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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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萱草色の着物は、桜と楓の刺繍で彩られている。
帯は、黒地に金糸と焦茶の糸で流水紋と桜の花を入れたもの。
帯留めについては少々迷ったが、屋形船というので雫型にした。
鮮やかにしてあでやか、女物が似合う弥逢遊琳である。
最近ではもう、こうした扮装をすることへの葛藤はあまりない。
船着き場に楚々とたたずむ遊琳に、服部剛は称賛を惜しまなかった。
「ゆーちゃん、なんていうか、その、すごい別嬪さんやなぁ。惚れてまうわ」
「ふふ、ありがとう。服部の羽織も似合ってるよ」
「いやあ、俺なんかまだまだや」
照れくさげに剛は頭をかく。濃紺の着物によろけ縞の羽織、押さえた色調ながら華やかさがあった。軽く着崩しているあたりも若々しい。いずれも遊琳のところから借り受けたものだ。
このとき剛は、やってくる人影に気がついた。
「せーちゃんに花厳も来てくれたんかぁ!」
シグレ・ナイトウォーカー、楢木春彦と連れだって、神嶋征一郎と花厳望春も姿を見せたのである。
「なかば強制参加といった体だけどな……とはいえ会えて嬉しい」
このとき征一郎に、遊琳が手渡した包みがあった。
「ありがとう」
受け取って羽織る。トンビコートと呼ばれるインバネスコートである。ジャケットにカットシャツという征一郎であったがこれを羽織るやたちまち、明治の文豪のような立ち姿へと一変した。
「悪くない」
シグレがそう評した。
「馬子にも衣装、とか言いたいんだろう」
「まさか」
と薄笑みを浮かべるシグレはといえば、桜鼠の袷に鉄紺の羽織という装いだ。
一見落ち着いた色合いでまとめてあるが、羽織の裏地には桜吹雪が舞っている。彼らしい遊び心といえよう。
「みんなカッコいいよな。俺のも弥逢先輩の家で借りたやつだけど、サイズ合うのがなんとかあった、って程度で……」
春彦は恥ずかしげに襟元を押さえるも、シーズンを選ばないグレー基調・小紋柄の着物姿は、上背があるだけあってなかなかの伊達男ぶりだ。
「むしろ気後れするのは俺のほうだよ……」
望春はつい、春彦の背に隠れそうになるのだ。
うわ本当に屋形船だ……! と船を目にしたときは嬉しかったが、たちまち、
しかもみんな結構しっかり目の和装!? 俺浮いてないか? と不安になったのだ。
いや、そもそもこの派手な面子のなかで俺浮いてないか……!?!? という不安まで湧いてきて追い打ちをかける。
かっちり和装するとよそよそしくなりそうだから、と、軽いチョイスをしたことを望春はいささか後悔していた。
Tシャツにチノパンのカジュアルな服装の上から、着物の羽織を着用しただけの簡単な対応をとったのだ。クラスの集合写真撮影時に病欠して、一人別枠で映っているような気分である。
「大丈夫」
ぽんと春彦は望春の背を押した。
「その格好だって悪くないし、それにそもそも、花厳にも先輩がたをびっくりさせる飛び道具があるだろ?」
「飛び道具?」
「ま、後でな」
と言って春彦は全員に呼びかけたのである。
「そろそろ乗りませんかー?」
屋形船はゆっくりと、夕暮れの桜川に滑り出した。
揺れは少ない。なだらかな上下はあるものの、これはむしろ、水上をゆく心地良さだと剛は思う。
「弁当はこれだよ」
食べ盛りの子にひもじい思いはさせられないものね、とお母さんみたいな心境で遊琳がほどいた包みには、ずっしりとした漆塗りの立派な重箱が入っていた。三段重ねの立派なものだ。これが開かれるたびに「おおっ」と皆は声を上げざるを得ない。
「これは見事な……」
征一郎は絶句した。デパートで買ったのかと思ってしまうほど、色とりどりかつ、丁寧に詰められた弁当だったのだ。高校生用ということで唐揚げ天麩羅などパンチの効いた揚げ物が中心だが、手ごねのハンバーグなどの焼き物、しっとりと仕上げた鯛の煮物、やわらかそうなローストビーフなどにも、目と胃袋を引きつけるものがある。春らしい黄色の伊達巻き、桃色のかまぼこに混じって、若草色のアスパラや濃いグリーンの山菜が添えられているのも嬉しい。しかもいずれも量が多いのだ! これならまず、食いっぱぐれることはあるまい。
「弥逢先輩の料理すごっ!」
しかし望春の驚きはこれで終わらなかった。
「粗茶ですが……というのがこういう場合の礼儀かもしれないが、とっておきのものを用意した、と正直に言わせてもらおう」
シグレがさまざまな茶器に、各人の好みに応じた茶を注いでゆく。しかも花弁を浮かべるという趣向付きだ。
「シグレ先輩の茶器はなんというか、さすがというか……」
これだけのものを見せられて、望春は身を小さくしてしまう。
お、俺いろいろと大丈夫なんだろうか――。
服装にしろ、弁当、茶にしろ、彼らの『本気』度が伝わってきて、生半可な覚悟で来たように思えてならない。
その気持ちを見透かしたのか、
「安心しろって」
春彦が小声で告げてくれる。
「さあ、花厳の番だぞ。飛び道具」
「だからその飛び道具って……?」
「俺は1.5ペットのジュースくらいしか持参してないんすけど……花厳は菓子を作ってきてくれました!」
さ、ご披露ご披露、と春彦がつつくので、おずおずと望春は自分の荷を解いた。
「ええと、鈴カステラをたくさん作ってきました。これはプレーンとチョコ掛けの2種類ですんでお好きなほうを……」
きれいな球形の鈴カステラが、まさしく鈴が鳴るようにころころと姿を見せた。可愛らしく形がととのっていて、二種いずれも甘そうである。焼き目にはまったくムラがなかった。
なるほどたしかに『飛び道具』、思わぬ菓子の登場に、またもや場は賑わうのだった。
「おお! キュートやなぁ……! 食べるの勿体ないくらいや!」
剛はとりわけ喜んだようだ。さらに望春は、ここでもうひとつの菓子を披露する。
「お花見らしく桜餅を人数分用意してます……桜餅っていうと俺は道明寺なんだけど、長命寺派の人もいますか……?」
いわゆる関西風と関東風の違いである。まんじゅうのような形で、つぶつぶしたもち米の食感があるものを道明寺、クレープ状の姿をしたものを長命寺と呼ぶ。いずれもふんわり目に優しい桜色をしていて、塩漬けにした桜の葉でくるんでいるあたりは同じだ。
今回望春が用意したのは両方だ。関西風桜餅つまり道明寺風、そして関東風の長命寺風が一揃いずつ、ちょこんときれいに並んでいた。
「当然僕は道明寺派だね。というか、どうしても長命寺には慣れないよ。味は長命寺もいいけどね」
「せやな! こっちでないと物足りんわ~!」
京生まれの遊琳と剛はいずれも道明寺を支持した。ここで、
「あれ、みんな出身どこだっけ?」
ふと望春がつぶやいたことで、出身地話、桜餅の形状話に花が咲く。
――喜んでもらえたみたい……。
ほっと望春は息をついた。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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