表格だよな……」
「そういえばあっちには、ニホンカワウソとかニホンオオカミの赤ちゃんもいたのです！ あれも絶滅種なんですねぇ。ちょっと前までは普通にいたはずなのに、動物ってけっこうあっさり絶滅しちゃうんだなぁって。切なくなるですよー」
美咲紀にうなずいて、修は言いました。
「そう、生物種族というものは、案外簡単に滅んでしまうものだ。さっきも向こうで誰かが話していたが、スチーフンイワサザイの例のように、人間のちょっとした行動がひとつの種を絶滅に追い込んでしまうこともある」
あたりの樹々の上からは、多種多様な鳥の鳴き声が聞こえてきます。丘の向こうの草原には、動物たちの群れが元気に駆けています。
それらのすべてが、もはやこの地球上には存在しない生き物たちなのです……この絶滅動物園を除いては。
「絶滅動物について記した『レッドリスト』によると、特に急激な種の絶滅が進み始めた大航海時代以降に絶滅が確認された動物は、７００種以上に上るそうだ。そしてそのほぼ全てに、人間が関わっている」
「……かなしいね」
まほろが触れているこの産毛の手触りや、ぽわっとあたたかい体温のぬくもりは、本物です。
「人間への警戒心が無さすぎるのも、考えものなのですねー……」
美咲紀がなでる毛並みの感触、伸びかけの牙も、腕にかかる重みだって、きっと本物です。
そして同時に、それらは儚いまぼろしでもあるのです。
「ま、この調子だと、ヒト自身も例外ではないかもしれないがね。未来のどこかの博物館で、絶滅種『ホモ・サピエンス』が展示されていないことを願うばかりさ」
肩をすくめた修の言葉にはどこかシニカルな響きがありながら、彼の語るのはシビアな現実でもあるのでしょう。
余談ながら、この絶滅動物園もまた人間の手によって運営されています。彼らがいなくなっては、絶滅動物たちもまた再び居場所を失い、今度こそ完全に死に絶えてしまうかもしれません。
「……うん。そうだね」
もっとも、それはまだもう少し先の未来に訪れるかもしれないお話。まほろは膝の上で眠るヒナを、くっつきながらころころと寝転ぶ赤ちゃんたちを撫でてやりながら、小さく、けれどしっかりとうなずきました。
「なら、せめて……今はこの子たちを、うんっと可愛がってあげよう？」
「そうそう、そうなのです！」
「ああ……そうだな。そうしよう」
少なくとも、目の前でじゃれる動物の子どもたちは無邪気です。
三人はやわらかい芝生の上に寝転んで、ますます雛たちや赤ちゃんたちのふかふか毛並みに埋もれながら、やがてうとうと。いっしょにぬくぬくとあたたかなお昼寝を楽しみました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年08月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年08月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年08月17日 11時00分
