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cafe眠り猫へようこそ!
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どこか楽しげに寝子島の街を行く、
ヴェルト・レトランジェ
の小さな背中。
それにしかと付き従いながら、
メーベル・コルテージュ
はそっと微笑んだ。
「最近はよく寝子島にお出掛けなさいますね。すっかりお気に入りのようで」
「まあね。ここを歩くのは楽しいよ」
応じるヴェルトは、Tシャツにパーカー、半ズボンを合わせた寝子島スタイルだ。
足元はスニーカーと、端々まで抜かりがない。
振り返って口の端を上げるヴェルトは、まるきり、この世界に生きる少年の如き姿だった。
対するメーベルの方は、スーツに手袋をきちりと合わせた執事姿だ。
「……うーむ、しかし……」
「先生、どうなさいましたか?」
「少しばかり歩き疲れたね。メーベル、休憩としよう」
「はい、先生がそうおっしゃるなら」
メーベルが恭しくそう応じた、丁度その時。
ヴェルトのアメジストの眼差しが、ふと《cafe眠り猫》の姿を捉えた。
「おや、ちょうどいいところにカフェがあるね。メーベル、ここで休憩しよう」
「そうですね、折角ですし入ってみましょうか」
メーベルがまさに執事然として淀みなく扉を開け、ヴェルトを店内へと促す。
カフェの様子をゆったりと見渡して、
「いい雰囲気の店だね」
と、ヴェルトは口元に満足げな笑みを乗せた。
「それは重畳ですね。先生、あちらの席はいかがでしょうか?」
先ずはメーベルが引いた椅子にヴェルトが座り、2人は向かい合ってテーブルに着く。
開いたメニューの頁を手に、ヴェルトは口元に手を宛がった。
「ふむ、どれを頼むか悩むね……君は何を頼む?」
「そうですね……こういう時は、店のお勧めを頼むといいと聞きました」
「成る程。これが、本日のお勧めとやらだね? どれ……」
そういう次第で、2人が選んだ飲み物はストロベリーティー。
残りの注文は、ヴェルトはスコーンに、目に留まったパンを一つ。
一方のメーベルが頼んだのは、フレンチトーストだ。
オーダーを通した品を待つ間、ヴェルトは、
「君、料理修行に出てはどうかね」
なんて、メーベルのことを揶揄い、メーベルはそれを揶揄いと知りながら、
「俺の腕では、まだ不十分だと仰いますか」
と、言葉を返した。そんな2人の前に、じきに並ぶ熱々の甘味と紅茶。
「どれ……」
主人たるヴェルトが、最初にカップに口を付ける。
すると――10年前の記憶が、ふわり、ヴェルトの頭の中に浮かび上がった。
(――あの日。メーベルを拾った時のこと……)
あの時ヴェルトは、命からがら逃げてきたメーベルを助けて、
(最低限の食事を与え、身嗜みを整えてやった……気まぐれのつもりだったんだけどね)
口元に、微かな笑みが乗る。
先生、と呼ぶ声が、ヴェルトを《今ここ》へと引き戻した。
「……懐かしいね。まるで昨日のことのようだよ」
「何が、でしょうか?」
「君を拾った時のことを思い出してね。君も、気付けば随分と大きくなったものだ」
「……そうですね、あの頃よりも随分先生が小さく感じられます」
「昔は僕と並べば兄弟のようだっただろう? 今では、もう親子だ」
最初はまるで野良犬のようだったけど見違えるようだよ、とヴェルトは少し笑う。
メーベルの方も、エメラルドグリーンの双眸をそっと細めた。
「それはもう、先生に厳しく育てられましたから」
昔は随分この執事服も窮屈に感じたものですと、懐かしむように音を紡ぐメーベル。
そのまま紅茶を喉へと流せば――また一つ咲く、記憶の花。
それもまた、ヴェルトがメーベルを拾った10年前の出来事だ。
蘇るのは、助けられたその時に淹れてもらった紅茶の味。
(とてもあたたかくて、美味しかった……)
あの紅茶よりも美味しいものを淹れられるようにと、メーベルは日々精進している。
「これはまた……随分懐かしいですね」
「君も、何か思い出したのかい?」
「はい。10年前のあの日、先生が淹れてくださった紅茶のことを」
メーベルの言葉にヴェルトは僅かに目を瞠って――けれどすぐに、いつもの顔に戻って言った。
「……そんなこともあったね」
「あの味が、俺は忘れられないんです。あの味に追いついて、追い越したい」
「そう大したものじゃないよ。君の思い込みだ」
ヴェルトの言葉に、仄かに眉を下げるメーベル。
「そうかもしれません……ですが、確かにあの紅茶は俺が今まで味わったどの紅茶よりも美味しかったのです」
先生より上手く紅茶を淹れられるようになりたいと、メーベルは切実に願っている。
(いつか、先生を満足させることは出来るのでしょうか……)
思考の渦に飲まれるメーベルを前に、ヴェルトは優雅にスコーンを頬張った。
「……うん、よそで食べるスコーンも悪くない。メーベル、君も早く食べるといい」
料理が冷めてしまうよと促されて、メーベルはハッと顔を上げる。
そうですね、とぎこちなく笑んで、メーベルもフレンチトーストを口に運んだ。
2人の間を満たす、暫しの沈黙。
それを破ったのは、ヴェルトだった。
「……君、記憶を取り戻したらどうするつもりだい?」
メーベルからすれば唐突な問いは、ヴェルトの側から見れば必然とも言えるもの。
(……メーベルは、過去の記憶を失っている)
記憶を取り戻す兆候は、今のところは見られない。
けれど、そのうちに自分と出会う前の記憶が戻ってくることも充分にあり得るだろう。
10年前の出来事が脳裏に浮かんだ今、ヴェルトはそれを問わずにはいられなかったのだ。
ヴェルトの心中には気付かずに、メーベルは少しだけ考え込むように間を置いて、
「そうですね……あまり考えたことはなかったです。俺の人生は10年前に始まったようなものなので」
と、それが当たり前のことのように応じた。
「そうか。その時は暇を出そうと思っていたのだけど……まあ君次第だ。好きにしたまえ」
「……引き止めては下さらないのですか?」
メーベルの声に、痛みのような色が滲む。
けれどヴェルトは、曖昧に笑むだけだ。
(……先生は、俺がいなくても一人で生きていけると、そういう事、なのでしょうね)
俺は先生なくしては生きられないというのに……と、メーベルは手元の紅茶へと視線を落とす。
甘い色の水鏡の表面にさざ波が起こっているのは、カップを持つ手が、僅かに震えているのだろうか。
そんなメーベルの様子を密かに見つめながら、ヴェルトは思った。
(メーベルが記憶を取り戻したその時、どうなるかはわからないけど……)
「……子離れの準備をしておこうかね」
小さな小さな呟きに、メーベルが顔を上げる。
そんなメーベルへと、ヴェルトは「何でもない」とばかりに首を緩く横に振ってみせた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月16日
参加申し込みの期限
2017年07月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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