カフェつくりゃんせ！　～世界にひとつだけの店～｜リアクション

カフェつくりゃんせ！　～世界にひとつだけの店～

■にゃんこカフェ・ザ・ダイナミック！
　猫カフェ。
　それは人類の作り出した楽園である。
　プロのにゃんこたちを集め、徹底した清潔な管理体制で誰もがネコとたわむれることを許す場所。
　四十代の中年男性が床に座り込んで『にゃんこー！　にゃんこおー！　ほひゃひゃひゃひゃー！』とか言ってても許される空間である。人はそれを、極楽という。
「だがしかし！　人類はまだ到達できていない楽園があるのです！」
　美咲紀はぎゅっと握り拳を作って、ある決意を固めた。
　ゲームの世界だからできること。
　夢のカフェ。
　それは。
「おおきなにゃんこカフェ、なのです！」

　カランカランというベルの音と共に店内に入れば、まず目につくのがライオンである。
　たてがみゆたかな雄ライオン。
　それが大きなソファに手を折って座り、うとうとと眠そうに目を細める姿である。
　その横には、バランスボールくらいの布玉を抱えて寝っ転がるベンガル虎。
　しっぽをくわえてじっとしているユキヒョウ。
　そんな、普通では人に触れさせることすら禁じられるでっかいにゃんこたちをスタッフとした、夢の猫カフェがここにあった。

「基本は猫カフェと一緒なのです。にゃんこたちも毎日のお手入れを欠かしませんし、抱きつけばいいにおいがするのです」
　虎の毛皮が金持ちの家に敷かれているように、サバンナで牛食ってそうな彼らもちゃんと手入れすればとってもいい香りになるのだ。
　手触りもふっさふさになるし、なにより大きくて暖かい。
　この辺りは野良猫と家猫の違いみたいなもんである。
　勿論このでっかいにゃんこたちは色々分かっているので、お客に爪を立てたり噛みついたりすることはまずない。
　急に撫でられてもじっとしているだけの、訓練されたプロにゃんこなのだ。
「はにゃーん！　ちょうかわいいのです！」
　これは実験、実験だから！　といいながらユキヒョウに抱きついてごろごろする美咲紀。
　そして、はっと思いついたようにカフェスペースを作り始めた。
「猫カフェにはただにゃんこを歩かせるだけのカフェもありますが、ああいうのは違うと思うのです。やるからにはちゃんとしなくては……」
　美咲紀が気を遣ったのはカフェスペースとプレイスペースの分離である。
　ガラス窓によって仕切られたカフェスペースでは、サンドイッチやコーヒーといったオーソドックスなメニューをいただくことができる。
　しかしメインはやはりプレイスペース。
　広くとられたスペースに入って、でっかいにゃんこと遊ぶことができるのだ。こちらのスペースには飲食物の持ち込みは禁止。食べ物への衛生面はともかく、でっかいにゃんこには食べられないものが沢山あるのだ。ソレがなくても、物理的な問題で結構しっちゃかめっちゃかになりそうである。
　というわけで、お客は席をキープして時間いくらで払うしくみになった。
「ついにできあがったのです。ネコ好きのための新しい天国。さあ、開店なのです！」