どんなことをして遊べばいいか教えてほしい｜リアクション

どんなことをして遊べばいいか教えてほしい

●明るく楽しく元気良く

　放課後。夏神零の案内で夏神神社へ。神社の境内を案内している最中、１羽の鷹が舞い降りてきた。
「リンではないか。総悟殿に会いにきたのでござるか」
　返事するかのように、リンは周囲を飛びながら鳴く。
「その鷹、飼っているの？　人に懐くなんて珍しいね」
「神社に迷い込んでいたのを世話していたら懐かれたでござる」

　一通り案内が終った後、客間に案内された１０人は寛ぐことに。
「茶を淹れてくるゆえ、しばしお待ちくだされ」
「お手伝いします」
　綾辻綾花は手伝うため客間を離れる。

「総悟くん、遊ぼう！」
　学食でやり損ねた遊びをここで！　と桃原空音はトランプを取り出す。
「スピードでどうかな？」
「遊び方がわかれば」
　やったぁ！　と空音は喜んでトランプをシャッフルしながら遊び方やルールをわかりやすく説明する。
「総悟くん、赤と黒、どっちがいい？」
「黒で」
「じゃ、あたしは赤ね！」
　色が決まったところで、２人は自分の前の場に表向きの４枚のカードを置く。
「３回勝負して２回勝ったほうが勝ちね！　いっせーのっ！」
　空音の札は９。この場合はこれだ、と総悟は１０の札をそれに重ねる。話を一度聞いただけで遊び方を理解するのはすごい。
　どちらが勝つかわからない展開だったが、遊び慣れている空音が勝った。
「あと２回だね。次は負けないよ」
「あたしだって！」
　２回目の勝負は、見ている全員が「速いっ！」と驚くほどだった。それだけ、２人が本気で勝負している証拠だ。
「すごいね……」
「総悟くんもね。本当に初めてなの？」
　３回目はその名の通りのスピード勝負だったが、総悟が辛うじて勝った。１勝２敗なので負けには代わりないが。
「へっへーん、あたしの勝ち！　さぁて……罰ゲームは……」
　ニヤリと笑いながら、ポケットからマジックを取り出した。
「顔に落書きなのだー！」
「それは嫌だ！　落書きされたまま帰るのは！」
「大丈夫、フェイスペイント用のマジックだから！　帰る前に落とせるよ！」
　それなら……と観念して落書きされることに。
「あたしも１回負けたから、総悟君も落書して」
　女の子に落書きなんてと躊躇ったが「やって！」と迫るので仕方なく描く。

「待た……って、総悟殿！？」
「その顔……」
　湯呑を乗せたお盆を手にしたまま、零と綾花は一瞬固まる。
　目の周りはパンダ、鼻の先は赤く塗られ、両頬に猫のヒゲが描かれている等の総悟の顔に、皆、笑いを堪える。
「良い記念だ」
　落書きされた総悟と頬に渦巻を描かれた空音、固まる皆の図を旅鴉月詠は黙々とスケッチ。