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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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畑生言嗣がオールを漕ぐと、ボートは悠然と川面を滑利始めた。
本当にいい天気となったな、と楽しげだった浮舟久雨が、ここで思わず腰を浮かせていた。
「おお……! 見ろ、言嗣! 満開だ! ふふっ、春が来たな!」
流れてくる緋色は、すべて桜の花弁であった。流れ来て流れ去る。去る一方でまた新しい花が、音も立てずに降ってくる。
「そうだね、綺麗なものだ。久雨君の笑顔も満開と言ったところだね」
万葉歌人のように素直にそう返しながらも、すでに言嗣はこらえきれなくなっている。
彼はもう、久雨を愛おしく思う気持ちで気絶しそうだった。
意識を飛ばさないためには行動を起こすほかない!
自制心ははるか千里に吹き飛んだ。次の瞬間には、言嗣は久雨を抱きすくめていた。
久雨が驚かないはずがない。
「
なっ!?
うお、揺れ……!」
とっさに縁に手を付いて支えたからよかったものの、危うく彼女は彼もろとも、無理心中よろしく入水するところだった。
「貴様、落ちたらどうする! ここはボートの上だ! 真面目にせんか!」
「ははは、すまない。つい悪戯したくなってね」
笑いながらも言嗣は彼女から手を離さない。
春風は良いものだ。春の匂いがするから。
けれどもそれよりもずっと、久雨の甘い香りに溺れていたいと言嗣は思った。
しかし至福の時はそれほど長く続かない。タンスに貼られたシールを剥がすようにして、久雨が言嗣をひっぺがしたからだ。
まったく、と鼻息ひとつして久雨は言った。
「……貸せ。戻るぞ、岸まで私が漕ぐ」
立ち上がって、言嗣のいた場所に彼女は収まる。オールを手にして、見様見真似で漕ぎ出した。
「ではよろしく頼むよ」
惜しむ気持ちはあれ、言嗣も肩をすくめてそう述べるしかなかった。
ところが立ち泳ぎでもしているような格好で、舟は一向に進まず、ずっとその場にとどまるのみだった。そればかりかゆっくりと回転さえしている。久雨がボートに慣れていないのもあるが、それ以上に焦っているせいだろう。
「むう。どうすれば上手く行く?」
ボートに悪戦苦闘する久雨を見物しているのも心ときめく経験だったとはいえ、意地悪するのも良くなかろう。そう考えて言嗣は立ち上がった。
「では、私が教えようかね」
彼は身を久雨の背に滑りこませると、文字通り手取り足取り、手を握ってオールを漕ぎ始めたのである。
「言嗣、これは……わざとやっているのか……?」
背中と手に否応なく言嗣の体温を感じて、またも久雨の動悸は速まった。
「いや、私は至極真面目だが」
と言葉は立派だが、言嗣はわざと久雨の耳に唇を寄せ、囁くように告げている。
「ま、真面目とは思えん……っ!」
「だったらいつまでも私たちは岸に帰れないよ」
「そんなわけには……!」
久雨はあえぐような声になっていた。
顔が火照るのがわかる。
手に力が入らない。
彼の顔を見られない。
そのまま久雨は、何を言われてもうつむき押し黙ったままで、彼の軽口に返事をする余裕もなくしていた。
胸が、つぶされそうなほどに痛かった。
気がついたときには、ボートは岸についていた。
楽しい時間はあっという間だね、息をついて言嗣は、
「大丈夫かね? だがよく頑張ったよ」
久雨の半身をこちらに向かせた。
彼女は茹でられたようになっている。顔はずいぶんと赤いし、目も潤んでいるではないか。
「悪戯も大概にしてくれ……」
「ふふっ、すまない。だが――」
なおも何か言おうとする言嗣を遮って、久雨は彼の心臓の辺りを指でそっと触れた。
「どうにか、なってしまう」
これは久雨なりの抗議声明だった。少なくとも、そのつもりだ。
だが「ふむ」と言うや、言嗣はすべて理解できたとばかりにうなずいたのである。
「なに、私も少々どうにかなってしまいそうでね……ついては久雨君におさめてもらおうと――」
太陽の下であろうと構わない。言嗣は彼女に覆い被さった。
「おい待て言嗣、何をしている!? きさっ、私の話を……言嗣! 言嗣!?」
至福の時はまだ、もうしばらく続きそうだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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