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翻すは雷光の意思 決戦リベレイター ~機鋼世界マシナリア~
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異空間に立つ真っ白い白磁の塔。そこは寝子島を狙うリベレイターの本拠地である。
その頂上部分からは白く美しい塔に似合わない歪に歪んだ黒い砲身が伸びていた。
その砲口は空に開いたゲートに狙いを定めている。
そしてそのゲートの向こうには……寝子島の風景があった。
「誤差修正……空間転移座標設定……魔力係数上昇……発射!」
リベレイターの長であるハガルの声に呼応し黒いビームが寝子島に向かって放たれた。
だがその光は寝子島へと直撃することなく光の盾のようなもので弾かれる。
その光の盾の中心には腰まで伸びた水色の髪をたなびかせる女性、ティーアがいたのであった。
「ティーア! 忌々しい……だが、その盾! いつまでもつか!」
再び轟音と共に砲台から黒い極太のビームが放たれ、それは拮抗するように光の盾にぶつかると霧散、闇と光の粒子が辺りに撒き散らされた。
その粒子の雨の中、ティーアは何も言わずただ強い瞳でハガルを見据えていた。
その様子を見て頭を押さえるようにしてハガルは息を荒くする。その様子は頭痛に苦しむ人に近しい。
「ぐぅ、はあはぁ……クソ、ワタシハァ……ケサネバナラナイ、ティーアを……諸悪の……根源をォォ!」
苦しみながら部屋内の装飾品を引き倒し、ある程度暴れた所で彼の耳に声が届く。
『イイノデス、ケシナサイ。ドノヨウナギセイヲハラッテモ、スイコウ、スルノデス』
「は、はい……ティーア様――」
「ずいぶんとお取り込み中の様ですなぁ、御大将」
「貴様は……」
いまだふらふらとするハガルの前に現れたのは
骨削 瓢
であった。
彼は妙に疼く右腕をさすりながらハガルの前までくると彼に尋ねた。それはかねてから彼が気になっていたことでもある。
「まさか御大が奴らに後れをとるとは思いませんがねぃ、聞けなくなる前に聞いておこうかと思いまして。福音……というのに聞き覚えは?」
不敵な瞳で見つめる骨削の問いにハガルは首を振って答える。
「聞いた、事はない……、うぐっオマエニハ、手勢を与える……コノママ、階下で敵をマチブセヨ、グヌ! よい、な?」
「仰せのままに……御大将」
背中を向け、部屋を後にする骨削は呟く様に言いながら階段を下りていく。
「もうあの大将はどういうわけか正気じゃない。なら計画を実行に移すまで……。くっくっく、あっしからプレゼントを上げようじゃないか御大将。そん時が来るまで、楽しみにしているといい」
階段を降りる骨削の耳にノイズのような音が届くが彼は気にしないようにしてその場を去っていくのであった。
◆
砲撃の轟音が響く中、塔の中を走る二人の影があった。
それは元リベレイターの副官であるイヴァと
冴木 竜司
である。
「そこを右に!」
「わかったっ!」
イヴァに言われ、竜司は彼女と共に通路の脇道へと入って身を隠す。
その数秒後、通路をワームの大群が押し寄せるように通過していった。
二人に気付く様子はなく去って行ったワームの姿に二人は胸を撫で下ろす。
「まさかこれほどまでに増強されているなんて……しかも内部構造まで変わってます」
「きっつい状況だけどさ、それでもやるしかないんだ。寝子島を消させるわけにはいかないからね」
イヴァは竜司の方を見て彼に聞く。
