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ドキドキワクワク☆2人きりの校内探索
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・
御剣 刀
&
白柳 さえ
の場合
放課後の廊下は静かだった。
耳に聞こえてくるのは窓の向こうで鳴るかすかな風の音と、自分たちの足音だけ。
いつもなら時折すれ違うはずの他生徒の姿も、どうしてか今日はない。
その静寂の中を、
白柳 さえ
はうつむくようにして歩いていた。そうしながら、胸を覆う緊張と不安と戦っていた。
(うぅ、何か喋らなきゃ……まだ名前と、よろしくお願いしますしか言ってないよ……)
少しだけ視線を上げて、隣を歩く男子生徒を見る。
御剣 刀
という名の彼は先程からずっと無表情で、「理科特別教室に行きたいんだけどいいか?」という言葉を最後に、口を閉ざしたままだった。
(もしかして怖い人なのかな……。それとも私とペアになったのが嫌だったり……)
参加するべきじゃなかったのかなと、そんな思いが心をよぎる。人見知りの自分でも、これをきっかけにして友達ができるかもしれないと思い勇気を出して参加したイベントだったけれど、そんな勇気は出さないほうがよかったのかもしれない。
(そうだよね……誰だって楽しい人とペアになりたいはず……それなのに私なんかが相手じゃがっかりだよね……)
ごめんなさいと、謝ったほうがいいのかもしれない。そして、もし嫌なら探索を途中で中止しても構わないということも言って。
「……なぁ」
「え? あっ、は、はい?」
物思いの最中に突然話しかけられて、心臓がびくりと跳ねた。
気付くと、いつの間にか刀がこっちを見ていた。柔和さと精悍さが混じったような顔付きの中の鋭い瞳。それがじっと、さえを見ている。
「あのさ、ちょっと聞いていいか……?」
「な……なんですか?」
何を言われるんだろう、と半ば怯えながら、さえは問いかけた。
「もしかして、俺のこと怖いか……?」
「えっ……?」
「いや、さっきからずっとうつむいて歩いてるし、なんとなく警戒されてるような感じするから……」
「そ、そんなことないです」
とっさに嘘をつく。本当は思いかけていた。でもそんなの言えるはずなかった。
「本当か……?」
「はい……」
「それならいいけど……なんかごめんな」
「えっ……?」
「こういう時、何を話したらいいかよくわからなくて。何か話すべきだとは思ってたんだけど、怖がられてるところにいきなり話しかけたら逆効果かなって」
「いえ、そんな……わ、私も、その……」
せっかくできた会話のきっかけ。なんとか続けさせなきゃと思い、さえは勇気を出して胸の内を語ることにした。
「……私のほうこそごめんなさい。私……すごく人見知りだから、初めての人と喋るのが苦手なんです……。だからその……御剣さんの顔もあまり見れなくて……ごめんなさい」
「じゃあイベントに参加したのは、苦手克服のためか?」
「はい……」
「そうか。偉いな」
「御剣さんはどうしてこのイベントに……?」
「俺は景品目当てだよ。景品の中に学食無料券があるって聞いてな。それを手に入れるために参加した」
「そうなんですか……」
「でも、それはちょっと思い直すことにする」
「どうしてですか?」
「考えてみれば、ペアになる相手への礼儀に欠けてた。交流も兼ねたイベントなんだから、自分の欲ばかり優先させてちゃ駄目だよな。ここまでずっと無言で気まずかったよな。ごめん」
「そんな……御剣さんは悪くないです。私が臆病なせいで」
「じゃあお互いに、少しずつ悪いところがあったってことかな」
そう言って、刀がかすかに口元を綻ばせた。小さな笑みだったけれど、ペアになってから初めて見たその笑みは柔らかで、見た瞬間に胸の中にあった不安や緊張が少し和らいだような、さえはそんな気がした。
「別になんでも話しかけてくれていいから。気楽にさ。そうしないとせっかくペアになったのにもったいない……って、俺が言うべき台詞じゃないかもだけど」
変わらず笑いながら刀が言う。
私は馬鹿だと、さえはそう思った。
(全然怖い人なんかじゃなかった……それなのに私、勝手に勘違いして……)
もっと勇気を持とうと、心の中でさえはつぶやいた。そうしないと彼にだって失礼だ。
「ありがとうございます……。はい……私、御剣さんとたくさんお話したいです」
思い切ってそう言うと、刀はまた柔らかく笑いながら、顔を頷かせてくれた。
「それじゃあ、行くか。行き先は理科準備室のままでいいか?」
