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- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】最終決戦！ すべての希望に火を灯せ！
【赤の扉】出陣
乾いた風が吹き抜ける。
口の中に入った枯草を唾液といっしょにぺっと吐き出す。
赤色の欠片『ロッソ』があるという赤の扉の先は、荒涼とした平原であった。
空は不穏なほど澄んだ青。
前方の小高い丘の上は星型城塞アンタレッサの灰色の城壁が見える。
獅子座のアステリズム、レオーネ・ナジュム率いる星獅子軍の目的は、前方、アンタレッサ城内にあるオーブの欠片の奪取である。しかし、五芒星の形の水堀に囲まれた星型の城塞は堅牢で、入るには堀の外と郭内とをつなぐ一本橋を渡るしかない。
「しかし城塞を守る敵軍は、そう簡単に我らの侵入を許しはしまい」
陣幕の中に取って返すと、レオーネは机上の戦場配置図を見つめ、集まった各部隊の大将たちに告げた。
敵軍の配置は、斥候を放って大雑把ながら分かっている。
星獅子軍本陣から見て、右手側に影フォルカ隊と影御剣隊、左手側に影アスワド隊。とくに影御剣隊と影アスワド隊は高い戦力を供えているという。
中央を守るは防御力の高いアクラブ隊。橋を渡って城内に潜入するには、なんとしてもこのアクラブ隊を突破しなければいけない。
それから気になるのが、敵に操られた蠍座のアステリズム・バーガンディだ。戦場を左手側に大まわりして影アスワド隊の様子を窺いに行った斥候のひとりが足を蠍に刺されて戻ってきた。この、毒にやられた斥候仲間を介抱した小犬丸 信乃は、本陣にかけつけ、次のように報告した。
「蠍は苦しむ斥候に向かって、『わしを捕まえたくば、おっぱいバボ～ンなおねーちゃんを連れてくるんじゃな！』などと卑猥な言葉を吐き、草むらの中に消え去ったとのこと！！」
敵に操られていてもエロさは健在か、と一瞬だけ場が緩んだが、毒持つ蠍が影アスワド隊近くのどこかに潜んでおり、警戒が必要なのは間違いない。
戦場を見遣れば、敵の掲げる黒い幟が、乾いた風の中、百も二百もたなびいている。
敵軍推定、千九百。
味方は約二千五百。
数の上では勝っている計算になる。
なのに、あの黒い幟のたなびくさまはどうだ。
まるで死神がおいでおいでをしているかのように不吉に思える。
「みんな！ 怯んだら負け。そうでしょ？」
本陣内のいやな空気を払ったのは、十三歳の新田 樹の明るい声であった。
「私今ワクワクしてます。恐れることはありません。私と兄さんがあいつらの死神になりますから」
その通りです、と兄の新田 亮も、尊敬するレオーネに礼を尽くして跪く。
「我らが兄妹に一軍を預けて下さり、ありがとうございます。若輩者ですが、全身全霊を持ってご期待にお答えします」
レオーネは双眸を見開き、それから、力強く唇を笑ませる。
「心強い。よろしく頼む、若き勇者たち」
これを端緒に、大将たちは、戦場配置図にそれぞれ自部隊を示す印を置いていった。
「左翼はまかせてくれ。バーガンディさんのことは娘から聞いている」
「ええ。バボ～ンとはいかないけれど……作戦があるの」
左翼側に自部隊を配したのは、恵御納 理沙と恵御納 久隆夫妻である。久隆率いる『恩恵隊』と、理沙率いる『星の暁隊』は、連隊を組んで、対バーガンディと影アスワド隊の対処を目指す。
左翼大外には、影を奪われた本人アスワド・クロノワールの『首狩兎隊』。
「ボクの影がいるという話を聞いて参戦したぞっ」
対する右翼側は、小柄なネズミの獣人ティクス・ソルを団長とする盗賊団・十二支団から、『ティクス隊』と『スハイル隊』の二隊が参戦。
「人より竜が優先かよ。兵も足りんのに、けっ、痰壺頭め」
