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【西館二階隔離室】
既に孵化したのか、次の段階へと進化し歩き去ったのか、ベッドの上の繭たちはいつの間にか失せていた。
新田 亮
が慎重に扉の鍵を開け、部屋へと招き入れられた
化神 小次郎
は眉をひそめ、首を傾げる。
「……どうなってんだ?」
「さあ、俺にも良くは分からないが。何にしろ、無事でよかった」
「化神さん? 無事だったの?」
部屋の石壁にもたれた
桃川 圭花
が顔を上げ、小次郎を呼ぶ。
「良かった……ごめん、私、動転してて……」
「いや……仕方ねえよ、あたしだってパニクってたし。そっちも生きてて良かったぜ。それより……誰なんだ? あれ」
少しばかり自分を取り戻したらしい圭花は小さく微笑み、最奥のベッドを眺めてその名を告げた。
「探し人が見つかった、ってところ。『レッドヒル・マリー』……彼女がそう。らしいわ、日向さんによるとね」
ベッドには、黒髪の女性が胸に手を組み横たわっていた。息はない。ミイラ化し干からびてはいるものの腐敗はせず、遺体はあちこち損傷しているにもかかわらず、生前はさぞ美しかったのだろうと彼らに思わせた。
「加納さんがここへ彼女を運び、横たえたんです。最期を見届けた後にね」
日向 透
はやはりどこか韻律めいて弾む声を響かせ、微笑む。
透のろっこんは過去の断片を彼へと垣間見せ、映り込む像の中に、他ならぬ彼女の顔があったのだという。
レッドヒル・マリー。彼女は既に死んでいた。
「ああ……やっと会えたね。また会えた。俺がどれだけ待ちわびたと思う? この日を? ああ、あああ。変わらない、君の、美しい、瞳が俺を、いつまでも……愛しているんだよ。君を……ねえ。真理子」
加納 弥三郎の顔はかつてなく穏やかに輝き、瞳には理知の光が戻ってきたかのようだ。
「……日本人、だったのか? レッドヒル・マリーは」
遺体は朽ちかけているが顔立ちは確かに見慣れたアジア人の相貌であり、亮にはその面影がひどく懐かしいもののように思えた。
「さあ、帰ろう。俺たちの島へ。潮風そよぐ、あの島へ」
弥三郎が横たわるマリーの胸へ覆いかぶさり、目を伏せた……瞬間。
彼に、変化が起こった。
「な……なんだこれ!? おい、加納!?」
「えっ、何? 何が起きたの!?」
小次郎は目を見開き、圭花の声には再び震えが走る。
弥三郎の髪が見る間に抜け落ち、肌は乾き、肉は萎れていく。老化し、腐敗し、崩れていく。
「……戻ったのでしょう。あるべき姿へと」
目を細めて口にした透の静かな言葉が、彼らの胸をやけに打った。
後には愛しい女性を抱く、空っぽの残骸だけが残されていた。
【東館三階実験棟】
クッキーを入れたポーチを持ち込むことができたのが幸いした。
「ていっ」
耳をつんざく奇声を発して走り寄る肉混じりへ、
壬生 由貴奈
は拾い上げておいた金属パイプを投げつける。パイプにはねじ切られたように鋭利な切断面があり、由貴奈はろっこんに伴う進化能力で放物線の軌道を的確に修正し、回転するパイプの先端方向を操作し留め、巧みに自由落下の力を加えて肉混じりの中心へ突き刺した。
肉混じりはぶつりと糸が切れたように倒れ、動きを止めた。
「いっ、痛つつ。あめちゃん、大丈夫?」
「うん。問題ない、大丈夫だ……っ」
由貴奈は左肩を貫かれていた。
千歳飴 楓子
の傷はもっと重く、右足のふくらはぎをこそぎ取られている。
はさみ男からはどうやら逃げおおせたらしい。散発的に現れる肉混じりも危険ではあるが、あくまで単体ならば今のように撃退することもできた。
彼女らを追い詰めているのは、もっと恐るべきものだ。
「う……来たぞ、由貴奈氏……!」
「あめちゃん、つかまって!」
