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メリーさんの思い付きでお散歩、なの
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旧市街を
入江 みつび
と
龍目 豪
が並んで歩く。
みつびは軽装でパンツルック。持ち物は背中のナップサックに全て収めていた。
豪は緑の繋ぎを着ていた。背負うリュックサックは大きく、五十リットルに相当した。
みつびは横目に見ながら言った。
「豪くん、今日は九夜山に行くんだよね」
「そのつもりだけど。平凡かな。もう一度、行き先を話し合おうか」
「ううん、場所はいいんだけど。そのリュックは大きすぎるかなって」
長方形のリュックは内側から押されて丸みを帯びていた。豪は背中に顔を向ける。まじまじと見て首を傾げた。
「これでも量を抑えたんだぜ。崖から落ちた時に備えて傷薬とガーゼはいるだろ。包帯も何個か持ってきた。クライミングロープの用途は多いし、カラビナはセットだよな。野宿の事態も想定して簡易テント、それにドライフードは行動食にも使える」
「軍事演習みたいだね」
「ただの探検だぜ」
「ただの山登りだよ」
みつびは笑顔で顔を寄せる。豪は少し引き気味となって、そうだな、と言った。
「ここであたしの登場なの」
突然の声に二人は立ち止まる。眼前におかっぱ頭の女の子が着物姿で立っていた。
みつびは不思議そうな顔で前屈みとなった。
「どこかで会ったことがある?」
「初対面なの。あたしはメリーさん」
「都市伝説とかに登場する、あのメリーさん?」
「あのメリーさんなの」
どこか誇らしい顔で答える。みつびは上の空で口にした。
「お化けの仲間?」
豪は慌てて口を挟む。
「みつび先輩、お化けはストレートすぎるような……それでメリーさん、俺達に何か用でもあるのか」
「今日はお散歩日和なの。どこにでも連れて行ってあげるの」
「方法はわからないが、俺達は九夜山に探検に行く途中なんだけどな」
「山登りだよね」
みつびの鋭い指摘に豪は、はい、としおらしく答えた。
「メリーさん、私の守護霊とか見える? ネッシーなんだけど」
「見えないの」
黒曜石のような黒い艶やかな目で言った。
「ネッシーって……フタバスズキリュウのことだよな」
「ネッシーだけどね」
豪の言葉を真っ向から否定する。みつびは女の子に真剣な目で向き合った。
「どこでも行けるのなら、私達をネッシーのいたところに連れてって」
「任せるの。手を繋ぐの」
女の子はみつびの手を握った。手招きをして豪とも繋がる。
「高い高いして欲しいの」
急に両方の手を揺らし始めた。みつびと豪は目配せで歩き出し、握っていた手を同時に引き上げる。吊り上げられた女の子は無表情ながらも足をブラブラとさせた。
「これでネッシーのところにいけるんだね♪」
「全然、関係ないの。急にそういう気分になったの」
「あ、あのねぇ」
「着いたの」
三人は手を繋いだ状態でガードレールの際に立っていた。下には川が流れている。あまり深さは感じられなかった。
「おいおい、どこだよここは。あの山は九夜山じゃないだろ」
畑の先の山並みを見て豪は声を上げた。みつびは冷静さを保ち、周辺に目を向ける。
「……なんか見覚えがあるかも」
女の子は手を離した。みつびは川を左手に見ながら歩を進める。
「わかった。ここは小さい頃、私が住んでた福島県いわき市だね」
「先輩は福島の出身だったのか。俺のじいちゃんも福島だぜ。ここじゃなくて会津だけどな」
豪はみつびのあとを付いていく。女の子は最後尾でスキップをした。
「あ、豪くん。看板だよ」
みつびは急に走り出す。豪は背中のリュックを重そうに揺すりながら後を追った。女の子は瞬間移動で看板に先回りした。
『フタバスズキリュウ産出地』
煤けた看板に書かれていた。矢印は川を指している。
「あー、ここがネッシーのいたところだったんだぁ」
「普通は気付くもんじゃないのか」
遅れてきた豪が看板を見ながら言った。
「だって小さい頃はこんなの気にしてなかったんだもん。それに私が住んでたのは小二までだからね」
女の子は看板に書かれた文章を見詰める。
「フタバスズキリュウって書いてあるの」
「あれだ、そういう愛称のネッシーなんだろ」
「そうなの」
女の子は無表情で豪に詰め寄る。
「たぶん、そうなんじゃないか」
「そうなの」
「……そういうことにしてくれ」
女の子は唇を着物の袖で隠して、わかったの、と言って歩き出し、別の看板の前で立ち止まった。
「ネッシーの説明が書いてあるの」
「こんな看板もあったんだね」
みつびは掠れた文章を読んでいく。心の中で興味が急速に膨らんだのか。興味は川に移った。ポニーテールを振りながら道の左右に目をやる。
「どこか川に下りられるところはないかなー」
「簡単なの」
女の子はみつびの手を握った。呼ぶ前に豪が走り寄る。
三人は瞬間移動で川向こうの繁みに移った。
