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【東館二階大書庫】
自ら蹴落とし囮とした彼、あるいはそれを救出に向かった彼らがどうなったか……と、
工藤 来夢
は顧みることもない。
さりとて彼女の心が悪意に溢れているわけでもない。どこまでも純粋なだけだ。来夢にとって目の前の全ては、作品を更なる高みへと押し上げ昇華させるための糧でしかない。
「おーっと! なんか面白そうなの発見♪」
彼女は真に漫画という偉大な文化の奉仕者であり、時に自らの命までも天秤に賭けることすら厭わない。
行き止まり書架から降りたところで彼女が発見したのは、本たちの間に挟まれていた意味深げな紙片だった。
「あの、そんなことしてる暇はないんじゃないですか?」
「まあまあ。いいネタっていうのは思わぬところに転がってるものだからねー。さてさて、なんて書いてあるのかな?」
書架が作る迷路の曲がり角の向こうを手鏡で確かめながら、
新田 樹
は肩をすくめる。
樹には来夢がどうなろうと知ったことではないし、このまま彼女を置き去りにして逃げてもいい。それはいつでも選択肢の一つに含まれる。
とはいえ樹の目的は、この状況を楽しむことだ。ゲームを余すことなく楽しむには、提示される情報を読み込むこともまた必要だろう。
マリーに敵は多く、それ以上に彼女の持つ才気やカリスマに惚れ込む者は多かった。
マリーの信奉者は日ごとに際限なく膨れ上がっていった。
そしてその動きが、マッケラン学長を刺激した。
もはや親衛隊か軍隊めいた体を成し始めたマリーの一団へ抗するため学長が引き入れたのは、驚くことにあのシモーヌ・デュボアだった。
デュボアは恐らく私のことなど気にも留めていないだろうし、事によると知りもしないのかもしれないが、私は彼女を知っていた。妹が良く、瞳に羨望の眼差しを宿しながら語ってくれたから。
デュボアは独善的で攻撃的な孤高の学徒として知られていたが、一方で魔術に対しては極めて真摯な努力家であり、魔女としての資質や力量はマリーとさえ比肩すると噂されていた。それ故に彼女を潜在的に慕う者もまた多く、目聡く賢しい学長は彼らをもまとめて派閥へ取り込んだのだ。
両派は互いに睨みを利かせ、やがて学内には一触即発の、ひとたび触れれば決壊しそうな緊張が満ちた。
「ふむふむ、なるほど。つまりここで、争いが起こったみたいだねー。レッドヒル・マリー対なんとか学長&シモーヌ・デュボアってわけ」
「シモーヌ? って確か、さっき少しだけ一緒にいた女の人でしたよね」
「そうそう、あのキツそうな」
二人はいつしか、紙片の語る挿話にのめり込んでいた。単なる情報の片鱗がどこか物語性を帯び、その顛末への興味から自分を逸らせなくなっていた。
「……? 何か聞こえたような……」
来夢は殊更にその傾向が強く、樹がかすかに捉えた予兆をもあっさりと流し、紙片を読み解く作業へ戻った。
「さて、続き続きっと……」
口火を切ったのは、マリーだった。
彼女の信奉者たちの多くは、私ですらいささか眉をひそめる程度には狂信者めいていた。マリーがそう仕向けたのだろうが……狂熱はやがて信仰の域にまで達し、彼らは自らを容易く投げ打った。
マリーは彼らの夢想域を思うままに編纂し、そうして生み出された異形を学内へと解き放った。
被験者の肉体の変容には未だ完全なる規則性を見い出すに至らず、制御は極めて不十分だったが、もはやそれとて問題にならない。学長やデュボアを引き裂く刃か首を折り取る豪腕、何であれ殺戮のための機能が備わっていればそれで良かった。
学徒たちの未熟な結界術を、異形の群れが食い破った。魔術の雷が怪物を貫き、異形の鎌が教員らの半身を断ち割り、学長の吹かせた豪風が肉を裂いた。デュボアは学派の面々とともに劫火を放ち、彼らを率いて戦い続けた。