あらためて、刀はさえにそう尋ねた。彼女が別の場所に行きたいというなら考え直すつもりだった。もともと理科準備室に向かっていたのは学食無料券という貴重な景品は当然、最高難易度の場所にあるだろうという単純な考えによるものだ。
たしかに無料券は欲しい。でも別の場所に隠されている可能性も大いにある。
それにやはり、自分の欲を優先させすぎるのはよくない。彼女にも言ったが、そういうのは礼儀に欠ける。自分1人ならともかく、今は相手がいるのだから。
「はい。御剣さんは……学食無料券が理科準備室にあると思ってるんですよね?」
「まぁはっきりとした根拠はないけど、なんとなくな」
「それなら、私はそれで構いません」
「そうか。じゃあ行こう」
はい、とさえが頷き、再び歩き出そうとしたその瞬間。
『きゃあぁっ!』
突然、どこかから悲鳴が聞こえてきた。
それに反応し、びくりとさえの体が震える。
「い、今の声って……悲鳴……ですよね?」
「……ヒトハとかいう奴の悪戯に誰かが引っ掛かったのかもな」
「じゃあ私たちも、あんな悲鳴を上げるようなことをされるんでしょうか……」
「大丈夫だよ。気を付けていれば悪戯になんて……」
その時ふと、腕の辺りに感触が触れた。何か引っ張られるような、そんな感触。
目を移すと、見えたのは小さな手と細い指。さえが服の右袖を引っ張っているのだ。
「あっ……ご、ごめんなさい」
さえが刀の視線に気付き、そしてすぐに自分のしていたことにも気付き、慌てて手を引っ込める。それから、いたたまれなさそうにうつむいた。
「怖いのか……?」
「い、いえ、大丈夫です。本当にごめんなさい、私ったら、きゃあっ!」
また悲鳴が聞こえ、つられてさえも声を上げる。そして反射的に再び掴まれる服の袖。
「ご、ごめんなさい……」
さえがまた手を引っ込める。表情が明らかに怯えていた。身を固くして、ともすれば震え出しそうにも見える。
「……いいよ。掴んでて」
「えっ?」
「怖いなら、服の袖を掴んでていい。俺は気にしないから」
「で、でも……」
「ほら」
さえに向かって腕を差し出す。それでもさえはしばらく迷っていたが、やがて。
「あ、ありがとうございます……じゃあ……」
そう言うと、遠慮がちにだが手を伸ばして再び制服の袖を掴んだ。
そのまま歩き出す。さえはきょろきょろと辺りを窺うようにしながら歩いていて、掴んだ袖もかなり強く握っていた。
やがて目的の場所へと着き、戸の前に立つと、一応ノックをしてみる。
しかし叩くと同時に、その音をかき消すようにして後方の戸が開いた。中から男子生徒と女子生徒が出てくる。
すぐに去ってしまったので、顔は見えなかった。しかし男子生徒が手に持っていたものはかすかに見えた。たぶん景品だろう。
(先を越されたか……でもまだ片方は残っているかもしれない。可能性が高いのは、難しい方のはずだ)
祈るような気持ちで戸を開け、中へと入る。当初よりは気持ちが抑えられているとはいえ、やはり学食無料券は捨てがたかった。
部屋の中には誰もいない。しかし机の1つにビーカーが置かれていて、何か黒い液体が入っている。かすかに漂ってくる香りから、たぶんコーヒーだろう。誰かが飲んでいたようだ。
ビーカーを無視して、刀は骨格標本へと近付いた。袖を掴みながら、さえがついてくる。
「あの……御剣さん、もしかして答えがわかってるんですか……?」
「『露出した沈黙』は、沈黙の臓器と言われてる肝臓のこと、つまりは人体模型の肝臓部分のことだろう。そして『朽ちた父と母』については、朽ちたっていうのは骨のこと。父と母っていうのは親指。だから、難易度6のヒントは骨格標本の親指を示してるんじゃないかな」
「あっ……たしかに……。すごいです、御剣さん」
「たまたまだよ」
たぶん物欲、いや食欲が絡むと頭も冴えるのだろう。あまり褒められたものではないかもしれないが。
「まずは、骨格標本からだ」
奥へと歩いていき、目的の物へと近付く。しかし途中で自然と足が止まった。
何か、かすかな気配を感じたからだった。
目の前の骨格標本。その隣にある人体模型。模型は少し離れた場所にもう1つある。
それ自体は別に不自然ではない。予備の人体模型があってもおかしくはない。しかし。
骨格標本の近くにあるほうの人体模型。それが何かおかしい。どことなくある違和感。物ではない別の気配が漂ってくるような、なんだかそんな感じだ。
「どうしたんですか、御剣さん……?」
「いや、あの人体模型がなんだかおかしいような……」
「人体模型……? 別に何も……あっ、えっ、きゃあっ!?」
悲鳴とともに、握られる袖の感触が強くなる。しかし刀の意識はそこに向いていなかった。
