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\ オーバータイム!/
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寝子島高校
午後六時のスーパーマーケット
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年度末から年度初めのお役所はとても忙しい。進学や就職、それに伴う転出入の手続きの繁忙さは正に地獄と言っても言い過ぎではない――と、寝子島町役場に勤務する
三折部 朝衣
はつくづく思う。
そもそも総務課勤務なはずの朝衣が人手不足だからと住民課の窓口業務に駆り出されるのがその証拠。おかげで普段は休日のはずの土曜日まで出勤する羽目になってしまった。
「あー……」
書類仕事に次ぐ書類仕事で疲労した目に夕陽がしみる。土曜日だからと定時帰宅が許されたのがせめてもの僥倖とするべきだろうか。そもそもここ最近の平日は定時などぶっちぎって残業に追われている。
優し気な黒い眼を夕陽にしかめ、朝衣は役場を出る。通りに咲き残っている桜を仰ぎ、小さな溜息ひとつ。
学校なんて高校まで行けば充分、と大学や専門学校には進学せずに寝子島高校を卒業して寝子島町役場に就職したけれど、
(うーん……)
ほんの一年前までの気楽な高校生生活に戻りたくないと言えばきっと嘘になる。
――就職してからみおりん大人っぽくなった
桜まつりの時に再会した同級生からの言葉を思い出す。木天蓼大学へ進学し、キャンパスライフを満喫中の同級生は、働き詰めの朝衣の眼にはいかにも華やいで見えた。
(あんたたちだってあと三年もすれば否応なく気楽なこと言ってられなくなるよ)
女子大生な同級生を笑いながら脅した言葉と同じ言葉を心の内に呟いて、朝衣は役場の駐輪所に足早に向かう。真っ直ぐ帰ってベッドかお風呂にダイブしてしまいたいところではあるけれど、
――はちがぶち 赤マジック
午後三時の休憩時間に母親からスマートフォンに届いたメールの文面が頭を掠める。暗号のようなこの言葉は、家族内でしか通じまい。
(はいはい、スーパーの六時のタイムセールね)
惣菜でも刺身でも何でもいいからゲットしてこい、との母親からの大雑把極まれりな思し召しを的確に受信した娘は、逆らうことなく自転車に飛び乗る。終業と同時に挨拶もそこそこ、大急ぎで服を着替えてタイムカードを切っても、出発は六時を少し回っている。
「っし!」
気合いひとつ、勢い込んでペタルを踏み込む。目的地まで最短距離を走って約二キロ。途中で信号に引っかかることを考慮すれば、目的地までは約二十分といったところ。
春の夕暮れの旧市街を、十九歳の公務員はセミロングの黒髪を春風になびかせ急ぎ気味に自転車をこぐ。
路地の果てに夕暮れの海が見える小さな横断歩道の前、
メーベル・コルテージュ
は立ち止まる。
「先生」
灰金の色した髪の下、鮮やかなエメラルドの色した瞳を道の先へと伸ばして呼び掛けるのは、己より頭ふたつ分ほど背丈の低い少年。黄昏の黄金よりも華やかな金の色した髪を夕風になびかせ、少年は華奢な肩越しに振り返った。
メーベルの傍ら、自転車から降りて横断歩道を渡ろうとしていた黒髪の女性がほんの一瞬、不思議そうに黒い眼を瞬かせる。二十歳半ばほどの青年が十代前半の少年を『先生』と呼ぶことにちらりと首を傾げながらも、朝衣は自転車を押して自転車用横断歩道を渡った。追い越しざまに盗み見ても、『先生』と呼ばれた少年はやはりどこからどう見ても幼い少年。
「やあ、今晩は」
気づかれぬように盗み見たはずの少年が金色の睫毛を瞬かせて微笑んだ。ほとんどまっすぐに見上げられ、大人びた挨拶をかけられ、朝衣は知らずどきりとする。一見、夜の色に見えた瞳は、黄昏の色を受ければ深い紫の色して輝いた。
「こんばんは」
小さな会釈を返し、横断歩道を渡り切って自転車に飛び乗る女性の背中が遠ざかる。
「先生、ここは……」
車通りの少ない道の向かいに立って足を止める『先生』に追いつき、メーベルは小さな息を吐く。瞬きの直前までは、確かにサジタリオの街に立っていたはず。
「ああ、また寝子島のようだね」
突如として場所が変化しても僅かも動じぬ様子で、『先生』――少年の姿した星幽塔の住人、
ヴェルト・レトランジェ
はアメジストの瞳を楽し気に煌かせる。
「中々面白いところだ」
気に入ったよ、と懐から取り出した煙草を唇に挟もうとしかけて、止める。そう言えば、星幽塔とは違い、こちら側では『大人』の姿した者でなければ煙草も酒も口には出来ないのだった。
(吸いたい時に吸えないのは難儀だが)
己を『先生』と慕うメーベルと共に幾度か訪れるうちに、こちら側にも少し慣れた。郷に入りては郷に従え。望まぬいざこざはないに限る。
「俺が寝子島に来るのは……これで三度目になりますか」
煙草を仕舞うヴェルトの傍らに並び、メーベルは呟く。それにしても、と思うのは、先ほどの女性が見せた不思議そうな表情。
(外見で年齢を判断する、というのも不思議なものです)
この島の人々からすれば、『先生』よりも己の方が年上に見えているのだろう。
(この固い地面も、……ランプより眩しい光も、)
石畳ともまた違う地面を靴先で叩く。道の先で眩しい光を放つ不思議な看板を見上げ、その眩しい光に思わず手袋をはめた手を翳す。ここは、己が元居た世界とも星幽塔とも異なる。幾度訪れてもなかなか慣れないものの、
(先生がお気に召されたようで何よりです)
元居た世界から星幽塔に来た折から世話になってこの方、執事として仕え『先生』と呼ぶヴェルトの横顔を見遣る。四百年あまりを生きる『先生』は大抵のことに動じず、むしろ何事に対しても愉快そうな表情を見せる。
「おや」
執事の視線を何気なく追った先の電光看板に『スーパー はちがぶち』の文字を読み、ヴェルトは瞳を細めた。
「すーぱー……色々なものが売っているそうだね」
星幽塔ではなかなか見ない形態の店舗を見止め、ヴェルトは小さな指で夕暮れに佇むスーパーマーケットを指し示す。人が集まりつつあるということは、もしかすると店じまい間際の割引品あたりも出るのかもしれない。
「君、どうかね?」
今日は出来合いのものを食べるとしよう、と悪戯っぽく微笑む『先生』に執事は生真面目に頷き返す。こちら側を訪れて僅かな間にも、春の穏やかな陽はどんどんと沈んでいっている。
「……そうですね、返ってから夕食を準備しては遅くなりますし」
「君もたまには休みたいだろう?」
『先生』がくすりと笑い、
「たまには楽をさせて頂きましょう」
執事がくすりと笑い返す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月12日
参加申し込みの期限
2017年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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