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【星幽塔】最終決戦! すべての希望に火を灯せ!
【マンガ化企画】星幽塔最終決戦!
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【白の扉】『至高の宝』と『ビアンコ』
星ひとつない濃紺の空よりもなお昏い闇の色したそれが、急激に力を喪う。
とどめの一撃を刺され、それでもそれは嗤い続けた。耳障りな声が空を圧して響き渡り、そうして、不意に途切れる。
ぎょろりと剥いた血走った大きな眼を生きとし生けるもの全てに向けた嘲笑に歪めたまま、仮称でしか呼ばれたことのなかったそれは宙に浮いたままぐずりと姿を崩した。絡まりあった糸が一息に解けるが如く、幾つもの、数え切れぬほどの、ひとにも似たかたちしたナニカの影を吐き散らす。
「……ん、……」
薄く開いた瞳に前触れもなく映り込んだその光景に、遊琳は小さく息を呑んだ。
「痛いとこ、あらへんか」
耳元に剛の声を聞いて、ぎくりとする。空から落ちて、ああもう終わりなのだと、こういう終わりも悪くはないと、そう思ったところまでは覚えている。
己の体を抱きしめる剛の腕の逞しさを全身に、剛の相棒である黒銀竜が翼を羽ばたかせる力強い音を耳にしながら、空の半ば、遊琳は嗄れた声で囁いた。
「怒ってる?」
「怒っとるわ、阿呆。何勝手に死のうとしとるん」
折れるほどに抱きしめられ、抗う力持たぬ遊琳は息を詰まらせる。
力尽きて空から湖面へ落ちるその途中、竜の翼で風より速く翔けた剛に助けられたのだと思い至って、遊琳は小柄な体が萎むほどの息を吐きだした。
「……生きているね、僕」
「当たり前や。死なせて堪るか」
眉を顰めながら笑い、剛は空を示す。
「俺らの勝ちや」
空に、黒い影が果てて行こうとしている。
「……ッ?!」
空を仰いでいて、武道は気づいた。脇に抱えていた黒い樹が、空にあるナニカと同じようにかたちを崩している。
塵芥と化して消えて行く魔物に強く触れていた指に、不意に電流じみた痛みが走った。
「いッ……」
呻く。呻いた途端、何者とも知れぬ囁きが脳裏を過ぎた。
――死ねばいいのに
――嫌い、大嫌い、……殺してやりたい、惨く、惨く惨く
痛みは、誰かの悪意のかたちをしていた。
眼鏡の奥の黒い瞳が歪む。空に浮かんで嗤いながら消えて行くナニカを見上げながらその場にくずおれそうになって、武道は咄嗟に唇を噛んだ。力が抜けそうになる腿を拳で叩き、その場に踏みとどまる。絶望に挑むように、空を睨みあげる。
誰かの悪意から生まれ、悪意から生まれたがゆえに周囲の悪意を吸い込み巻き込み膨れ上がり、そうして生まれたあの魔物に、屈してはならないと強く思う。
悪意から生じたがゆえに絶望を好むものに、負けてはならない。
黒い影たちと戦い、崩れていく黒い影の魔物に触れてしまった誰もが、きっと同じように思っているのだろう。その場の誰も彼もが空を見つめるその中で、黒い影の魔物は嗤い声を空に響かせ空に消えた。
解けて消えた黒い影の群れの中、ただひとつ残ったのは、黒い石のようなナニカ。空から転がり落ちたそれも、誰かが手に取るよりも先、幻のように霧散する。
「今の、……」
リアが作り上げた蔦の階段の半ば、陽太と共に空を仰いでいた春彦は思わず呟く。呟いてから、首を傾げる。
「どっかで」
「……春彦君もそう思った?」
空に消えた黒い石の幻を再度見ようとするかのように空へと目を凝らしながら、陽太が囁いた。
「あの黒い石、どこかで見たよねぃ……」
黒く怪しい光を放つ、小さな石の欠片。
「っ、ああ! あれだ呉井!」
「そうだよぅ、あれだよぅ!」
それを、二人は確かに見たことがあった。
あの乙女チックでピンク色で、甘いクリームと苺に塗れたような、あの世界で。
「悪魂石」
ふたりの声が重なる。
あの場所で見たあの黒い石の欠片は、元々の悪魂石を知る
御剣 刀
が言うには、禍々しさが失われていたらしい。本物を模した作り物なのか、本物が何らかの変化をしたのか、とその場に居た