魔術と異形の戦いにはやがて学長が呼び寄せたというハンターまでもが加わり、まさしく地上の煉獄が産み落とされた。
「……ん、何? 呼んだ?」
「来たんですよ、あれが! 見てください!」
樹が指差すまでもなく、巨大な揺れと空気の震えが来夢の意識を呼び戻す。
目の前に、そびえていた。捻じくれて長大な四肢で歩む、あれは確か司書長と呼ばれていたろうか。
「逃げますよ! ここでゲームオーバーじゃ、ちょっと物足りないしね……」
樹はろっこんを使い、重い本や書架そのものを司書長の頭上へ転移し落下させた。いくらかでも足止めになればと考えてのことだが、巨躯には焼け石に水だ。
来夢がそれを見上げ、ぽつりと言う。
「ああ。こりゃヤバイよね」
「そうですね、ちょっとまずいかも。そのへんに隠れられるところでもあれば、やり過ごして……」
「うん。無理だね。ってわけで、ごめんね?」
「っ!?」
先にもそうしたように、来夢は並んで駆け出した樹に足を引っかけ転倒させた。
樹を囮に、来夢は全速力で走り抜ける。
「な、この……!!」
「悪いわねーっ! ま、これもちゃーんと次の作品に活かすから、安心してよーっ? じゃーねー!」
来夢の声は遠ざかっていった。
樹はすぐに身を起こしかけ……どうやらそれが徒労に終わりそうだと悟ると、あえて身を投げ出し、冷たい石の床へと仰向けに寝転んだ。
「はぁ。仲間の裏切りENDかぁ。私としたことが、ちょっとミスったかな?」
樹にとって、これはゲームだ。遊びを続けられなくなることは残念ではあれど、悲嘆に暮れるほどでもない。
「そこそこ楽しめたかな。でも、次は絶対クリアしてやるんだから」
直後、司書長の右前足が直上から樹の胸郭もろともに心臓を貫き、彼女は快活に笑いながら絶命した。
「っやー、危なかった! あの子には感謝しないとねー。それにしても、ネタが溜まってきたわね。今のうちに書き留めておかないと!」
司書長の足音から逃げ延びた来夢は、メモ帳にペンを走らせながら書架の曲がり角を折れる。
行き止まりに、隙間もないほどに詰まった肉混じりたちがひしめいていることに気づくと、彼女は目を瞬きながら言った。
「あー……せめて、メモるまで待ってくれない?」
来夢の肉体は残らなかった。
【西館二階医務室】
「らぁッ、ナメんじゃねーぞゴラァっ……!!」
床に転がっていた箒の先端をへし折り棒状にすると、
化神 小次郎
は老人の顔面へと叩きつけた。
彼女のろっこんが身体を使ったサインではなく、意思によって発動するものであったことが功を奏したと言える。加納 弥三郎や、分断される前に見た男女の姿を幻影として出現させたことが、老人の何かを刺激したらしい。絡まる触手に緩みが生じ、その隙に彼女は身を捻って脱出することができた。
怪異に乙女を破られることは免れたが、それでも恐怖はやがて怒りへと転じ、はけ口を求めて迸る。
「こちとら、ビビってもっ、絶対に、泣きはっ、入れねえんだ!! 分かったかっ、このクソ野郎っ!!」
老人の顔形が分からなくなったところで小次郎は棒を床へ投げ捨て、ついでのように蹴りを入れた。
袖から伸びる触手はしばし抵抗しのたくっていたが、老人が倒れ伏し動かなくなったところでその活動を止めた。
「はぁっ。はぁっ。ふざけっ、やがってっ……ちくしょう。あたし……先生ェ……」
知らずのうちにつぶやいた言葉が、図らずも光明であったのかもしれない。
「……? 誰かいる。あいつらか?」
向こうから漏れ出た明かりに誘われ、小次郎はぬるつく頬を拭い歩き出す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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