人体模型。それが動き出していた。驚きはあったがそれほど大きくはなく、だから、自然と体が動いてしまっていた。
「いてぇっ!」
そばの机に置かれていた教鞭。無意識にそれを握り、振っていた。
ビシッ、という音とともに上がる悲鳴。人体模型の口から出されたものだった。
「な、なんだよ!? いきなり叩くとかひどくねぇ!?」
人体模型が抗議してくる。驚きが瞬く間に消え、申し訳なさが湧いてきた。参加者への悪戯だったのだろうが、つい体が反応してしまった。
「いや、なんていうか……日頃の癖で……」
「ひでぇよ……ん? あぁ……へぇ、なるほど~。君たちそういう関係か~。まぁ彼女を守るためならとっさに手が出ても仕方ねぇってところかな」
「彼女……?」
「あれ、もしかしてまだ友達以上恋人未満ってやつ? おいおい君、男ならはっきりしなきゃダメだぜ~」
「いや、言ってる意味がよく……」
「いやいや、そこの彼女、君に頼り切りじゃん。あんなにギュッと袖を握っちゃって、可愛いねぇ。なんにせよ、俺はもうお邪魔みたいだ。それじゃあ君たち、お幸せに」
そう言うと、人体模型は駆け出すようにして部屋を出て行った。
「……」
「……」
少しの間、さえと2人で開いたままの戸を見つめたまま、動かずにいた。
「参加者への悪戯……だよな?」
「たぶん……」
「なんか誤解してたみたいだな……」
「そうみたいですね……私たち、そんな関係じゃないのに……」
否定しているものの、さえの口調には若干の上ずりがあった。
それは自分の心も同じだった。得体の知れない人体模型の言葉の余韻。そのせいでおかしな気まずい雰囲気が場と心に残ってしまっている。
ふと、さえが掴んでいた袖を離した。それから視線をうつむかせる。顔の頬がかすかに赤らんでいた。
「……気を取り直して、景品を探そうか」
「そうですね……」
さえは視線を合わせない。刀も、どうしてかうまく顔を見れなかった。
骨格標本へと近付く。親指を調べてみると、紙が小さく折られて巻きつけられていた。
紙を外し開いてみると、書かれていたのは『教卓の右端の引き出しの中の赤い箱を開けよ。鍵は5151』という文字。
さえと一緒に、書かれている通りの場所を調べてみる。するとたしかに小さな赤い箱が入っていて、開く部分にはダイヤル式の鍵が取り付けられていた。
「5151……と」
紙にあった番号に合わせると、鍵が開いた。
中に入っていたのは、1枚の紙と2個のキーホルダーだった。
『おめでとうございます。箱の中の景品をお取りください。この紙と箱はのちほど運営のほうで回収いたしますので、そのままにしておくようにお願いします』
キーホルダーを手に取り、眺めてみる。シンプルな装飾がついたハート形のもので、裏を見ると2人分の名前が書けるようになっていた。
「学食無料券じゃなかったみたいですね……」
「あぁ……」
「で、でも、この景品を元に戻して他の場所を探してみるのも」
しかし、そのさえの言葉の途中で、別の声が聞こえてきた。イベント終了を告げる、運営の生徒の声だった。
「あ……」
「……まぁいいさ。仕方ない。それより、ほら」
さえの手にキーホルダーを握らせる。彼女はそれを、両手で大事そうに受け取った。
「白柳に似合うよ、きっと。なんなら俺の分もあげようか?」
「あっ、いえ……それは……」
「ん?」
「それ……できれば、御剣さんに持っていてほしいです……」
思いがけない言葉に、なんと返せばいいか束の間戸惑う。
「……あぁ、うん……わかった、持ってるよ」
別に断る理由はない。せっかく見つけた景品なのだから。
別に……ない。
さえはうつむいている。頬が赤らんでいるのは見えるが、表情はよく見えない。
そのさえのうつむく姿を見ながら、自分もはたして今どんな表情をしているのだろうかと、そんなことを刀は思った。
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担当ゲームマスター
北見直弥
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
推理・サスペンス
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月18日
参加申し込みの期限
2012年12月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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