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政治経済特殊講義 ～需要と供給と金儲け～
【奈良橋 博美の場合】
博美の考えたことは、至極まっとうなことだった。
まずは、オーソドックスに水が１００円で売っている自動販売機に、故障中の紙を張り付けて、ライバルをなくすことから始めよう！
と、プリントに書き始め、それに基づいて課題を提出した。
「たしか奈良橋だったな」
「はいっ」
そう言って、立ち上がる博美。
「では、説明をしてもらおう」
自販機のことを話しつつ、博美は説明を始めた。
「すぐそばに１００円で売っている水があるのに、高く買ってくれる人は少ないと思うしさ」
というのが博美なりの理屈でありそれは正しい。
「その上で、どうする？」
と聞いた松沼先生に博美は続ける。
「そのうえで、一番高く買ってくれそうなＯＬ風の女性に交渉かな……と思います」
敬語で無いことを見抜いて厳しい目つきをする松沼先生に気づいて慌てて敬語にする博美。
「理由は？」
当然、そう質問する松沼先生。
「サラリーマンは、奥さんに財布を握られていて何気にお金を持ってないこと多いです。おばちゃんは、少しでも安くとやってきやすいし、子供が欲しいと泣きだそうものなら安く渡さないといけない雰囲気になりかねないです」
そう説明する博美。
松沼先生は続きを促した。
「老人に親切にしてというのはセオリーだけど、他に大勢いる場だと通報されかねないということで、可能なら女子高生を当て馬にして両方に売るそぶりをして一個しかないものを競り合わせるという状況に持っていきたいです」
「つまり、一つしかないものの値段を競わせて、できるだけ高く売ると言うことだな？」
その松沼先生の言葉に博美は頷いた。
「一つしかないものに対して、競争相手が多ければ多いほど、売り手有利になります。お嬢様の方が高く買ってくれるというならそちらに売ればいい話ですし、他の人にも話だけは持っていくそぶりを見せれば自ずと水は高く売れます」
そう言って締めくくる博美。
「ふむ、確かにそれは間違ってはいない」
「やった」
松沼先生の校庭の言葉に一瞬喜ぶ博美であった。
「だが、その過程で行くと周囲の状況を置いていっている。朝のラッシュというのは時間が無限大にあるわけでもない。桜庭や桜崎のように特定要素に対しての長期戦のプランでもなければ、先のオークションのように一人の興味を多大に引ける要素があるわけでもない」
うっと言葉に詰まる博美。
「仮定の話になるが自販機を封じ、需要を発生させる部分まではよかったな。あとはその需要が発生している時期にさっさと高値で売ってしまった方がいい」
そう言って、出席簿には『良』と採点がつけられた。
【難波 辰の場合】
「難波には相手役がいたら良さそうだな。畑生にやってもらう」
「「はい」」
辰と言嗣はそれぞれに返事をすると前に出た。
「では、畑生にはサラリーマンになってもらう」
松沼先生の指示に言嗣は頷くと、辰に向き直る。
「ではやってくれ」
そう言うと、辰にプリントを一時戻した。
一度咳払いをしてから辰は言嗣に近づく。
（知ってるか？ エリートにゃ変態が多いんだ。赤ちゃんプレイが好きだったり女物の下着が好きだったり、倒錯した性癖の持ち主が多いって統計にもある）
そう内心で思いつつ囁きかける。
ちなみに、水はあらかじめ少しだけ飲んである。
「この水はそこで喋ってるお嬢様女子高生の飲みかけだ。間接キスし放題、唾液も少量混じってる……」
その囁きにすっと言嗣は目を細めた。
（この暴論がどこまで行くのか聞いてみるかね）
聞く姿勢を見て取ったのか、辰は続ける。
「飲みかけってのがポイントだ！ 著名人の使用済みグッズが裏で高値で取引されるのと同じで新品より中古のが価値が増すんだ……。女子高生の生唾液と間接キスどうだ！ 疼くだろ！」
自信たっぷりに言い放つ辰。
「あ、もしもし、警察かね？」
「ちょ、ちょまてよ！ ここは取引する場面だろ！？」
通報の真似をする言嗣に、辰はすがりつく。
「……例えば、その身分の高いサラリーマンが変態だったと考えたとしても、そのサラリーマンが朝のラッシュアワーで誰かに見られているかもしれない時にそんな取引をすると思うかね？ もう少し考えたまえ」
ばっさりと言嗣に切り捨てられる辰。
結局、辰は『不可』となった。
ちなみに、おばちゃんに売ることも考えていたのだが、辰本人が母子家庭で、想像ではあったものの売りつけるのに抵抗があった。
「そんなら一生貧乏のまんまでいーや」
と没案にあったことを追記しておく。
博美の考えたことは、至極まっとうなことだった。