「どうして……そこまで命を賭けられるんですか? 私は関係者だけど、あなたは本来……」
「関係ないとかあるとかそういうんじゃないんだよ。あそこには大切な人達がいっぱいいるんだ、その人達を護る為なら俺は戦うぜ!」
ポーズをつけて二カッと笑う竜司の姿にイヴァはふっと笑った。
その笑顔を見て多少ドキッとしながら彼は言葉を続ける。
「何より、イヴァちゃんに寝子島を案内してないからさ! 君は……その、俺にとって大事な人……だからっ」
顔を赤らめながらイヴァに貰ったイヤリングを触りつつ、照れくさそうにする竜司の手を取るとイヴァはしっかりと握った。
「ふふっ、ありがとう……ございます。貴方の守りたい人の一人になれたこと、嬉しいです……っ」
「あはは、っと今からろっこん発動の為に最低なこ――――」
そこまでいった竜司の口に指を当てるとイヴァは笑って答えた。
「わかってます、どうぞっ」
腕を組み下から持ち上げるようにしてセクシーポーズをイヴァは取って見せた。
特等席でそれを見ながら竜司は叫ぶ。
「この騒動終わったらイヴァちゃんのおっぱい揉ませて! 後、抱きついても良いですかぁぁぁぁ!」
「はい、貴方になら……いいですよっ」
その言葉が耳に入った途端、竜司は走り出す。それはもう特急列車のように。
「いよっしゃぁぁぁぁーーッ! うおおおおお! イヴァちゃん大好きだぁぁぁぁーー!」
ろっこんの能力により強化された彼の体躯はまるで重戦車の如く道に蠢いていた魔物達を蹴散らしていく。
イヴァを狙う魔物あれば、彼は立ち塞がる様に躍り出てその攻撃を硬化させた腕の筋肉で受け止める。さながら鋼の肉壁である。
そして彼に守られ、十分に魔力のチャージ時間を稼ぐ事のできたイヴァは大鎌を振り上げると紫色の光球を作り出し魔物の群れの中心へと放った。
光球は着弾と共に炸裂し魔物の群れを一瞬で物言わぬ肉片へと変じさせる。
攻撃と防御が合わさった二人のコンビはまさに無敵。
少し難点をあげるのであれば、イヴァにとってとても恥ずかしいという事だけであるが今は気にしないように顔を紅く染めながらイヴァは竜司と共に進むのであった。
そんな暴れる二人から少し離れた位置。
そこで目を覚ました人物がいた。
それは先に先行していた
毒島 林檎
である。
彼女はゴブリンに連れられるイザナを発見したのだが尾行している最中に後ろから殴られ意識を失っていたのである。
「……っつう、ここは――――あれは、聞いていた外見と同じ女の子……イザナか!」
イザナは露わになった胸をぐにぐにと揉まれながら、抵抗するように身をよじらせている。
ゴブリンが不思議な小さな石を近づけるとイザナから悲鳴と共にピンク色のオーラ――生命力の塊――が抜き取られていく。
「うぎぃいぃああああッあああッああーーッ!?」
苦しむようにがくがくと身を痙攣させたイザナから小さな石へと無慈悲に生命力が吸い取られていった。
ひと際大きくびくんっと痙攣したイザナは力なく床に横たわる。
視点は定まっておらず、気を失っているのか舌をだらしなく突き出し閉じる事のない口から多量の涎を床に広げていた。
そんなイザナにゴブリン達が楽しそうに群がっている。
何をしているかは想像したくない林檎は目を伏せた。
すると足音が近づいてくる。それは数体のゴブリンのようだった。
彼らは次の標的を林檎に定めたらしい。
「くそ、こっちにくるな……お、おい、何してるんだ!? くそ! 離せっ! 俺に触るな!」
『怖い、なに、なんなの……嫌だよ……助けて』
小声で感情を吐露する林檎であったがそれを聞きつける者はここにはいない。
