寝子島シーサイドタウン駅の賑わいを離れ、寝子島街道を星ヶ丘方面へと向かう。
茜に染まって行く海岸沿いの道を辿る。踏切や電車や潮騒の音を耳にしながら、どこかの家から漂い出す焼き魚や出汁の匂いを嗅ぎながら、春風の流れる海辺の町を歩く。
寝子ヶ浜交番の交差点を左に折れてしばらく行ったところで、茜の町角に小さなスーパーマーケットが見え始めた。寝子島に昔からある古びたスーパー『はちがぶち』。香箱を組んだ白猫がトレードマークの地元密着型スーパーの前で足を止める。
そう広くない駐車場まではみ出して置かれた野菜に日配品、煌々と灯りの光る店内に流れる歌謡曲。夏場ともなれば海水浴客向けにうきわがたくさんつり下げられたり焼き鳥屋の屋台が出されたりで賑やかになるものの、今の時期は静かなもの。客も多くはない。
春コートのポケットに突っ込んだスマートフォンを取り出し、時間を確認する。午後六時。
「……よし」
気合いひとつ、店に踏み込む。
午後六時十五分頃になれば、赤マジックを持った老店長が現れる。彼が弁当や総菜や刺身に赤マジックで書き込む値引きは絶対の値。たとえそれが正規の値段の半額以下であろうとも。
時間を待つ間に、籠を手に惣菜売り場をうろついて狙いを定める。ついでに酒売り場で缶ビールを二本、籠に放り込む。これが勝利の美酒となるか敗北の苦渋の味となるかは、これから始まる刺身争奪戦の勝敗次第。
店内に目を配れば、同じように半額以下惣菜を狙う買い物客が鋭い目つきでうろついている――
こんにちは。阿瀬 春と申します。
今日は、夕方のスーパーマーケットのお話、いかがでしょうか。ガイドは海辺のひなびたスーパーですが、エキナカの高級スーパーでもデパ地下スーパーでも、どこでも構いません。
お買い物、しましょう。それで帰ってごはん作ったり食べたりしましょう。
そんな感じながっつり日常系な一幕です。
四月から始めた新生活の中での食事を考えたり、一緒に暮らす誰かと品物を見ながら晩御飯を相談したり、もしか今日が週末とかでしたら出会った誰かと流れでお泊り会になっちゃったりなんかも楽しそうです。スーパーの場面が入っていましたら、後は割とご自由にどうぞー。
※日時や場所が合いましたら、誰かと出会うことはあるかもしれません。が、基本的におひとりさまとお考えください。誰かとしっかり絡みたい場合は、GAをお組みください。
いくつか、寝子島にあるスーパーマーケットをご紹介しておきます。
こちらを使っていただきましても、他のお店を使っていただきましても構いません。
■スーパー『はちがぶち』
寝子ヶ浜海岸近くにある地元密着型スーパー。古くてぼろいですが、お刺身は新鮮安価、お弁当・お惣菜も美味しいです。
午後八時閉店。
午後六時十五分になると店長のおじいちゃんが赤マジックを持って徘徊しつつ、お刺身やお弁当やお惣菜に定価の半値やら八割引きやらの値段を書き込みます。それを狙うご近所の奥様や学生も多い様子。
■エキナカスーパーマーケット『猫城岩井』
寝子島シーサイドタウン駅内にある高級スーパー。
輸入品や高級食材、珈琲や紅茶を多く取り扱っています。お弁当等は少しお高めですが、オシャレなものが多いです。野菜や果物も珍しいものがあったりするかもしれません。
午後十一時閉店。
■星ヶ丘『白百合ストア』
星ヶ丘駅近くにあるスーパーマーケット。
多少割高ですが、品質にこだわりのある品々が並んでいます。元は精肉店だったためか、店内はやや手狭ではありますが、肉類や揚げ物、酒類が豊富。
午前0時閉店。
ご参加、お待ちしております。