this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
魔女の咬み痕
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
12
つぎへ >>
【西館二階医務室】
ぬるつく触手が服を潜り肌を這いずる感触は、
化神 小次郎
に否応なく自身の女を意識させた。
「ひッ、いやあっ……!! や、や、やめてェっ!!」
頬は上気し、瞳は潤み、涙に滲んだ視界で小次郎はそれを見る。
白髪と白髭を腰まで伸ばした、大柄な老人だった。豪奢なアカデミックドレスを身に纏い、恐らくは地位の高い人物だったのだろう。
彼の両眼は真っ白に染まりながら半ば発光しており、小次郎と視線が絡むことはない。小次郎を捕らえた触手は彼のぞろりとした服の袖から伸びていて、白く透き通るそれらはちらちらと虹色の輝きを走らせている。
「っあ、あっン! も、やめ……っ、んッあ、あっ! やぁッ、お願いだからァ……!!」
老いさらばえた彼はもはや人ではなく、しかし未だ男ではあるのだろう。
そして眼前には、若く健全で弾けるように瑞々しい少女の肢体がある。
触手は弾力があり柔らかい感触を伝えながらも強力で、そして繊細だった。筋力や身体能力にはいささか自信があった小次郎も、今は四肢を封じられたまま成すすべなく弄ばれることしか許されない。
「ちょ、だめ、そんなところ……!? あ、あッ、あっ!!」
しんとして冷える空気にさらされた剥き出しの肌は感度を増し、腕もろともに豊かな胸を絞られるたび、腿に絡みつく触手が秘部をちらとかすめるたび、彼女の全身は波打つように仰け反った。
「やだ……あッ、いやだ、こんなのっ……あっ、あ! 助けて……」
小次郎を絡め取りながらも老人は微動だにせず、海の底の闇にきらめきながら漂うクラゲか獲物を捕らえたイソギンチャクを思わせる。かつて彼が持ち合わせていたはずの人間性は軒並み奪い去られ、彼を駆り立てているのは多分に動物的な本能なのだろう。
故に彼の最終目的は至極シンプルであり、小次郎もまた鋭敏にそれを察した。
「……あ。あ……まさか……」
小次郎は軟らかにがんじがらめのまま老人の頭上へ掲げられ、触手はしなやかな両脚をゆっくりと割り開いていく。
「やッ……それだけは!! 助けて、ああ……お願いやめて、うああ、助けて
先生
ぇ……!」
自分でも気付かないまま、小次郎は想い人を呼んでいた。まだ確信には至らぬ、潜在意識下の淡い慕情に彼女は縋った。
震えて見開いた小次郎の目の前で、触手は労わるように彼女の腹をなぞり、鼠径部にきつく絡み付いて固定し、そして狙いを定める。
彼女の中心にして最奥へと。
「……や。いッ、いやああああああァぅッ!!」
【西館二階医務室薬品保管庫】
鷹司 凜太郎
は暗がりの中を手探りで駆けていた。
「スピカ君!! どこだ……!?」
片時も彼女の手を離すつもりはなかった。しかし混乱の中、我に返ると
スピカ・フォーツ
の姿は消えていた。
それどころか仲間たちや、あの加納 弥三郎もあたりには見当たらない。
「……くっ」
輝く繭から伸びてきた触手を点滴ポールの先端で弾き、くぐりぬける。
闇の中に満ちる虹色のきらめきをひどくまぶしく思いながら、凜太郎は渋面する。
あのボロ布を纏った狂人は恐らく、この状況から脱する鍵であったはずなのに。
(察するに加納氏は、レッドヒル・マリーを知っていた。この事象の原因も知っていたかもしれない。彼女と一緒に脱出することができたかもしれないのに……)
凜太郎はその確信めいた予測が今は遠ざかってしまったことに、柄にもない焦燥を感じ始めていた。
スピカの小さな手の感触を思い出す。心地良い熱を帯び、柔らかく握り返してきたあのぬくもりを脳裏に蘇らせる。
無口な彼女が時にはにかむあの笑顔を、凜太郎は知っている。青い瞳へ時折覗く冷たいきらめきを、本当は甘えたがりな彼女の気質を、凜太郎は知っている。
「……いや。まだ諦めない」
彼は手にした武器を振るい、邪魔な触手を打ち付け引き裂いた。
彼は希望を捨てない。もとよりあまり物事に動じない性質であったし、スピカを案ずる彼の意志が、恐怖や混乱に足を止めることを許さなかった。
「必ず、スピカ君を助ける。そして彼女と一緒に、生きて……」
「……リン……タロ」
あまりにも儚く弱々しい声に、凜太郎は足元から凍り付き砕け散るような錯覚を覚えた。
スピカは捕らわれていた。
クラゲ、あるいはイソギンチャク。またあるいは、その中間のような奇妙な生物だった。壁に張り付き営巣し、やはり虹色の燐光を発する無数の触手をくねらせ伸ばし、スピカは半身を呑み込まれながら四肢を拘束されている。
「スピっ……、?」
「見ない、で……おねがい……見ないで、リンタロウ……」
彼女の姿は、凜太郎のどこか奥底に存在していた理性のタガ、または抑えつけていた恐怖の弁を破壊した。
スピカの腹部が、孕んだように丸く膨らんでいた。一定のリズムで脈打ち、芯まで響くような鼓動は凜太郎の耳までも震わせる。
その内側に息づく生命がいかなるものであれ、真っ当な存在ではないだろう。
「……もう……いいよ……」
か細く折れそうな声で、スピカは言った。彼女の頬はいつにも増して白く血の気が失せ、だというのになぜだか、凜太郎の目には泣き濡れた彼女が凄絶に美しく見えた。