抵抗虚しく着ていた白衣は脱がされ、邪魔だとばかりに下着も破り捨てられ、林檎はマフラーのみを纏ったずいぶんとフェチズム漂う姿となった。
その姿を見て舌なめずりをするゴブリン達に彼女はぞっとした。
先ほどイザナがされていた事を自身もされるのだと思うと嫌悪感で身体が震え、何も考えられなくなっていく。
それでも勇気を振り絞り、白衣から転げ落ちていた魔法石の入った巾着と木刀を掴んで構える。
だが状況が状況だけに足が震え、イザナの姿を思いだすたびに自分もああなるのかもしれないといった恐怖が彼女の心を染めていく。
恐怖に染められた心は武器を構える手をおぼつかなくさせ、足をがくがくと振るわせた。
にやにやしたゴブリン達が彼女に群がるとあっさりと床に倒され、木刀も巾着も床に転がった。
首筋や腰を舐められ、ざらっとした舌の感触に寒気を覚えながらも必死に彼女は耐えた。
「ぐっ、何をされても俺は……負けない!」
『やだぁこわいよぉっ……んぐっ、ひんっ……気持ち悪いぃ、誰か……助け……』
マフラーで申し訳程度隠れた林檎の胸をニヤニヤ笑うゴブリンがぐにぐにと無遠慮に触る。
次第に胸のある部分が隆起してしまうがゴブリン達はあえてそこには触れない様子であった。正常な身体反応とはいえ、羞恥で林檎は顔を背ける。
するとゴブリンは転がっていた巾着から黄色の石を取り出しそれを林檎に近付けた。
指に力を入れて石を割ると石から小さな稲妻が迸った。それは林檎の身体を貫き彼女にかつて味わったことのない感覚を与える。
流れる電流が彼女の身体の筋肉を誤作動させていった。
人間の身体は電気信号で動いている、電流を流せば程度の違いはあれど誤作動が起きるのも必定。
「う、ああ!」
『んぎぃぃあああぁぁぁあっ! ひぎっひぎぃぃっ!?』
まるで洪水のような快感の波に彼女の視線は定まらなくなり、電撃で弛緩した口からは涎がぼたぼたと垂れる。
ゴブリンが電撃で痙攣する彼女の足を開くとその間に収まった。手には先ほどの不可思議な石が握られているようだった。
それが淡く明滅したかと思うと、林檎は胸部の中心から手を突き刺され無理矢理身体の中を弄られている様な、こね回されているようなおぞましい感覚に襲われる。
自分の大切な何かが成す術無く奪われていく言い表せない恐怖に林檎は涙して悲鳴を上げた。
「うぐ、これしきぃ……!」
「いぎゅぅぅ!? んぎぃぃああッあああッあッ!!」
がくがくと震える林檎のお腹辺りから生命力が抜き取られ、それが石に充填されていく。
徐々に林檎の身体は力が入らなくなっていき、手足がだらしなく床に投げ出されている。
先ほどの電撃の余韻が尾を引いており、感覚に敏感な林檎の身体は撫でまわす彼らの手の動きにもびくんっと反応してしまう。
数分後、生命力を吸われ続けた林檎は力なくうなだれ荒い呼吸をしながら舌をだらしなく出していた。垂れるよだれが彼女の胸を汚している。
身体は何も触れていないのに余韻でびくびくっと痙攣しておりいまだ電流の余韻は残ったままのようだった。
彼女の視線は定まらず、どこを見ているのか分からない。
頭がぼーっとし、思考がまとまらない林檎にゴブリンは先ほどの石――ゴブリンストーンを近づける。
先ほどよりも大きいゴブリンストーンは彼女から更に多くの生命力を奪っていく。
林檎の身体から吸い上げられるように出た生命力が石へ吸い込まれていく。
ぞくぞくと身体を震わせ、林檎は悲鳴を上げた。
「ぐ、うぅあ……やめ、ろ……!」
「ああぁぁぁあ……あああぅ、ううぅああ……!」