他所で竜を守るナイト・オブ・リブラスを誤解し悪態をつく鉄腕の騎士、ゲース・アイルンアルムは、それでも影を奪われた盗賊の少女フォルカ・ヴィクスンの不安そうな顔を見かねて、騎士道精神から槍を取った。久々に嗅ぐ戦場の匂いに、自称『最後の騎士』の血が騒ぐ。ゲースは持ち前の気安さで、馬に乗れさえすればいいと相手が戦素人でも構わず声を掛けまくり、即席の『アイルンアルム遊撃隊』を結成した。いまは大将として『ティクス隊』『スハイル隊』と連携を取る相談をしている。
同じく右翼、影御剣隊を押さえるという白仮面のヒーロー、ザ・ストレイト（風雲児 轟）の『ストレイト爆進隊』には、御剣 刀本人が同行することとなった。
そして、中央の本陣を囲むように、右にサキリ・デイジーカッターを副将に加えた『エイロス隊』と如月 庚を大将とする『蒼蝶隊』、左に機動力の高いペルラ・サナーレの『救護隊』、後方には旅鴉 月詠率いる魔法部隊、前方には新田兄妹の『死神隊』が配される。
ほしびとたちは、もれいびたちと交流し、虹の力で役に立ちそうなろっこんをコピーした。
樹は、穂先を弾くと淡く光って合図を伝達できるアンテナアスパラを、連絡用に味方に配った。
理沙の作ったクッキーは、肉体疲労を回復させる魔法のクッキーだという触れ込みで（じっさいはろっこん『ささやかな手料理を』の効果だが、戦に赴く者たちにそんな説明は不要だった）、ゲースやサキリや久隆に２枚ずつ配られると、残りもあっという間に人々に行き渡った。
支度が整ったと見ると、レオーネは相棒のライオン・ラサラスに跨り、星獅子軍の前に出た。
開戦を告げるラッパがあちらからもこちらからも呼応するように響き渡る。
あちらが黒い幟なら、こちらは金の幟を立てよう。
風に高くなびかせれば、味方の士気も上がろうというもの。
レオーネは高々と上げた手を勢いよく敵軍に向かって振り下ろす。
「星獅子軍！ いざ、出陣！」
乾いた風が吹き抜ける。
口の中に入った枯草を唾液といっしょにぺっと吐き出す。
赤色の欠片『ロッソ』があるという赤の扉の先は、荒涼とした平原であった。
空は不穏なほど澄んだ青。
前方の小高い丘の上は星型城塞アンタレッサの灰色の城壁が見える。
獅子座のアステリズム、レオーネ・ナジュム率いる星獅子軍の目的は、前方、アンタレッサ城内にあるオーブの欠片の奪取である。しかし、五芒星の形の水堀に囲まれた星型の城塞は堅牢で、入るには堀の外と郭内とをつなぐ一本橋を渡るしかない。
「しかし城塞を守る敵軍は、そう簡単に我らの侵入を許しはしまい」
陣幕の中に取って返すと、レオーネは机上の戦場配置図を見つめ、集まった各部隊の大将たちに告げた。
敵軍の配置は、斥候を放って大雑把ながら分かっている。
星獅子軍本陣から見て、右手側に影フォルカ隊と影御剣隊、左手側に影アスワド隊。とくに影御剣隊と影アスワド隊は高い戦力を供えているという。
中央を守るは防御力の高いアクラブ隊。橋を渡って城内に潜入するには、なんとしてもこのアクラブ隊を突破しなければいけない。
それから気になるのが、敵に操られた蠍座のアステリズム・バーガンディだ。戦場を左手側に大まわりして影アスワド隊の様子を窺いに行った斥候のひとりが足を蠍に刺されて戻ってきた。この、毒にやられた斥候仲間を介抱した小犬丸 信乃は、本陣にかけつけ、次のように報告した。
「蠍は苦しむ斥候に向かって、『わしを捕まえたくば、おっぱいバボ～ンなおねーちゃんを連れてくるんじゃな！』などと卑猥な言葉を吐き、草むらの中に消え去ったとのこと！！」
敵に操られていてもエロさは健在か、と一瞬だけ場が緩んだが、毒持つ蠍が影アスワド隊近くのどこかに潜んでおり、警戒が必要なのは間違いない。
戦場を見遣れば、敵の掲げる黒い幟が、乾いた風の中、百も二百もたなびいている。
敵軍推定、千九百。
味方は約二千五百。
数の上では勝っている計算になる。