「逃げて、リンタロウ……私、もう……リンタロウ、だけは……」
「そういうわけにはいかない」
点滴棒をうねる触手へ叩きつける。何度も。棚に並ぶ薬品を片端から手に取り、中身も確かめず次々に投げつける。
生物は既にスピカを母体、あるいは苗床とでも呼ぶべき何かへ変えたことで役割を終えたのか、抵抗するそぶりは無い。しかし、スピカを捕らえている触手はきつく締まって解けず、幾度打ち付けようと、どこへ差し込み引き剥がそうとも、彼女が解放されることはなかった。
「……そういうわけには、いかないさ……」
凜太郎は武器を床へ投げ捨てると、覆いかぶさるようにしてスピカを抱いた。膨らんだ腹を圧迫して彼女を苦しめないよう、羽のように柔らかく包み込む。
「リン、タロウ……?」
「もちろん、死ぬのは怖い。怖いさ。でも」
せめて少しでも、いかばかりでも壊れそうな彼女の心を救おうと。彼自身も身を震わせながらに、凜太郎はスピカへ寄り添った。
「君を失うことのほうが、もっと怖い」
「リン……っあ、あ、あ。うあああ、あああああ、がっあっ、あぐぁあああ」
苦痛に苛まれるスピカが蠕動めいて痙攣し始めても、凜太郎は離れようとしなかった。決して。
「……リン、タロ……ごめん、ね……」
「いいんだ。君と一緒なら」
やがてスピカの腹は膨張に耐えることを止め、産声と共に突き出した触手は凜太郎をも貫いた。
二つの影は絡み合ったまま、いつまでも揺れていた。
【西館二階隔離室】
「何なの……!! 教えてよ、何が起きてるの!? ねえ、どうなってるの!?」
桃川 圭花
に答える者は無い。
正しくは、その余裕を持つ者はこの場に無かった。
「日向さん、そっちを頼む!! こいつは俺が……っ!!」
「ええ、分かりました。せいぜい抵抗しましょうか、ここで敗退するのはいささかもったいないですからね」
新田 亮
は繭から伸びる触手へ薬瓶を投擲し、殴りつけ、繭そのものを蹴り上げ吹き飛ばす。
日向 透
はひらひらと揺れるシーツを投げつけ触手を惹き付け、点滴棒の先を繭へと突き出し遠ざけた。
誰しも好んで異形と交戦するつもりなどなかったが、状況は彼らに迂回を許さない。
「もう少し、もう少しだよ、も、も、もう少しで再び君と俺はもう一度俺は君、き、き君とっ、ああ! あああああ!!」
弥三郎の狂乱はいよいよ増し、口の端から唾液を滴らせながらも足を止めることなく、瞬く七色が乱舞する暗闇を進んでいく。
「桃川、下がっていろ!!」
「分かってるっ、けど見えないの!! 私、何も見えないのよ!! ここはどこなの!? 何が起こってるの……!!」
絶えず傍らでつぶやかれる妄言が圭花を侵し、平時の凛々しく不敵な彼女は無残にも砕け散り、残されたのは激情の残滓と果てなき錯乱だけだ。
「あ、ああ。そこだ。そこだね? そうだ、覚えてる。思い出した。君はそこに、俺が、俺を、ま、ま、ま、ま。待って……」
事態の打開の可能性を示したのは意外にも、弥三郎だった。
彼の向かう先にある頑強そうな錠前のついた扉に気付き、亮は叫んだ。
「走れ!! あそこならこいつらも入ってこれないはずだ……!!」
「っ、ひ!?」
亮は視界を閉ざされた圭花の手をつかみ、彼へ微笑みながらうなずいた透は弥三郎の腕を引き、駆ける。
追いすがる触手に背を脅かされながら扉をくぐると、亮は重い金属製の扉を叩きつけるように閉じ、透がすぐさま錠をかけて封鎖した。
「あっ、な、何!? まだいる!! 何かいる!!」
「……大丈夫だ。もう心配ない」
圭花の目の前でばたばたとのたうっているのは閉じた扉に千切られた触手で、すぐにも力なく萎れて光を失ったそれを見つめ、亮は深く息を吐いた。
部屋は細長く、医務室ほどに広くはないものの、やはりいくつかのベッドが並んでいる。
ほつれて朽ちかけのシーツの下に繭たちはいないが、最奥のベッドには人型の膨らみがあった。誰かがそこへ寝かされているようだ。
「ああ……やっとだ。やっと、長かった、とても長かった。今は……いつだ? あれからどのくらい、俺は? ああ、とても、とても長かったんだ……君と離れて、俺は、俺は」
ふらふらと、弥三郎は息を荒げた彼らなど気にも留めずに、ベッドへと近づいていく。
「さて。大詰めですか」
透が不意に発した言葉の意味を、亮は掴みかねた。
「……? 何がですか」
「いえ。先ほど少し、ね。見たんですよ……彼を」
亮は与り知らぬことながら、透のろっこんには物品の記憶を読み取る力がある。彼は弥三郎をかろうじて包んでいるボロ布に触れ、読み取った。
それらは主である狂人が狂人へと変ずる以前から行動を共にし、記憶の断片を蓄積してきた。ボロ布の記憶は、主の記憶に限りなく相似していると言っていい。
「彼が、あのベッドへ誰を横たえたのか。ふふ……俺は見たんですよ」
にんまりと笑む透に亮は二の句を継げず、圭花はもはや壁際にうずくまり震えるのみだった。
弥三郎は一歩、また一歩と、自らを焦らすように鈍い足取りでベッドへ近づいていく。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
魔女の咬み痕
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月27日
参加申し込みの期限
2017年08月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!