ピンク色のオーラを吸われる林檎は跳ねるように弓なりに体を曲げて震える。
その直後、全身から力が抜けていくのを林檎は感じた。
ゴブリンストーンが林檎の心臓に近づいた途端、ぞくぞくする感覚が彼女に急激に込み上げ林檎は暴れるように身体を痙攣させてピンク色のオーラを放出する。身体は吸われた影響で弛緩しすでに声をあげる余力はない。
だらしなく涎をだらだらと垂らしながら林檎は力なく床に横たわる。
ゴブリンに胸を鷲掴みにされ、髪を引っ張ってぐいっと持ち上げられるが荒い息を吐くばかりで何も抵抗が出来なかった。
見るとゴブリン達が石を何か特殊な装置に入れている。
それはミキサーのような形をしており中に入れられたゴブリンストーンがごりごりと削られていた。
数分もしないうちにピンク色の液体が出来上がり、ゴブリン達はそれを回し飲みする。」
それを飲んだゴブリンはたちまち元気になり、気力みなぎる様子だった。
マフラー以外身を隠すものを纏っていない林檎に彼らはニタニタしながら近づいてきた。
群がられ、抵抗する事も出来ずに林檎は生きたまま喰われる恐怖と絶望に沈んでいった。
数時間後、まだ林檎は生きていた。
あらゆる暴虐を尽くされ、身体は汚れ、咬み傷や引っ掻き傷だらけであったが彼女の精神はまだ正気を保っていたのである。
部位の欠損はなく、咬み千切られた箇所もない。
それはゴブリンが食欲を満たすために人間を襲うのではなく、悲鳴や反応を楽しむ為の嗜好品として襲うことに由来していた。
彼女は震える手で自らの下腹部に手を伸ばす。
ゴブリンポーションでぐちゃぐちゃに汚れ、傷も多いが傷跡が残るようなものは一切ないことに安堵した。
「あの女はそろそろ子作り出来るんじゃないのか?」
「そうだな、生命力も吸いつくしたから抵抗はできないだろう」
会話内容を聞いて林檎はこのままでは最悪の結末を迎える事を悟った。
「あんなやつらに……やられて、たまるかっ」
『けど、身体が動かない……だめ、逃げられないっ……怖いッ』
力の入らない身体で這いずった林檎だったがすぐのゴブリンに組み敷かれてしまう。
ゴブリンがいざ彼女に消えない傷をつけようとしたその時、代わりに傷を負ったのはゴブリンだった。
力なく崩れるゴブリンの死体をどかし彼女を助け起こしたのは
篠原 翠響
である。
彼女は触手蠢く怪しげな刀を振るいその場のゴブリンを斬り裂いていく。その刃に迷いはない。
応戦するゴブリン達であったが急な戦闘と言う事もあり武器を持つ暇もなく、成す術無くやられ死体の数を増やしていった。
「早く外へ! イザナを連れて早く!」
篠原が投げた気付け薬の香りでなんとか意識を正常に取り戻した林檎は立ち上がると白衣だけ拾い上げて羽織った。
それ以外はなにも身につけていない状態ではあったが心なしか今日は白衣がいつも以上に頼もしく見える。
倒れているイザナに近づくと彼女の状態は予想以上に酷かった。
逃げる際に負ったのか裂傷と擦りキズが多く、身体はゴブリンポーションでべとべとに汚れあらゆる所に咬み傷が出来ている。
「よかった。待ってろよ……もう少しだけ辛抱してくれ」
『この子の傷、早く治してあげないと……』
そういうと林檎はイザナを担いでよろよろとその部屋から出ていった。
数匹のゴブリンが彼女を追おうとするが風のように素早く回り込んだ篠原がそれをさせない。
振りかぶり薙ぎ払うように振るわれた妖刀が無防備なゴブリン達を物言わぬ屍へと変えた。
刀身についた血を振るって飛ばすと篠原は剣を横に構えて走り出す。
(戦っている最中でも感じる……その下品な目線、嫌いだ!)
