ねこじま無双・ティンクルスターズ！｜リアクション

ねこじま無双・ティンクルスターズ！

■エリア・アルファ　ラストダンス（５００～１５００）
　鬼の群れと巨大鬼。
「同時に出てくるなんて聞いてない！」
　羽生碧南は短機関銃を撃ちまくって鬼の群れを牽制すると、弾を撃ち尽くしてベルトを探った。
　換えのマガジンはない。なんだかシャンプーの詰め替え用がなくなったような気分になって、スーパーで買ってこなくちゃみたいな気持ちになったがちがうちがう。
「ああもう、もっとずばーっと倒せるのないの！？」
　銃を地面に叩き付けて（よい子はまねしてはいけません）空に向かって叫ぶ碧南。
　すると、空できらりと十字の光が輝いてごっついキャノン砲が落ちてきた。
「おっ、そうそうこういうの！」
「なんだそれは」
「アニメに出てきそうだな」
「ミサイルでも撃つのか？」
　ロマンは愛するがリアルに生きる男三人が口々に勝手なことを言った。
　男三人というのは七峯亨、八神修、ヨハン・プレストンである。
　碧南的には、ワイルドなオラオラ系、知的でスマートな眼鏡属性（仮）、無口でクールなミステリアス系がそろい踏みしているのでこれいい夢だなって思っているところである。
　ワイルドで姉御肌なレナ・ランベールもちゃんと居るのだが、今回アクションがなくて触れられないので出番はここまでである。申し訳ない。
「黙って見てなさい。こうすんのよ！」
　碧南がトリガーを握り込むと、銃口というか屈折レンズのような場所から青白い光線が放たれた。
　鬼に直撃し、大きくのけぞらせる。
「非現実的だな」
「それがアリなら俺も無限ロケラン頼めばよかった」
「待ってくれ、いっそ攻撃ヘリを呼ぶというのも」
　リアルに生きる男たちが顔を見合わせた。碧南の影響か振る舞いが乙女ゲーのキャラみたいになっていた。
　さておき。
「チャンスだ。行け」
　ヨハンがここぞとばかりに巨大鬼へと向かっていった。
　追いかけて走る亨。
「おいおい一人で行くなって！」
「俺は（銃撃戦の）エキスパートだ」
「俺も（巨人相手の）エキスパートだっつーんだよ！」
　二人は左右に飛んで電柱を回避。
　更にスタンピングを回避すると、相手の真下を滑るようにスライディングをしかけた。
　上を向きながらショットガンとハンドガンをそれぞれ乱射。
　別に男性器への攻撃を狙っているわけでは無い。
　人間の形をしたものは、その自重をほぼ腰だけで支えていると言われ、腰の重心は足の付け根にかかっている。つまりは股下を内側から殴られて立っていられるヤツはいないというわけである。
　ぐらりと傾き、派手に仰向けに転倒する巨大鬼。
　思わず目を瞑り、開いた時には……。
「美味しいところを貰って申し訳ないが」
　修が銃を空に向けていた。
　空には、ぶつけ合ってとがらせた大量の瓦や石材の群れが浮かんでいる。
　分解能力の応用で大雑把に操作したのだ。
「チェックメイトだ」
　能力を解除。
　大量のとがった石がそのまま弾となり、鬼へと一斉に降り注ぐ。
　ヨハンは反射神経を強化して回避。亨は自らを縮小させて回避。
　碧南は頭を押さえてダッシュで逃げた。

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