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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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ステージ上ではアトラクションとして、飛び入り歓迎のカラオケ大会が始まっている。
「♪男ォ、ううぅみ(海)だァァァ~! カァツオ(鰹)一本釣りィィィ~!」
絶唱! 血の涙を流しつつ首を激しく左右に振り絶唱! 現在ステージに立っているのは、ご存じサンマさんこと
寝子 サンマ
である。感極まったあまりサンマさんは、後奏ではヘッドバンギングまでかましている。
それにしてもサンマがカツオ一本釣りの歌(ど演歌)というのはどういうことなのだ。
激しすぎる歌だったがちょっと引いた人もいたらしく、拍手はまばらだった。
「ありがとう、あーりがとうー!」
けれども諸手を挙げてこれに応えるサンマさんの姿は健気なのである。
なお、レント・イナホはその数少ない、ちゃんと拍手している観客の一人であったことをここに記しておきたい。
「はいありがとうございました。それでは次は……」
司会者(ボランティア参加の
久保田 美和
)がメモを読み上げる、
「エントリーナンバー3、ユニット名
『仙藤姉妹』
のお二人です!」
「え……姉妹?」
仙藤紫はまばたきした。「出たい」と言って妹がカラオケにエントリーしていたのは知っていたが、なぜ単独ではなく姉妹なのか。
ところが妹こと仙藤蒼はなんのためらいもなく、
「はいはーい」
と言ってステージに駆け上がったのである。
司会が読み上げた曲は、その元メンバーも来ているというのに大胆にも、Sandalphonの初期曲だった。男女混声ながらデュエット構成、あるゲームのテーマソングとしても有名なナンバーだった。
歌い出し(フィンレイ・ランカスターのパート)を難なくこなすと、観客席に座ったままの姉に、蒼はマイクの一本を投げ渡してきた。
「ちょ、ちょっと投げないで……」
と言いながらも危うげなくキャッチして、紫は観念したようにスイッチを入れ、立って女声パート(梨宮愛燈のパート)を歌いはじめた。
蒼はどうやら歌い慣れているようだが、実は紫はこの曲を歌うのは初めてで、何度か聞いたことがあるという程度だった。けれども姉妹ゆえか、いつのまにかぴったり息の合ったパフォーマンスになっている。ディーヴァよろしく歌いながらステージに上がった紫の前で、
「じゃ、景気づけに!」
蒼はくるくると激しいダンスをはじめたのである。往年の梨宮愛燈の動きを完全再現したものに、客席からどよめきと喝采が同時に起こった。紫も慌ててそれに合わせる。恥ずかしさで穴があったら入りたい気持ちだが、ぎこちないなりに踊ってみたら、それなりに楽しかったのも事実だった。
拍手を受けてステージを降りると、姉妹は屋台で休息を取った。
「もう……いきなり歌わされるなんて聞いてないよ」
「だけど面白かったじゃない? 歌って踊って」
ふっと紫は笑ってしまう。この妹にはかなわないな、と思った。
「そうね」
二人の前に運ばれてきたのは熱いおでんだった。こんにゃくもらった~、とおどけてから、蒼はくすっと微笑した。
「お姉ちゃん、これでもう元彼のことは吹っ切れた?」
紫は、二秒ほど黙った。
やがて紫は妹の頭を抱き寄せ、微笑みながらこう返したのである。
「……ありがと」
姉妹でデートするウィークエンドは、こうして終わりを迎えた。
美和の赤いジャケットの胸には『司会者』と白いワッペンが輝いている。
「それではエントリーナンバー6、仲村渠鳴さん、どうぞー!」
鳴は美和、つづいて客席に、おねがいしまーす、とお辞儀してから、備品のアコースティックギターを肩にかけた。
調律はちゃんとされている。自分の楽器ではないから多少勝手は違うが、ちゃんと弾けそうだ。スツールに座って、
「私の出身地、沖縄をイメージして作った曲です。聞いて下さい」
沖縄民謡独特の音階をアルペジオで奏でる。沖縄ではこの時期、もう桜は散ってしまっているが、花を愛する気持ちは同じだ。今はユニット「狛猫」のメンバーでもなく、ソロ歌手「ナル」でもなく、一人の歌好きの女の子として歌った。
歌い終わると恥ずかしそうに一礼して、拍手を浴びながら彼女は、乃木成美のもとに駆け戻ったのである。
「結構緊張しちゃった……でも楽しかった!」
「はい、お疲れ様。やっぱり歌っている時の鳴はキラキラしてて、こっちまでドキドキしたよ」
「またまた~」
「お世辞じゃないって」
成美は歌う鳴を見るのが好きだ。
鳴と成美はステージから離れ、人のまばらな場所にて、桜を見上げつつ弁当を広げた。
「へえ、ここの桜も綺麗……!」
弁当というのはもちろん、成美の作った、桜の園をイメージしたちらし寿司である。
「でもこのお弁当はもっと綺麗、かも」
「ははは、ありがとう」
しばらく黙って箸を進める。
食べながら成美はさりげなく、鳴の様子を観察していた。
彼女は相変わらず、さっそく頬にご飯粒をつけていた。恥ずかしがる癖にちょっと油断しているようだ。けれど、そんな鳴も可愛い。
なるほど、と成美は思った。
好きな人が美味しそうに食べてくれる様子を見るのって、とっても心地いい。
あらかた弁当が片付いたところで、「そうだ!」と鳴が思い出したように言った。
「あ、あたしお菓子作ってきたの……! 沖縄のお菓子でサーターアンダギーっていう……有名だから知ってるかな?」
「うん、沖縄ドーナツなんて呼ばれたりもするね」
「それそれ。ほら、あたしも成美に食べてもらいたく……て……」
しゃべりながら、急にまた、恥ずかしくなるのを鳴は覚えた。さっき、歌い終えたときよりもずっと鼓動が高まっている。
――成美は彼氏なんだ。
突然、そのことを意識してしまったのだ。目の下から頬が全部、熱い。
普通の会話は大丈夫なのに、こうなるともう……まともに成美の顔を見ることができなくなっていた。嬉しいのに胸の内が苦しい。
「どうしたの、急に?」
「な、なんでもないよ……! ほら、せっかく作ったから、食べましょ……」
だけど、と鳴は小声で付け加えた。
「……その、あまり顔、見ないで……」
でもせめて――鳴は決めている。
――せめて「料理すごく美味しかった。ありがとう」くらいは目を見てちゃんと言わなきゃ!
よしっ……!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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