床を蹴って跳躍すると空中で一回転しながら飛び掛かってきたゴブリンを篠原は斬った。
斬られたゴブリンは武器を落とし無様に地面を転がって絶命する。
直後、着地しながら叩きつけるようにして数体のゴブリンを屠った。魔物特有の血が飛び散るがそれがかかろうとも彼女は気にしない。
動くものは敵、動くものは斬るべき物。そう、目の前には敵しかしない……ならば暴れるべきだ、自身を押さえる枷等なにもないのだから。
防御と回避を捨て、ただただ斬る事に特化した彼女は強かった。
腕を斬られようが足に矢が掠ろうが剣を振る手を止めない。振るわれる白刃が幾体ものゴブリンを血の海へと沈める。
仲間を次々と打ち取られ、我慢ならなくなったゴブリンが防御を捨て一気に背後から奇襲を仕掛ける。
それは物陰からの突進であり他のゴブリンを斬った行動の隙を狙った完璧な戦闘の本能ゆえに可能なものであった。
だがその刃が彼女に届く事はなく、ゴブリンは空中で静止する。
その腹には篠原が振り返らず脇の間から伸ばした刀身が深々と刺さっていたのである。
投げ捨てるようにゴブリンの死体を放ると篠原は再び武器を構えた。
ここまで無双とも言うべき立ち回りを演じた篠原であったが一つ誤算があったのである。
それは通常のゴブリンだけに気を取られ、少し強力な赤いゴブリンの存在に気がつかなかった事だった。
知能が高い彼らは伏せ、篠原の疲労が蓄積するのをじっくりと待っていたのである。
彼らの目論見通り、篠原の身体は次第に疲労で動きは鈍くなり、血と油が刃の冴えを落としていった。
それでも構わず戦っていた彼女であったが疲労がピークになった時に飛び掛かってきた赤いゴブリン達に組み敷かれてしまった。
「くっ……この……! 離してっ!」
無数のゴブリン達の手が彼女の衣服をびりびりとはぎ取り布という布を取り去ってしまう。
四肢を拘束されている為に彼女に大事なところを隠す術はない。
露わとなった胸を揉みしだかれ、篠原は嫌悪感を込めた瞳でゴブリンを睨むがそれは彼らを興奮させるだけであった。
無遠慮に貪られる嫌悪感しかなかったがゴブリンが取り出したゴブリンポーションを飲まされた時にそれは変わった。
身体の中心から熱くなり、触られていないにもかかわらず胸のある部分も自己主張を始めてしまう。
篠原の顔は少し赤く染まり、口を開いて熱のこもった吐息が漏れ始めた。
「いったいぃ、なにをぉ……うぁっ」
「今に分かる。獲物を逃がした報いを受けろ。人間」
ゴブリンポーションの効果で敏感になった身体は少しの刺激で跳ねてしまう。
今に分かるというゴブリンの言葉の通り、さすられ、撫でられ『抵抗』という意思を次第に根こそぎ刈り取られていく。
抵抗を一切やめた篠原にゴブリン達は荒い吐息を吐きながらポーションをかけていく。
ピンク色の粘液に彩られた一糸纏わぬ篠原にゴブリンが群がり、彼女にゴブリンストーンを向ける。
「うぁっぁああああっあああぁああーーーッ!?」
「よい悲鳴だ、もっとあげてくれ……殺された同胞の供養のために!!」
篠原は複数のゴブリンストーンに生命力を吸われ、悲鳴をあげながら激しく痙攣した。
いまここにゴブリンの生命の宴が始まったのである。
◆
どのくらい経っただろうか。
壁の燭台掛けに縄で吊るされる篠原はひと際体格の良いゴブリンに首を絞められている。
生命力を根こそぎ吸われ、ゴブリン達に蹂躙された篠原は既に一切の抵抗をする事が出来ず苦悶の表情を浮かべるだけだった。
彼女の苦しむ苦悶の表情に興奮したゴブリンは篠原の首をギリギリと締めながらにやにやと笑っている。
ゴブリンの荒い吐息を聞きながら彼女は自分の大切なモノ――生命力、命が完全に奪われる――死の恐怖に震えた。
武器も抵抗する意思すらも奪われた彼女はもうただの人間の少女と変わらない。
