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賽の目の憂鬱
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旧市街から寮のあるシーサイドタウン方面へ。
本屋に寄った帰り道、
綾辻 綾花
はバスに乗っていた。
タクシーとは違って彼女が乗り込んでからも、シーサイドタウンまで幾つかの停留所でバスは何度も止まる。
人はバスに乗り、降りていく。
バスの中ほどで手すりを掴み立っていた綾花は、車内アナウンスが目的地を告げるまで、そんな人の流れをぼんやりと眺めていたが、ドアが閉まる寸前に人に混ざって飛び乗ってきた珍客に目を丸くした。
真横で起こったそれに、「あ」と声が漏れるが時既に遅く、ドアは閉まってしまった。そして珍客に気づかないままバスが発車する。
ひょいっと身軽に飛び込んできた珍客は突然に揺れた車内に驚き、たたらを踏んで綾花の傍へと転がった。ころんと一回転し起き上がるのを待ってから、
「こんにちは」他の乗客の目を気にして小さく挨拶を送ってみる綾花の顔を黒白と毛色のはっきりとした猫は見仰ぎ、すぐに視線を逸らした。愛想の無さに綾花は野良にゃんこかなと首を傾げる。
「って駄目だよ」
突然猫ぱんちを繰り出され、綾花は反射的に猫の前に掌を広げた。
標的にされたのは綾花のバックに付けられているサンマさんキーホルダー。
遮る綾花に猫は「にゃお」と鳴き、前脚を挙げて手繰り寄せるような仕草をしている。そんな様子がその手が邪魔なんだ、自分はそのキーホルダーに触りたいんだと訴えているように見えて、綾花は合点がいく。
「もしかしてバスに乗ったのはこれが目当て?」
確かに愛着が湧くようなデフォルメをされているが、確かにモチーフ的には美味しそうではある。
軽く両肩を竦めた。苦笑する。
「食べれないよ」
攻撃されたわけではないとわかり、綾花はサンマさんキーホルダーを猫の前に持っていく。もう片方の手で、指先で突いて音を出し、それが食品でないことを証す。
ほらね、食べ物はこんな音は出せない。ごめんね諦めてねと諭そうするも、猫は前脚でキーホルダーを突き、手繰り寄せ、食べようとする。つるつるとした表面でサンマさんキーホルダーはかすめる猫の手を躱し続けて、逆に猫を翻弄している。
立場が入れ替わってキーホルダーに遊ばれている猫の必死さが伝わり、綾花はほっこりとした気持ちになって思わず微笑んだ。
と。ここでようやくサンマさんが食べられないことに気づいたのか、猫はキーホルダーから唐突に興味を失い、ドアの前へとひと跳ねした。ただ残念ながらバスは走行中でピタリと閉められたドアが猫一匹の為に開くことはない。
「開かないよ」と綾花が宥めても猫は外に出たいらしく「にゃーにゃー」と鳴き始め、その大きさに車内がざわめき出した。その切ない鳴き声にリアクションもないが、運転手も猫の存在に気づいているだろう。
注目を浴び始め、暴れる前にと持ち歩いている煮干しを取り出した綾花は爪を立てて脱出を試みだした猫に分け与えて落ち着くようにその背中を撫で宥める。
「降りたいのね。次で降りようか」
煮干しを食べ終えるのを待ってから綾花は猫を膝に乗せて、降車ボタンを押したのだった。
降車した場所は予定を繰り上げた為まだ旧市街側だった。事情が事情なので仕方ないと諦め半分で日が暮れる前に帰れればいいと気分を切り替える。
バス停に立つ綾花は、ふんふんと周囲の匂いを嗅ぎ回り耳や髭をピンと張り詰めて警戒する猫に、傍にいるから大丈夫と黒白の毛並みを撫で梳いて、とんとんと柔らかい体を軽く叩いて揺する。
「にゃー」と不安そうに擦り寄られて綾花は静かに歩き出した。
「乗ってきたところまで一緒に戻ろうね」
言葉が通じたのか、柔らかい綾花の胸の感触に安堵を覚えたのか、帰ろうというぬくもりに安らぎを感じてくれたのか、猫は伸ばした首を戻し、丸まった。
猫と歩く午後のひととき。
咲く桜の下、途中に出くわす猫と挨拶を交わしながら綾花は歩いて行く。
その胸に抱く猫の為に。
乗ってきた場所に近づくと猫は、抱えてた綾花の手から飛び出しすたすたと歩きはじめた。
「お名前、聞いてなかったね」
恩人にも素っ気ない態度の後ろ姿に寂しく呟いた綾花の声が聞こえたのか、黒白猫は振り返った。
「にゃおん」と振り向いて嬉しそうに鳴き、駆けて、そして消える。
束の間の一瞬。
綾花は、笑った。
「今度はサンマさんに釣られてもバスには乗らないようにね」
バイバイと別れを告げる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月27日
参加申し込みの期限
2017年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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