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視界の端に誰かが見えた気がするが、立ち止まってはいられない。ちらりと見えた茶色の髪に会釈をして
握 利平
は森に突っ込み、大小の岩の転がる荒地をまたいで、身を隠す。島生まれ、島育ちの利平だからこそ知っている、秘密の場所だ。
「いや~、危なかったな……」
ふと聞いた音楽のフレーズが忘れられなくなるように、利平の頭にこびりついた煩悩はなかなか消えてくれなかった。焦る姿をこれ以上皆に見られてはかなわないと、ここまで必死に逃げてきたのだ。
「ここで静かに煩悩を収めよう。そうしよう。絵を描いて心を落ち着けるんだ」
背筋を伸ばし、心を引き締める。実際はまだ引き締まってはいないがとにかくそのようにする努力をする。
地面に咲く野花を見る。小さいながらも鮮やかに愛らしい。おかしなことに、見つめているとなんだか目が霞んで来た。強い日差しのせいだろうか。利平はごしごしと目をこすり、頭を振った。努力空しく、利平の見る景色は次第に常ならぬ方向へ向かっていく。野花は葉までピンク色になり、手足が生えてさかさかと歩き出す。手に持っていた鉛筆を取り落とすと、石ころがそれをすかさずくわえて、むしゃむしゃと食べ始めた。
「なんじゃこりゃーーー!」
驚いて立ち上がるとめまいがした。よろめく利平の目に飛び込んできたのは海沿いの山並み。緑深いそれがだんだん肌色に染まり、曲線豊かな女体に見え始める……
「煩悩か!? 煩悩のせいなのかーーー!」
海の色に染まった長い髪が、風にあおられて大きく広がり、また肩を覆う。
青野 海仔
が持参したのはデッサン用の鉛筆数本に消しゴム、それと小型の写生帳だけである。常日頃から絵は描いている彼女は単色でどこまで色彩豊かな自然を表現できるのか、試してみようと思っていた。海仔が向かったのは、大半の生徒が見向きもしなかった湖周辺を巡る遊歩道だった。敷石はところどころが割れて剥がれ、たくましい草たちがその隙間を割って伸び出ている。
「ふむ。あまり綺麗ではないな」
思った以上に傷みがひどい。寂れているのは周知の事実ではあったが、現状を目の当たりにするとやはり少々残念な気がした。昔は多くの人が訪れる賑やかな場所であったのだろう。自分が見ることができなかったかつての三夜湖周辺の姿。海仔はそれを描いてみたくなった。手ごろな大きさの大石を見つけて座ると、海仔の三夜湖再生計画がスタートした。
まずは、見える光景を丹念に描いていく。手慣れた様子で山の形をとると、無数の線を描き入れていく。無造作に引いているように見える線は、次第に明るい部分と暗い部分にはっきりと分かれて行き、面を構成するパーツとなった。線から生まれた面は次々と山や湖や森になっていく。海仔は自然物を全て描き終えると、ちびた鉛筆に持ち替えた。
海仔は短い鉛筆で、あえて描かなかった人工物の描写に入った。ボート乗り場も、展望台も、昔はもっと美しかったろう。遊歩道はきれいに整い、外から来た人たちに島の魅力を伝えてきたのだろう。輝いていた頃の湖周辺を想いながら、少女は小さな屋台や売店風の建物も描き添えていく。自由と喜びの象徴として羽ばたく鳥も加えた。
「……おや」
視界の先には鳥がいた。海仔が描き加えた想像の産物と全く同じ姿だ。何度か瞬きをして目を凝らすと、鳥はメジロに見えた。目をぎゅっと閉じ、急に開いてみる。
「……この辺にフラミンゴなんていただろうか」
メジロのいた場所にはフラミンゴが立っていた。これはさすがに気味が悪い。背筋の冷える怪談にはまだ早すぎる季節だ。海仔はプラスチック消しゴムで、描いた鳥の上をごしごしとなぞる。
「いっそこうしてみようかね」
想像力を使えば、何でもできる。湖の上を飛ぶペンギンを描き入れてやった。滑稽な味の加わった精緻な絵を見て小さく笑う。これでいいかと目を上げてみれば、
――果たしてそこにはペンギンが立っていた。絶句する海仔を置いて、ペンギンは高く、遠く、飛び立っていく。
「そういえばまだ何も食べていなかったな」
絵に夢中で空腹であることすら忘れていた。海仔は人もまばらな食事処に向かい、『そば・うどん』と描かれた紺色の暖簾をくぐった。
誰がどこで、どんな絵を描いているのか、そんなことはわからなかったし、どうでもいいことだった。自分の立っている場所、学校の授業でこの山にやってきたということすら、
針ヶ谷 夕市
は忘れてしまいそうだった。元は観光店舗の倉庫であったのだろう建物の前に彼は立ち、二挺拳銃のガンマンよろしくスプレー缶を両手に、巨大な絵を描き続けていた。映画のスクリーンほどもあるキャンバスは、支えもなしに宙に浮いている。彼のろっこん『スカイキャンバス』によって作り出された幻想の画布であった。夕市は自分に『降りて』来た何かを受け止め、それを絵として表すことに全てを注ぎ込んでいた。腕を振るたびに色がほとばしり、宙空のキャンバスに散る。
建物としての機能を失い、むき出しの骨を晒している瓦礫一歩手前の建造物は、苔むし、蔓草にからめ取られ、木々の侵入を許してしまっていた。自然に飲み込まれる朽ちた建物でしかなかった存在を、夕市は大胆な色彩で新たな存在へと解釈する。隙間から入り込む草木は、赤や黄色で表現され、燃え盛り渦巻く炎のように荒々しく。灰色一色の建物は、炎の自然に照らされて内側から光り輝くように。夕市は口を引き結び、一言たりとも言葉を発しない。スプレーバッグに手を突っ込み、構え、ひたすらに新たな色を噴きつける。
(もっと色を。今俺だけに見えるものをもっと――!)
木々の陰が少し伸びて、生徒たちの声が聞こえなくなったことにも夕市は気づかなかった。
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担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月30日
参加申し込みの期限
2013年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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