抵抗する力はない、あるのはただ待ち受けている絶望のみ。
「ふははは、貴様の表情はずいぶんと心地がいい。いつまででも眺めていたいものだなぁ。あぁその全てを奪う時が楽しみだ……ふっはははは!」
にやにやと笑うゴブリンの言葉を聞きながら次第に篠原の意識が遠くなっていく。
上手く呼吸が出来ず、目は上を向き少しでも空気を取り込もうとしているのだろう大きく開けた口がパクパクと魚の様に動くが、ただ涎が垂れるだけであった。
「あがっ……あぁぁ、あ、あぁ……ぁぁ……あ……」
「さぁ、絶望しろ……命を奪われるその瞬間になぁッ!!」
呼吸がうまくできず声にならない声を上げ続け、がくがくと痙攣する篠原の様子にゴブリンは笑っている。
すると、ある時からふっと呼吸が楽になった。
いつのまにかゴブリンの荒い吐息も聞こえていない。
何が起きたのかと思った彼女の耳に男性の声が届いた。
「おいっ! 大丈夫かッ!」
抱き起こされた彼女はいつのまにか布をかけられている。
床には先ほどまで下卑た笑いを浮かべていた赤いゴブリンが転がっていた。
声の主は竜司であった。
彼はイヴァと共に階層の探索を進めていた矢先、林檎とイザナと出会い事情を聞いて急ぎこの場に来たのだという。
残った赤いゴブリンは回復したイザナとイヴァによって消し炭にされ多少の安全を確保すると一行はやっと一息をつく。
イザナはその場にいる者達に頭を下げると助けられた礼を述べた。それに続いて篠原も礼を言う。
「ありがとうっ! あなた達がいなかったら……今頃は……」
「私もありがとう……私だって……あのままじゃ……」
重くなりかける空気の中、まず言葉を放ったのは竜司であった。
「女の子を助けるのは当たり前だから礼には及ばないぜ!」
二カッと笑ってちょっといつもより大げさにポーズをとった竜司は滑って転んでしまう。
まるでマンガのように盛大に転んだ彼の姿にイザナと篠原は少し笑顔を取り戻した。
少し休憩した後、最上階を目指して歩きはじめた一行。
先ほど打ちつけたおケツをさすりながら歩く竜司の背中にイヴァが近寄ると小さな声で言った。
「あの、さっきの……やっぱり優しいんですね」
「え、何が?」
「もう、転んだ事ですっ。貴方の重心バランスの良さは私も知ってますから、さっきのはわざとだったんでしょう?」
竜司は、明るい笑顔を向けながら少しだけイヴァの方を振り返る。
「さぁ。どっちだろうなっ」
「ふふっ……ほんと女の子には優しい人ですね」
◆
彼は空を眺めていた。
いつもと変わらない寝子島の空……その中心に見慣れない黒い大穴が開いている。
その向こう側には白い塔とこちらを狙う歪な砲身が見えていた。
その黒い大穴から何かが出てくる。
それは羽の生えた悪魔のような黒い魔物――ガーゴイルでその両腕に長大なマシンキャノンを装備しているようだった。
それらがアリの巣からアリが噴出するようにおびただしい数が寝子島に向かって飛来してきている。
呼吸を整えた彼はその数を見て溜息を一つ。
「まったく、数は戦争においては重要とも言うけれど……あれはちょっと多すぎよねぇ」
彼を見つけたのか三体で編隊を組んでいるガーゴイルが彼――
尾鎌 蛇那伊
に向かって急降下してきた。
ガーゴイルは三体ともマシンキャノンを彼に向けると一斉射する。
雨のように黄色い弾丸が降り注ぎ、大量の空薬莢が排出され空に散った。
尾鎌はジグザグになる様に走るとガーゴイルとの距離を詰めていく。彼は一発たりとも被弾していない。
「甘く見られたもんね、飛行しながらの射撃は余程熟練の射撃手でもそうそう当たらない、ましてや動き回る対象に無策で当てるなんてもってのほか!」
地面を強く蹴って跳躍した尾鎌はまず先頭のガーゴイルの顎先を飛び膝蹴りで砕いた。
完全に虚を突かれた先頭のガーゴイルは彼の一撃で絶命し力なくその高度を落としていく。
