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展望台で待つ
泉 竜次
先生と
雨宮 草太郎
校長先生のところに生徒たちが再び集合したのは、予定の午後三時半を少しばかり過ぎた頃だった。校長先生は後ろ手に組んで胸を張り、にこにこと笑っている。泉先生は遅刻の生徒に多少厳しい顔をして見せたが、大きな声で咎めることはしなかった。
「お前ら、もうちょっと時間を気にしろ。まあいい、未完成でもいいから、順番に絵を見せてくれ」
そこで
松谷 洋志
がぴしっと手を上げ、質問した。
「来た時の列は関係ありますか?」
「ないぞ。我こそはと思う者から来ればいい」
「あっ、じゃあ僕からお願いします!」
そのまま洋志が真っ先に歩み出る。校長先生は横から上機嫌で絵をのぞき込んだ。さしずめ副審査委員長とでも言ったところだろう。緊張した様子で差し出されたのは、かっちりと線が描き込まれ、その線に似合わぬ淡い色付けがなされた水彩画。生真面目な画風だった。ふうん、と顎に手を当てながら絵を見る泉先生に、
「あの、実はもう一枚描いて……二枚で一組なんです」
重ねて出された絵に、二人の先生からほうという声が出る。窪んだ三夜湖の周辺地形は濃い灰色に固まった溶岩流に、湖はマグマの赤い光を残し、ふつふつとたぎる火口湖に描き替えられていた。
「松谷は九夜山の過去を想像したんだな」
「はい、そうです。見たことないからわからないですけど、こんな感じだったんじゃないかと思いました」
「噴火後にしちゃおとなしすぎるけどね、よく描けているよ」
と校長先生。もう少し描き足してから提出します、と洋志は二枚の絵を受け取って列に戻った。
後ろに並んでいた
青野 海仔
は、無造作に抱えていた写生帳を差し出す。一言「お願いします」とだけ添えた。鉛筆一本で中間色まで描き分ける技術を持つ彼女の風景画はストイックで見事なできばえだ。
「相変わらずいい絵だ。この手の描き方についてはもう教えることはないな」
「ありがとう、ござい……ます」
泉先生のストレートな評価に、若干照れているようで、海仔は下を向く。
「ところで、ペンギンを飛ばすとは青野もやるじゃないか」
「あ、それは……見た気がした、んです」
とても実際に見たしそこにいたんだ、とは言えない。お前に幻視の才能があるとは知らなかった、と言われてますます返事に困った海仔は、そのまま絵を提出して下がった。入れ替わりに
桜庭 円
が躍り出る。
「僕のはこれです! 校長先生も見て見て!」
パステルで描かれた円の絵は淡い色使い。絵本の挿絵のようだ。森の木には街灯がぶら下がり、湖には虹色のタイルが浮かんでいる。その上をスキップしているのは、擬人化されたにゃーくん。帽子をかぶり、荷袋を背負って片手を挙げている。小汚い遊歩道はモザイクタイルに、くたびれた売店はレンガ造りのモダンな街に改造されていた。
「何を描いたのか説明してくれるか?」
「三夜湖を一つの街にして、にゃーくんを冒険者にしてみました!」
「なるほどね。こういうアレンジもとてもいいと思うよ」
校長先生が太鼓判を押すように手をぽんと叩くと、円の腕のにゃーくんもうにゃっ! と鳴いた。
続いてずずい、とせり出てきたのは野草擬人化をテーマにした
上穗木 千鶴
、
八十八旗 信彦
、
旅鴉 月詠
だ。グループスケッチを同時に見てもらうことにした彼らは、三者三様の絵を差し出した。
「しどけなく咲く黒百合を表現しました。自然の中にはエロスがあります」
千鶴は簡潔にそれだけ言う。赤い毛氈の上にゆったりと座り、湖を眺める喪服の少女。モデルを務めた月詠は、可憐でありながら妖艶な黒百合の化身にふさわしく描かれている。白銀の髪が薄絹を流れ、瞳の見つめる先には風が感じられる。父親から受け継いだ才能ゆえか、十五の少女が描いたとはとても思えない、しっとりとした女性美が表現されていた。
「うむ。上穗木がエロスなどと言ったのはちょっと意外だが、とても魅力的な作品だ」
「先生、何をおっしゃる。ぼくは芸術のためならどんなテーマも恐れないぞ」
野草組二番手の絵を見た泉先生は、いかにも頭が痛いといった風に顔をしかめ、額に手を当てた。
「旅鴉。お前は俺になんと言うものを見せてくれたんだ」
「ちょっ! 先生! 今のが今日一番ショックな発言なんですけど!」
泉先生の評に抗議の声を上げたのは、月詠ではなくモデルの信彦だった。そこに描かれていたのは花冠を頭に乗せ、うっとりとした表情を浮かべて舞う全裸の信彦だ。湖上には波紋が広がり、ひとりでに花びらと水しぶきが散って、さながらヴィーナスの誕生のような構図を作り上げている。草花の精を表現したと思われる、小さな緑色の乙女たちが足元に踊り、湖畔には水仙の花が咲き乱れ、幻想世界と現実界の境目を作り出していた。最後の抵抗で体に巻きつけたシャツは、腰布にアレンジされている。
「まあ、これはネタの方です。本命はこっちの絵」
「俺はただのネタか!?」
信彦の悲痛な叫びを背に月詠が取り出したのは、セピアカラーが印象的な絵だった。三夜湖を訪れ、自然を楽しむさまざまな人々が描かれているが、誰も皆セピア一色に塗られている。対する自然と建築物は、現実の色のままだ。セピアの人々の示すものが、泉先生にはすぐに理解できた。
「人は滅ぶと言いたいのか。旅鴉」
「栄枯盛衰。全ては色を喪い、いつか自然に帰る」
「お前の哲学を感じさせるな。提出はこちらにするか?」
「はい、それで」
「俺のはボツかよ!!!」
捨て鉢になって信彦は自分の絵を見せる。三夜湖を背に立つ千鶴を描いたものだった。適度に単純化されていて、愛嬌のある絵柄になっている。
「いいゆるキャラだな」
「せ、先生まで……」
落胆する信彦にまあ待て、と先生は続ける。
「美しいデフォルメと言うのは案外難しいものなんだ。八十八旗はセンスがあるぞ」
思わぬ高評価を得た信彦、本日やっと救いを得たように、ほっとした表情を浮かべた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月30日
参加申し込みの期限
2013年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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