なのに、あの黒い幟のたなびくさまはどうだ。
まるで死神がおいでおいでをしているかのように不吉に思える。
「みんな！ 怯んだら負け。そうでしょ？」
本陣内のいやな空気を払ったのは、十三歳の新田 樹の明るい声であった。
「私今ワクワクしてます。恐れることはありません。私と兄さんがあいつらの死神になりますから」
その通りです、と兄の新田 亮も、尊敬するレオーネに礼を尽くして跪く。
「我らが兄妹に一軍を預けて下さり、ありがとうございます。若輩者ですが、全身全霊を持ってご期待にお答えします」
レオーネは双眸を見開き、それから、力強く唇を笑ませる。
「心強い。よろしく頼む、若き勇者たち」
これを端緒に、大将たちは、戦場配置図にそれぞれ自部隊を示す印を置いていった。
「左翼はまかせてくれ。バーガンディさんのことは娘から聞いている」
「ええ。バボ～ンとはいかないけれど……作戦があるの」
左翼側に自部隊を配したのは、恵御納 理沙と恵御納 久隆夫妻である。久隆率いる『恩恵隊』と、理沙率いる『星の暁隊』は、連隊を組んで、対バーガンディと影アスワド隊の対処を目指す。
左翼大外には、影を奪われた本人アスワド・クロノワールの『首狩兎隊』。
「ボクの影がいるという話を聞いて参戦したぞっ」
対する右翼側は、小柄なネズミの獣人ティクス・ソルを団長とする盗賊団・十二支団から、『ティクス隊』と『スハイル隊』の二隊が参戦。
「人より竜が優先かよ。兵も足りんのに、けっ、痰壺頭め」
他所で竜を守るナイト・オブ・リブラスを誤解し悪態をつく鉄腕の騎士、ゲース・アイルンアルムは、それでも影を奪われた盗賊の少女フォルカ・ヴィクスンの不安そうな顔を見かねて、騎士道精神から槍を取った。久々に嗅ぐ戦場の匂いに、自称『最後の騎士』の血が騒ぐ。ゲースは持ち前の気安さで、馬に乗れさえすればいいと相手が戦素人でも構わず声を掛けまくり、即席の『アイルンアルム遊撃隊』を結成した。いまは大将として『ティクス隊』『スハイル隊』と連携を取る相談をしている。
同じく右翼、影御剣隊を押さえるという白仮面のヒーロー、ザ・ストレイト（風雲児 轟）の『ストレイト爆進隊』には、御剣 刀本人が同行することとなった。
そして、中央の本陣を囲むように、右にサキリ・デイジーカッターを副将に加えた『エイロス隊』と如月 庚を大将とする『蒼蝶隊』、左に機動力の高いペルラ・サナーレの『救護隊』、後方には旅鴉 月詠率いる魔法部隊、前方には新田兄妹の『死神隊』が配される。
ほしびとたちは、もれいびたちと交流し、虹の力で役に立ちそうなろっこんをコピーした。
樹は、穂先を弾くと淡く光って合図を伝達できるアンテナアスパラを、連絡用に味方に配った。
理沙の作ったクッキーは、肉体疲労を回復させる魔法のクッキーだという触れ込みで（じっさいはろっこん『ささやかな手料理を』の効果だが、戦に赴く者たちにそんな説明は不要だった）、ゲースやサキリや久隆に２枚ずつ配られると、残りもあっという間に人々に行き渡った。
支度が整ったと見ると、レオーネは相棒のライオン・ラサラスに跨り、星獅子軍の前に出た。
開戦を告げるラッパがあちらからもこちらからも呼応するように響き渡る。
あちらが黒い幟なら、こちらは金の幟を立てよう。
風に高くなびかせれば、味方の士気も上がろうというもの。
レオーネは高々と上げた手を勢いよく敵軍に向かって振り下ろす。
「星獅子軍！ いざ、出陣！」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年07月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年07月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年07月27日 11時00分