そのガーゴイルを足場に尾鎌は更に跳んだ。飛びながら腕に装備されたちーあ製の武具『ぶーすたーなっくる』のブースターを点火する。
青い炎の軌跡を描きながら尾鎌は逃げるガーゴイルの内の一体を墳進力の乗ったアッパーで捉えた――――。
――ガーゴイル達は空での連携を円滑にするため、インカムのような通信危機を装備している。
「こちらインディゴ1! ウルフリーダー応答願いま……そ、空飛ぶ……空飛ぶ、ああああぁぁぁぁッ嫌だっ! 俺はまだ死にたくないぃっ!」
「どうした!? 何があったッ!? インディゴ1、応答しろっ! 聞こえないのか!?」
隊長であるガーゴイルが呼びかけるが無線機はザーっと言う砂嵐の音を返すだけである。
牙の並んだ歯をぎりりと鳴らしながら彼は思った。一体何が起きているのだと。
そこにまた通信が入る。だいぶ切迫した状況のようだった。
「ウルフリーダー! 応答願います! こちらカレンティノ2! 敵機と交戦中……くそ、速いッ! 攻撃が当たらな……うわぁぁぁぁッ!」
「カレンティノ2! 何と戦っている! 敵機の詳細を……くっ、途絶えたか……」
その時、ウルフリーダーが見つけたのは青い軌跡を描きながら空を飛ぶ筋肉質の人間だった。
おおよそ空を飛ぶのに適さない体格をしたその人物は重力で下がる高度をブースターとガーゴイルを足場にすることで無理矢理上昇させているのだった。
次々とガーゴイルを沈めていくその筋肉の塊を撃破すべくウルフリーダーは突進した。
「このぉぉ化け物がぁぁぁぁ! 落ちろ落ちろ落ちろォォ!」
尾鎌は上空から急降下してくる色の違う青いガーゴイル――ウルフリーダーに気付き、ガーゴイルを踏み台にして跳んだ。
降り注ぐ銃弾の雨をブースターを小刻みに噴射することで尾鎌はすれすれでかわしていく。
ウルフリーダーの砲口も尾鎌を追いかけるのだが不規則な軌道についていくことは難しく、弓なりに曲がった銃弾の軌道は尾鎌をわずかの所で捉えられない。
尾鎌はウルフリーダーの側面に回り込むと拳を引いてアッパーの体勢を取った。
「マシンガンだと着弾地点にばらつきがあるけど、基本は銃口の直線状にしか弾は来ない、それを知っていれば事前に銃口を見て斜線上から身体を外して弾を避ける事も可能なのよ。これで終わりにしてあげる! はぁぁぁっ!」
勢いよく放たれた拳は降下してくるウルフリーダーを捉える……かに思われたがその拳はウルフリーダーには届かなかった。
彼は翼でエアブレーキをかけ降下速度を抑制したのである。これでは軌道が変わり降下地点を予測して放たれる尾鎌の格闘攻撃は当たらない――。
――はずだった。
「がはっ、なん、だ、と……なぜッ!?」
「……後の先って知ってる?」
ウルフリーダーの腹部に突き刺さっているぶーすたーなっくるの噴出口に青い炎が収束していく。
「元々は剣道の用語なんだけどね。相手の動きに対して打つ事なの……よ!」
ぶーすたーなっくるのブースターを点火し突き刺さった拳を振りぬいて尾鎌はウルフリーダーの胴体を両断した。
落ちていくウルフリーダーの死体を見詰め、ゆっくりと降下する尾鎌は呟くように言う。
「……戦いは、二手三手先を読んで行うものよ」
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
お色気
定員
20人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月19日
参加申し込みの期限
2017年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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