八神 修
が推測していたが、
「ゴンザレスは、悪魂石から生まれた……?」
陽太が呟き、春彦が頷く。
ふたりは力が抜けたようにその場に座り込んだ。
「なんか、流石に疲れたな……」
息を吐きその場に大の字になる春彦の隣、陽太も転がろうとしてやめる。
「でもまぁ、ともかく」
ことさらに明るい口調で笑い、掌を春彦の顔の前に掲げる。友人の動作を読み取り、春彦はひょいと起き上がった。
「お疲れ様ー」
「おぅ、お疲れっ!」
ぱちん! 合わせた互いの手が軽やかに鳴り響く。
「倒した、にゃ……?」
「うん、きっと」
小龍と共に空から降り立ち、呆然と空を仰ぐミーツェに笑いかけ、武道は足元へと視線を移す。力を尽くして守り切った湖の中のこの光は、絶望を好む悪意の塊が侵そうとした数多の光の正体は何なのだろう。
(……泳いでみたいな)
その場にしゃがみこみ、指先で水面を叩く。鏡のように武道の姿を映しとりながらも、氷のようにどこまでも透き通って青く沈む水は、硬質な音を返すばかり。
(守るべきもので、)
様々な色をもつもの。
「何かの、……誰かの命にかかわるもの、か?」
『きぼうは、いのちにも、かかわる?』
「うぉわ、シャベッタァァ?!」
傍らに白銀毛に包まれた体を長々伸ばした小龍から頭へ直接響いてきた声に、武道は思わず尻餅をついた。小龍の銀色の瞳を見つめ、しばらく考えてからこくりと頷く。
「うん。……希望を失えば、命にも関わる」
答えながら、気づいた。悲しいほどに美しく青い水の中に揺蕩い、白銀の龍に守られるこのたくさんの星のような光は、この世界の、ともすれば存在しうるすべての世界に生きる誰かが抱いた『希望』の光。
悪意がかたちを伴い現界しうるのであれば、希望が光というかたちで現れたとしてもおかしくはない。
「これが塔のてっぺんの『至高の宝』ですかにゃ」
金色の瞳に希望の光の様々の色を宿らせ、ミーツェは透明な髭を震わせる。武道と並んで鏡の湖面に肉球の手を押し付け、思わず笑う。
(守れて良かったですにゃ)
「にゃ! オーブ!」
感慨に浸ったかと思えばすぐさまぴょんと飛び上がり、ミーツェはぐるぐると周囲を見回す。龍を傷つけ湖を侵そうとする敵は倒したけれど、まだ問題は残っている。
「エノルメ・ルーチェ!」
オーブの欠片を手に入れ扉を出るまで、広場に戻りオーブの欠片が無事に合わさり塔を照らすまで、完全成功とは言い難い。
抜けかけた気合いを入れ直し、ミーツェは立ち上がる。
「そうだねぇ!」
空飛ぶ白羊の背から、瑠樹が明るい声で同意を示す。
「てっぺんのオーブが合わさるのを絶対この目で見るよぉー! 守るよぉー!」
「にゃー!」
空と湖上で、拳を空へと突き上げる黒髪の少年と子猫を視界の端に、由貴奈は空を仰ぎ長い息を吐きだす。心配げなまなざしを向けてくる小龍の頭をそっと撫で、頼んで龍のもとへと運んでもらう。
湖の央に位置する龍の傍では、集められた怪我人の治療にまほろやアルレッテが大わらわで立ちまわっていた。
小龍の背から降りるなり、由貴奈は今まで己を背に乗せて共に戦ってくれた小龍の首に両手を回す。
「ありがとねぇ、おかげでやっつけられた」
感謝を込めて囁き、同じまなざしを目前で大蛇のようにとぐろを巻く龍へと向ける。小龍よりも遥かに大きな眼に見下ろされて、けれど僅かも怖じず、由貴奈は龍へ近づいた。
小龍にしたように両手を伸ばして龍の首を抱こうとして、己の手では到底届かぬと気づいた。人間などひと呑みにできる、車ほどもある巨大な顎を近づけられ、春風の匂いのする息を吐きかけられ、思わず笑う。伸ばした両手で、龍の鼻先に抱き着く。
「ありがとねぇ」
小龍にしたのと同じように優しい声を掛け、自分の顔よりも大きな龍の眼を覗き込む。
「……ゴンザレスみたいな奴を二度と好きにさせない為にも、オーブの力が必要なんだよね」
だから、と真摯に希う。
「欠片を渡してくれないかなぁ?」
『うん』
少女にも老婆にも聞こえる龍の声と言葉を聞き、目を丸くする由貴奈の服の裾を、ふわりと舞い降りた小龍がくわえて引っ張る。
『あげる』
