ねこじま無双・ティンクルスターズ！｜リアクション

ねこじま無双・ティンクルスターズ！

■エリア・ベータ　ラストダンス（３００～１２００）
「おー、思ったよりでっかいのです……！」
　商店街の建物を片っ端からたたきつぶしながら迫ってくる巨大鬼を、椿美咲紀はのんきに見上げていた。
「お前ら帰ったほうがいいんじゃねえのか？　ガキや女が来る場所じゃあねえぜ」
　大きな両手剣を担いで顔をしかめるシグマ・F・FG。
「大丈夫だよぉ。だって夢の中だもんねぇ」
　ほっこり笑う鈴原空。
　シグマは苦笑すると、剣に息を吐きかけた。
「しかたねえ、怪我すんなよ！」
「しても私が治してあげるのです！」
「じゃあみんな、いくよぉ！」
　三人は、同時に飛び出した。
　巨大鬼が電柱を大上段から振り込んでくる。
　地面ごと粉砕するような衝撃だが、空は軽やかに回避。
　電柱そのものを足場にして駆け上がると、巨大鬼の正面で跳躍した。
「こういうでっかい敵にはぁ……えいっ！」
　鉄扇を二つ融合させ、両手剣へと変化させる。
　ただの剣ではない。ブレード部分がチェーンソーになっているのだ。
「ずばっと、やっちゃうよぉ！」
　レバーを握り込む。エンジン音と共に唸るチェーンソー剣を、空は思い切り振り込んだ。
　電柱、どころか鬼の手首からずっぱりと切り落とす。
「うええ、あのガキ見た目のわりにえげつねえ」
「でも鬼さん元気ですよ？」
　美咲紀は腕が切られてもスタンピングで襲ってくる巨大鬼を指さし――つつ、バラの鞭を放った。
　長く伸びたつるが、振り上げられた巨大鬼の足に巻き付き、強引に振り上げる。
　バランスを失ってのけぞる巨大鬼。
「っし、とどめだぜ！」
　シグマが尾と翼を使って大跳躍。
　剣を振り上げると、炎を伴って切りつけた。
　炎の軌跡が走り、シグマは鬼の更にむこうへと着地する。
　剣を振り切った姿勢で停止。
　その後ろで、鬼は激しく燃え上がった。

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