その場でみつびはスニーカーと靴下を脱いだ。えへへー、と笑って川の中に素足を入れる。川床を気にするような摺り足で歩いた。
「まだ水は冷たいね。なんか懐かしい気分♪」
水音をさせて戯れる。豪は背負っていたリュックを下ろした。登山靴の紐を緩めて裸足となり、ずんずんと川の中に入っていった。
「冷たいが気持ちいいな」
「うん、昔もこんな感じだったね。もしかしたら、ここでネッシーの骨を踏んで守護霊になってたりして」
「フタバ、じゃなくてネッシーは子供が発見したっていうし、あるかもしれないぜ」
軽快に返した言葉にみつびは笑みを零す。
「それが本当ならネッシーって結構なMだよね。踏まれて守護霊になるんだから」
「踏んだら守護霊になるの。なんでもいうことを聞いてくれて、こき使えるの」
女の子は豪を見詰めている。頭頂に限定して黒い目を注ぐ。
「ちょっと待て。俺の頭をどれだけ踏んでも守護霊にならないぞ。ヘンな期待はするなよ」
「残念なの」
「私が踏んでもダメかな」
みつびは後ろ手に組んで笑った。一瞬の間を空けて、無理だって、と照れ臭そうに答えた。
軽い咳払いで豪は話題を変えた。
「先輩が小さい時にこの川で遊んのなら、家も近くにあるんだよな。せっかく、メリーさんに連れてきて貰ったんだし、見てみたい気もする」
「そうだね。行ってみよっか」
沈んだ声で笑うとみつびは川から上がった。豪は怪訝な表情で付いていく。
途中、会話はなかった。みつびのどことなく重い足取りが軽い拒絶を仄めかす。女の子は気にすることなく、スキップで対抗した。
「ここだけど、やっぱりね」
みつびに連れて行かれた先に家はなかった。ただ雑草が生い茂る。豪は肩が触れるくらいの側に立った。
「何もないな」
「
両親は事故死
して、私は親戚のおじさんに引き取られたんだよね」
「そうだったのか……」
暗い声で返す豪の腕にみつびは肘を入れた。
「豪くん、暗いって。不幸な事故だったけど、そのあとで私は両親にチラッと会えたし」
両肘を曲げて手首をゆらゆらと揺らす。
「よかったな、いや、よくはないのか」
「だから暗いって。でも、ありがとう。豪くんが一緒だから来る気になれたんだよ」
みつびは顔を見られないようにして川へと戻っていく。女の子はいつの間にか隣にいて手を握った。
「あたしもいるの」
「はいはい、付き合ってくれてありがとう」
女の子の頭を撫でようとした。その手を避ける。みつびの口角が不自然に上がった。再度、手を伸ばしたが躱された。
「撫でられないんだけど」
「髪型が乱れるの」
女の子はなだらかな側頭部に掌を滑らせた。
川を望めるところで昼食となった。豪の用意したシートの上に三人が座る。
「みつびちゃん特製のカマボコ弁当だよ♪」
重箱の一段目に紅白のカマボコがぎっしりと詰め込まれていた。二段目には手で摘まめるおかずが豊富に揃えられ、三段目を俵型のお握りが占める。
「おー、美味そうだな」
「えへへー、遠慮しないで食べてね」
「いただきますなの」
女の子はカマボコを摘まんで食べる。お握りを一口で口に収めた。卵焼きを二つ纏めて吸い込むように平らげた。
お握りを食べていた豪が豪快に笑った。
「メリーさんは小さいのによく食うな」
「遠慮しないでって言ったけど、どんだけ食べるのよ」
「いい食いっぷりじゃないか」
豪は楽しそうに言った。
「お腹がいっぱいになるまでなの」
女の子は焼き魚の切り身を口の中に押し込む。数回の咀嚼でミートボールを食べた。みつびは呆れた様子で見ていた。
「お腹いっぱいになる姿が私には想像できないんだけど」
「確かにな!」
豪は豪快に笑った。
立ち上がった姿で女の子は手を合わせた。
「ごちそうさまなの。もう少し量が欲しかったの」
「半分も食べたのにね! みつびちゃんもびっくりだよ!」
正面に立っていたみつびの足が不穏な微動を繰り返す。女の子は丸めた手を差し出した。
「これはお礼なの」
「これって? なんか細長くて牙っぽいような」
「川で拾ったの」
「お、もしかしてネッシーの牙かもな」
豪の言葉にみつびはピクッと肩を震わせた。受け取った掌の物体を見詰めて、そっと握る。
「他にも土産が欲しいな。ネッシーのコースターでも買おうぜ。それと今度は会津に行こう。俺が案内するぜ」
「ありがとう、豪くん。それとメリーさんもね」
みつびは心の底からの笑顔を浮かべるのだった。
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黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月26日
参加申し込みの期限
2017年06月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月02日 11時00分
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