小龍の手から渡されたエメルメ・ルーチェの欠片を両手に抱き、由貴奈はふわり、淡く微笑んだ。
「ありがとうねぇ、これできっと、もう大丈夫だからねぇ」
由貴奈がオーブの欠片を手にしたことを上空で翼を羽ばたかせながら確かめ、シグマは竜の口で笑う。
オーブの欠片は無事に手に入った。これで星幽塔がどうなるのか、星幽塔に暮らすシグマには未だ不安は残るものの、
「よっし、撤収しとこうぜっ」
その不安を振り払うように、磊落に言い放ってみせる。シグマに同意を示し、大急ぎで扉の向こうに戻る準備に取り掛かる人々を背に、
「待って……待ってください」
金の髪をなびかせ、アストライアが龍の傍へと進み出た。
「世界を、……この世界が、この星幽塔が如何にして成立したのか、あなたならば知り得ていませんか……!」
本の海とも言える第十階層の図書館管理人であるアストライアが必死の声をあげる。
「知りたいのです。私は、私の生きるこの世界を」
折れそうなほどに華奢な身に貪欲な知識欲を宿す乙女座のアステリズムを見下ろし、龍は笑った。
『おなじ』
老婆のような少女のような声をその場の全員の頭に響かせながら、銀色の瞳が湖を示す。青い水中に輝く、『至高の宝』――人々の希望が星のかたちと成って輝き続けるもの。
「星幽塔は、人々の希望がかたちとなったもの……?」
金の睫毛を伏せて呟く乙女座のアステリズムに、星幽塔の天辺で『希望の星々』を護り続けてきた龍は静かにまた、笑った。
「あっ!」
龍の声に耳を傾けていたクレオがふと声をあげる。人々の視線を受けて白い頬に朱を昇らせつつ、ぐるりと周囲を見回し探すのは、リブラスの大きな背中。
(結局ナイトさんって女性なのかしら、男性なのかしら)
小龍たちや人々の中、一際目立つ白銀のフルプレートアーマー姿のリブラスを見つけて駆け寄る。どれだけ近づいても、全身鎧の人物の中身を窺い知ることはできなかった。
(美女なのかしら、イケメンなのかしら)
少女らしい想像を脳裏に広げるクレオの前、リブラスは何も聞かないまでも心得たように大きく頷いた。がしゃん! がしょん! 重々しい金属音を響かせるなり、聖騎士は聖騎士のいうところの『聖なる祈りのポーズ』、傍目にはどう見てもボディビル的アブドミナル&サイに違いないポーズを決める。
(それとも……ただのマッチョなのかしら)
ここに至ってそんなことをとてもとても気にしつつ、クレオはそれでもともかくリブラスの隣に並んだ。頑張って同じポーズをとり、力いっぱいに叫んでおく。
「ンンンンン、マァァァアアアーーーーーーッスルッ!!」
影に蹂躙され光を失っていた深海色の空が、星の湖を写し取るかのように鮮やかな光を瞬かせ始めた。
天空と水面に星々をさざめかせるその湖には、白銀の龍が今は静かに微睡んでいる。
空飛ぶ羊のもこもこな毛の中、掌に収まるほどの大きさの白く光る繭が、いつの間にか紛れ込んでいる。蛍のように淡い光纏うたそれは、手にした途端、脳裏に仔馬の大きさしかない小さな白銀龍の姿を閃かせた。
『いちどだけ』
あの星の湖で聞いた白銀の龍の声に、瑠樹は悟る。
この光る繭は、ただ一度だけ持ち主である己の願いによって小さな白銀龍の姿となることを。そうして、持ち主を背に乗せ空を翔けることを。
(他のみんなのポケットにも、きっと紛れてるよねぇ)
そう思えばなんだか楽しくて、少年はくすりと笑った。
【白の扉】(了)
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担当ゲームマスター
星のサーカス団
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
73人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月20日
参加申し込みの期限
2017年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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