ねこじま無双・ティンクルスターズ！｜リアクション

ねこじま無双・ティンクルスターズ！

■エリア・ガンマ　ラストダンス
　電柱を振り回す巨大な鬼。
　次々となぎ倒されていく赤鳥居を駆け抜けながら、秋風冥と黒兎都は顔を見合わせた。
「こいつがラスボスの鬼！　わかった！？」
「敵と間違えて蹴りかかったのは謝るよ」
　冥と都はこのエリアに出現してからほどなくして合流できたのだが、敵っぽいやつは皆蹴り飛ばせばいいかなと思っていた都のドロップキックが最初の挨拶となった。
　冥は冥でこの手のことに慣れていたので、背後からの全力ドロップキックを後ろ回し蹴りで相殺するというちょっと強引な挨拶返しをしたわけだが、おかげでお互いの実力を計ることができた。
「先に聞いて置くけど、あなた悪鬼討伐の経験は？」
「あるわけな……あれ？　ある？　ない？　ないかのー、たぶん」
「そうそうあって貰っちゃ困るのよ」
　ぱたぱたと手を振り、鎌を握り直す冥。
　ちらりと巨大鬼へ振り返ってみるが、電柱（のようなもの）を振り回して追いかけてくる巨人と戦った経験は、まあそうそうあるもんではない。
　ある意味、お互いハジメテ同士というわけだ。
「仕方ないわね。あたしが隙を作るから、トドメよろしく」
　そう言い切ると、冥はブレーキアンドターン。
　繰り出された電柱に鎌を叩き付けて軌道を反らすと、振り上げるような蹴りを放った。
　蹴りは空振りした……が、念を伴った冥の蹴りはろっこん能力となり、電柱を根元からすっぱりと切断した。
「いまっ！」
「よしっ！」
　コンタクトはこれで充分だった。
　都は大きくジャンプすると、鳥居を蹴って三角飛び。
　ムーンサルトキックを繰り出すと、鬼の顔面に強烈なつま先を浴びせた。