どんなことをして遊べばいいか教えてほしい｜リアクション

どんなことをして遊べばいいか教えてほしい

●体を張った約束

　汗をかいたので、総悟は落書を落としたいと言い出した。
「洗面所に案内するでござる。そこで落としてくだされ」
　夏神零に案内され、落書きを落とすため一時退席。

「次は俺の番だ！」
　総悟が戻るなり、風雲児轟はヘルメットと棒を用意。
「鳴鏡院、そこに座れ」
　そう言うと、客間の座布団を敷き直す。
「俺が教えるのは『たたいて・かぶって・ジャンケンポン！』だ！」
　向かい合って座り、その間に棒とヘルメットを置いてジャンケンをして勝った方が棒で相手の頭を叩く。
　負けた方が叩かれる前にヘルメットをかぶって防ぐ。
「頭に攻撃を入れるまで繰り返すだけだが、ただの遊びと思っちゃいけねえよ？」
「鳴鏡院流剣術に似た点があるね」
「だろ？　って事でやるぜ！　たたいて・かぶって・ジャンケンポン！」
　初手は轟がグー、総悟はパーを。
　勝った総悟は素早く棒を手にし、轟の頭を叩こうとしたがヘルメットで防がれた。
「あぶねー！　遅かったら叩かれてたな。次は負けねえ！」
　双方チョキだったので仕切り直したところ轟がグー、総悟がチョキ。
　お返し！　言わんばかりに棒を振り下ろすが寸でのところで阻止された。
「風雲児君もやるね。もう少し遅かったら僕が叩かれていたよ」
「褒めても手加減しねえぜ！」

　その後も何度か勝負したが、判断力、動体視力に優れた総悟は一度も叩かれることなく終わった。
「完敗だ……お前すげえよ！　ひとつ頼みがある」
「何かな？」
「俺はお前に遊びを教えた。その代わりと言っちゃなんだが、俺にお前の剣術を教えてほしい。お前が今まで全力で注いできた剣術を俺と戦って見せてほしい！　俺は全力で教えた。だからお前も全力で教えてくれ！」
　頼み込む轟の目は真剣そのものだ。
　本気には本気で応えるべき、と総悟は修行中の身だが良いかと聞き返す。
「それでも良い。お前の剣がどんなものか知りたい！」
「わかった。君は真剣に教えてくれたから、僕も真剣に教える」
「約束だぞ！」
　忘れないよう、互いに手を差し出しガッチリ握手する。
「真剣な中にも遊びはあるようだな。俺にも鳴鏡院の一番の楽しみ、剣道を教えてくれないか」
　握手している２人の手に自分の手を重ね合わせ、修も約束を交わす。
「私との約束も忘れないでね。買い物に付き合ってくれるんでしょう？」
「それを言うなら、またたび市動物園に行く約束もあるわ」
　３人だけでずるいと七海真帆と鴻上優梨乃が割り込んで約束を。