由貴奈は楓子の肩を支え、ともすれば倒れ込みそうになりながら必死に前へと進む。
そいつは言うなれば、カブトムシやクワガタムシといった甲虫の一種だろう。ただし角はなく、代わりに獲物の肉を啜るためだろうか、注射針のような長い吻を口に備えている。足は右に八本、左に七本あり、左右のバランスを欠いているため真っすぐに進めないのは二人にとって僥倖ではあったものの、甲虫は人の身の丈を容易く越える大きさがあった。
時に壁や天井をも這い、あらゆるものを薙ぎ倒しながら迫り来る巨大な虫は、二人が怖気を振るうに十分だった。
「見て、そこ! 扉がある! そこをくぐって、鍵閉めちゃえば……!」
「ああ……そうだな。ところで、由貴奈氏……これを持っていてくれないか」
錠前のついた比較的頑丈そうな扉を前に、楓子は由貴奈へと何かを手渡した。
「……えっ? これって、あめちゃんのスマホ……」
「ありがとう。生きてくれ」
楓子は微笑み、そして由貴奈を突き飛ばした。扉の向こうへと。
「あめちゃん!? 何やってるの!?」
扉は木造りだがいかにも急造といった金属の補強が施されており、少しの間時間を稼ぐことはできるだろう。楓子は扉を閉め、錠をかけた。
「楓子は……この足だ。逃げきれない。由貴奈氏だけでも逃げてくれ……」
「あめちゃん! ここっ、開けて! あめちゃん!」
もたれた扉の向こうから届く由貴奈の声に、楓子は頬を緩ませる。
「ふふ……死ぬのはこれで、何度目だったかな……」
言葉にすれば奇妙なことながら、楓子は幾度か
死を迎えたことがあった
。
もちろん、死に慣れたとは言わない。それでも再び死に直面した時、少しくらいは心構えができるだろう。死を受け入れられるだろう。
そう思っていたのに。
「……な……慣れない、ものだ……」
断続的な轟音が徐々に近づき、ぴたりと止まった。
見上げれば巨大な甲虫がその呼吸すら嗅げるほどの間近で、光を返さない黒々とした四つの複眼で楓子を見つめている。
何も変わりはしない。死ぬのはたまらなく恐ろしい。楓子の全身からはぷつぷつと冷たい汗が吹き出し、手足は小刻みに振れていた。
「さ、さあ。その、鋭い口で……楓子の、どこを刺すんだ?」
目の前で、迷うように鋭く長大な吻が揺れている。
それでも楓子は白い喉を反らし、甲虫をただただ真っすぐに見上げた。声は震えながらでありながらもはっきりと、挑発するような言葉を発し続けた。
「また足か? それとも内臓の詰まった腹か? 心臓の肉は美味いと聞くな、胸を刺すのか? その管のような口で、楓子のどこを吸い上げるんだ? さあ。楓子は逃げも隠れもしないぞ。楓子を吸えばいい、味わえばいい、だが楓子は苦悶の声を上げたりはしないぞ、楓子はもう覚悟を決めほごぉっ!?」
筆舌に尽くしがたい衝撃。
「お……あ゛っ?」
吻は四肢をぴんと突っ張らせ痙攣する楓子の頭頂部から、真っすぐに刺し込まれていた。
「……お゛っ!? お゛っ、んお゛っ!! お゛っ、あ゛っ、お゛っ!! ごっ、お゛あ゛っ、あ゛っ!!」
しばし、扉は激しく暴れていた。
やがてそれが動かなくなると、甲虫も興味を失ったのかどこかへ去ってしまったらしく、あたりから動くものの気配はぴたりと失せた。
取っ手を回してみたものの、錠前に固く閉ざされた扉は開かない。
手の中に残ったスマートフォンの画面を覗き込み、指をスライドさせてみた。そこには実験棟で楓子が撮影していたメモ書き、何かの図面、目にした異形たちの姿など、多様な写真が収められている。
「……あめちゃん」
由貴奈はしばしそれを見つめた後、目を伏せ、胸へきつく抱き込んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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