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異世界転生勇者系 ~君のためのクロニクル~
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■ブラックメイルは笑わない
雨が降っていた。
水たまりを踏み散らして走る少女。胸には紙袋を抱えている。
曲がり角から飛び出した男が足をひっかけ、少女はみっともなく転んだ。
紙袋から転がり出るリンゴと、宝石のついたネックレス。
男がネックレスをひろいあげて下卑た笑みを浮かべると、少女が泣きながら足にすがりついた。
振り払うように蹴飛ばす男。
少女は頬から血を流し、石の地面を転がった。
男たちが去ろうとしたその時。
「……」
『彼』は音も無く現われた。
ヨハン・プレストン
。
この世界の誰も知らない名前。
そして、この世界を救うことになる者の名前である。
道を塞ぐように立つヨハン。顔は道化のような仮面で覆っていた。
男は威嚇するように肩をいからせ、すぐに魔物へと変化した。
鉈のように鋭くなった腕で斬りかかる。しかしヨハンは素早い身こなしで相手の脇の下をくぐり抜けると、軽い手刀で相手のバランスを崩し、続けて蹴りを入れることで転倒させる。手からネックレスが落ち、少女がそれにすがりつく。
ヨハンはその様子を黙って眺めていた。
よそ見をするなとばかりに、もう一人の男が現われる。石で覆われたような巨大な魔物に変化すると、ヨハンを一撃で殴り飛ばした。
空中で身をひねって受け身をとるも、強すぎる衝撃に石壁へ激突する。仮面が落ち、僅かに血を吐くヨハン。
意味も知らず助けに現われた男が、より大きな力に屈する様。少女はそんな光景に首を振り、絶望しかけた。
しかけた、だけだ。
ヨハンは口元の血をぬぐい、ベルトバックルに刻まれた女神の紋章を指でなぞった。
途端に彼の全身が光に包まれ、真っ黒な鎧と剣が装着された。
巨大な魔物の打撃は、もはや通じない。
まるで巨木を小枝で叩くかのごとく、びくともしないのだ。
鎧を纏ったヨハンはごく普通に歩き、ごく普通に剣をとり、ごく普通に切り払った。
ただそれだけで、魔物は真っ二つに裂け、そして消え去ったのだ。
鎧を消し、仮面をとり、再び自らを隠すヨハン。
名を問う少女の声に背を向けたまま、雨音のむこうへと消えた。
異世界とは不便なものだ、とヨハンは思う。
もとよりケータイやパソコンで娯楽に興じるタイプではないので、硬いベッドとリンゴでもあれば充分に過ごすことが出来たのだが、元の世界と違ってコネクションというものがない。生まれてこの方誰とも会ったことが無いようなものである。
ヨハンは悪党退治やもめ事の処理といった細々とした仕事から信頼を築き、やがて裏の情報屋との強いコネクションを持つようになった。
この世界を闇から破壊しようとする魔王なる存在が、人々の心の闇を魔物へと変えているという。
人が魔物へと変わってしまうという事件が相次ぐ社会の……つまりは世界の敵である。
「奴は心の闇を吸って強くなる。今頃誰も手出しが出来ないくらいヤバい存在になってるはずだ。あんたにどうこうできるのかい」
片目を金の義眼に変えた情報屋がそんな風に言う。
ヨハンは仮面のまま、そして無言のままに背を向けた。
それから幾年月が過ぎただろうか。
あるとき魔王の所在を掴んだヨハンは単身隠れ家へと乗り込んだ。
無数の魔物がひしめく中を、剣一本で切り抜ける。
やがて鎧を身につけ、魔物たちを消し飛ばし、魔王へと対峙した。
「お前はなぜ人間に味方する」
魔王は手を広げて言う。
「それほどの力があって、なぜ人間を従属させない。醜く、弱く、短命な彼らをなぜかばう。奴隷とし、我らの築く完全なる社会に隷属することが彼らにとって幸福だというのに」
そう語る魔王に、しかし、ヨハンは答えはしなかった。
たとえ相手が人格者だったとしても。
たとえ相手が人間を家畜や虫のように扱っていたとしても。
やるべきことにゆらぎはないのだ。
「……」
ヨハンは走り、そして――。
人知れず魔王はこの世界から消え、それを倒したヨハンもまた、人知れずこの世界から消え去ろうとしていた。
最後に町を歩く。名残惜しさはない。
一仕事終えた。そんな気持ちだ。
だがそんな彼を呼び止める者があった。
振り返ると、それは少女だった。いつかどこかで会っただろうか。
少女は息を切らして、仮面のヨハンを見上げると。
「ずっとあなたを探していたの。おねがい――」
こう言った。
「名前を教えて」
ヨハン・プレストン
。
この世界でただ一人が知った名前。
そして、この世界を救った者の名前である。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月30日
参加申し込みの期限
2017年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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