まずは、オーソドックスに水が１００円で売っている自動販売機に、故障中の紙を張り付けて、ライバルをなくすことから始めよう！
と、プリントに書き始め、それに基づいて課題を提出した。
「たしか奈良橋だったな」
「はいっ」
そう言って、立ち上がる博美。
「では、説明をしてもらおう」
自販機のことを話しつつ、博美は説明を始めた。
「すぐそばに１００円で売っている水があるのに、高く買ってくれる人は少ないと思うしさ」
というのが博美なりの理屈でありそれは正しい。
「その上で、どうする？」
と聞いた松沼先生に博美は続ける。
「そのうえで、一番高く買ってくれそうなＯＬ風の女性に交渉かな……と思います」
敬語で無いことを見抜いて厳しい目つきをする松沼先生に気づいて慌てて敬語にする博美。
「理由は？」
当然、そう質問する松沼先生。
「サラリーマンは、奥さんに財布を握られていて何気にお金を持ってないこと多いです。おばちゃんは、少しでも安くとやってきやすいし、子供が欲しいと泣きだそうものなら安く渡さないといけない雰囲気になりかねないです」
そう説明する博美。
松沼先生は続きを促した。
「老人に親切にしてというのはセオリーだけど、他に大勢いる場だと通報されかねないということで、可能なら女子高生を当て馬にして両方に売るそぶりをして一個しかないものを競り合わせるという状況に持っていきたいです」
「つまり、一つしかないものの値段を競わせて、できるだけ高く売ると言うことだな？」
その松沼先生の言葉に博美は頷いた。
「一つしかないものに対して、競争相手が多ければ多いほど、売り手有利になります。お嬢様の方が高く買ってくれるというならそちらに売ればいい話ですし、他の人にも話だけは持っていくそぶりを見せれば自ずと水は高く売れます」
そう言って締めくくる博美。
「ふむ、確かにそれは間違ってはいない」
「やった」
松沼先生の校庭の言葉に一瞬喜ぶ博美であった。
「だが、その過程で行くと周囲の状況を置いていっている。朝のラッシュというのは時間が無限大にあるわけでもない。桜庭や桜崎のように特定要素に対しての長期戦のプランでもなければ、先のオークションのように一人の興味を多大に引ける要素があるわけでもない」
うっと言葉に詰まる博美。
「仮定の話になるが自販機を封じ、需要を発生させる部分まではよかったな。あとはその需要が発生している時期にさっさと高値で売ってしまった方がいい」
そう言って、出席簿には『良』と採点がつけられた。
【難波 辰の場合】
「難波には相手役がいたら良さそうだな。畑生にやってもらう」
「「はい」」
辰と言嗣はそれぞれに返事をすると前に出た。
「では、畑生にはサラリーマンになってもらう」
松沼先生の指示に言嗣は頷くと、辰に向き直る。
「ではやってくれ」
そう言うと、辰にプリントを一時戻した。
一度咳払いをしてから辰は言嗣に近づく。
（知ってるか？ エリートにゃ変態が多いんだ。赤ちゃんプレイが好きだったり女物の下着が好きだったり、倒錯した性癖の持ち主が多いって統計にもある）
そう内心で思いつつ囁きかける。
ちなみに、水はあらかじめ少しだけ飲んである。
「この水はそこで喋ってるお嬢様女子高生の飲みかけだ。間接キスし放題、唾液も少量混じってる……」
その囁きにすっと言嗣は目を細めた。
（この暴論がどこまで行くのか聞いてみるかね）
聞く姿勢を見て取ったのか、辰は続ける。
「飲みかけってのがポイントだ！ 著名人の使用済みグッズが裏で高値で取引されるのと同じで新品より中古のが価値が増すんだ……。女子高生の生唾液と間接キスどうだ！ 疼くだろ！」
自信たっぷりに言い放つ辰。
「あ、もしもし、警察かね？」
「ちょ、ちょまてよ！ ここは取引する場面だろ！？」
通報の真似をする言嗣に、辰はすがりつく。
「……例えば、その身分の高いサラリーマンが変態だったと考えたとしても、そのサラリーマンが朝のラッシュアワーで誰かに見られているかもしれない時にそんな取引をすると思うかね？ もう少し考えたまえ」
ばっさりと言嗣に切り捨てられる辰。
結局、辰は『不可』となった。
ちなみに、おばちゃんに売ることも考えていたのだが、辰本人が母子家庭で、想像ではあったものの売りつけるのに抵抗があった。
「そんなら一生貧乏のまんまでいーや」
と没案にあったことを追記しておく。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年06月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年06月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年06月27日 11時00分
