ねこじま無双・ティンクルスターズ！｜リアクション

ねこじま無双・ティンクルスターズ！

■エリア・アルファ４　硝煙、風に消ゆ
　砂利道を歩くヨハン・プレストン。
　目を閉じ、現状を思い返す。
　ジョンとクラリックにエサをあげて、道具の手入れを終え、今日はもう寝てしまおうと布団に入ったところまでは覚えている。
　気づけばこうして、砂利道を歩いていた。
「拉致された……わけではなさそうだ」
　自分が寝転んでいたならともかく、気づけば歩いていたなんて状況はそうそうない。
　懐に手を入れると拳銃が当たった。
　手になじむ感覚。まるでいつも通りだが……。
「これは一体どういう冗談だ？」
　物陰から飛び出し、奇襲とばかりに棍棒を叩き込んできた鬼――の顎に銃口を突き当て、即座に射撃。
　続いて屋根の上から飛びかかってきた鬼の打撃をピボットターンでギリギリかわしつつ、懐から抜いた銃で相手の膝を撃つ。
　わざと動けない相手と背中合わせになって背面防御を固めると、そこかしこの戸を破って飛び出してくる鬼たちへ的確に一発ずつ打ち込んでいく。
　突き込まれる槍を銃身で弾き、カウンターに射撃。棍棒のスイングをかがんで交わしつつカウンターで射撃。
　まるで空手のマルチノックダウンのごとく至近距離で一人ずつ確実に倒していった。
　最後に足を払って転倒させ、踏みつけて銃撃。
　彼の後ろには死屍累々……かと思いきや、振り返ると鬼たちは跡形も無く消滅していた。
「フシギ現象というやつか。面倒なことに巻き込まれたな」
　遠くで銃声がする。
　と同時に、新たな鬼たちが飛び出してくる。
　ヨハンは拳銃のマガジンを排出。両腕を下ろして手首を返すと、腕に装着されていたギミックが動いてマガジンが自動装填された。

　間の流れを省略してしまって申し訳ないが、途中で出会ったレナ・ランベールと共にヨハンは広いエリアへとやってきた。
「おっと、これで仲間は全員かな？」
　炸裂弾を鬼に浴びせていた八神修が振り返る。
　ショットガンで群れを一気に無力化させていた七峯亨と、短機関銃でひたすら向かってくる鬼を散らしていた羽生碧南も振り返った。
「なんだここは。博覧会か？」
「似たようなもんだ。お前も手伝え。リロードタイムが惜しい」
　亨の言葉からヨハンは大体の事情を察した。
「例の『ラスボス』というやつか……」
　弾を撃ちつくし、マガジンを交換しながら、碧南がヒュウと息を吐いた。
「そういうこと。総力戦でいきましょ」