this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
賽の目の憂鬱
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
14
つぎへ >>
三月下旬。春のうららかな日差しの下、旧市街に在る自宅を出てのんびりと散歩を楽しんでいるのは
仙藤 紫
と
仙藤 蒼
の姉妹二人だ。
散歩というだけあって特に目的地も予定もないので、気の向くままに歩いているといつの間にか寝子島漁港まで足を運んでいた。
「海まで来ちゃったね」
澄んだ海の青と波音を背景に一歩先を歩いていた蒼が姉に振り返る。浜風に靡く長い髪を片手で押さえつけながら紫が妹の言葉に足を止めて漁港を一望した。
「そうね」
「天気が良いからかな」
海までの距離が苦にならない。明るい妹の素直さに紫は大人びた表情を崩さず僅かに目を伏せる。頬に浮かぶ睫毛の影は瞼が持ち上がったことですぐに消えた。
「良い天気ね」
同意する姉の横に妹は並ぶ。
「でも風は冷たいね。ふふ、一枚多めに持ってきてよかった」
どちらともなく散歩に出かけようと言い出し、何かを気にする紫に蒼は手荷物になるが上着を持っていこうと提案していたのだ。ただ蒼は携えているもののまだ着るつもりもないようである。
「蒼は寒い?」
「ちょーとだけ寒いけど……あ」
と、連想ゲームのように蒼は思い出す。静かに蒼が言い出すまで待つ紫に彼女はくすくすと笑った。
「どうしたの?」
「大したことじゃないけど、小さい頃の事、思い出しちゃった」
沿岸の道を二人並んで歩き出す。
「小さい頃の?」
鸚鵡(おうむ)返しに聞き返す紫に「そうそう」と蒼は思い出してよと言わんばかりに話を進める。
二人が小さい頃、姉妹揃って遊んでいる中、蒼のかくれんぼ先が冷凍倉庫であり、諸々の偶然からあわや閉じ込められそうになって大人たちに大目玉を食らった事件が昔にあった。
聞き役に徹する紫が「そういうこともあったわね」と相づちを打つと、
「ね。あの時は流石に寒かったかな」と蒼は頷く。紫の「寒い?」と聞く表情が、冷凍倉庫での一騒動で体を冷やし青くなる蒼を心配してくれた時のそれにそっくりと同じだった。
直下数日前、紫との関係を悪い方に考えてしまいほんのちょっぴりやさぐれ感を残していた蒼は小さく「なんか懐かしいな」と囁いた。冷凍倉庫の一件以外にも姉妹の楽しい思い出は詰まっていて、一気にそれが放出されると言葉が無い。気持ちも複雑で見つけられない。
「お昼も近いし、少し休んで家に帰りましょう」
そんな蒼の助け舟を出すかのように紫が提案する。
二人共体力が有るものの流石の距離なので来た道を折り返すにも小休止欲しい所だった。
なので姉の提案に妹は二つ返事で了承した。お腹も空いたしね。
「どこか休める場所は……あら、猫?」
休憩所を探し視線を右から左へ流す中、耳に届いた鳴き声に紫は反射的にそちらへと顔を向ける。すると待ってましたとばかりに灰白の子猫が鳴きながらとてとて紫へ向かってくるではないか。さらには抱っこしてと言わんばかりに足元に擦り寄るので紫は思わず子猫を抱き上げる。
「かわいい……」
自然と子猫を撫でて可愛がる頭上で、雲行きが突如怪しくなり、
不意に消失した陽光に気づき紫が眉根を寄せるよりも早く、豪雨が彼女達を含めた周囲一帯を襲う。
「……え? いきなり雨……ゲリラ豪雨なの?」
突然強かに全身を打つ雨に紫の戸惑いは強く、胸の中の子猫が「にゃぁ」と鳴いた。その一鳴きで我に返った紫は避難すべく物陰を探す。
見つけて駆け出そうとする紫の耳に、
「お姉ちゃん、助けて!」
蒼の大声が突き刺さった。
「どうしたの!」
飛沫に灰色に烟(けぶ)る視界。どうしたのかと目を細め妹の姿を探す紫を「お姉ちゃんこっち!」と蒼は雨音に掻き消されるもんかと声を張って導く。
声が聞える方向に走ると蒼は投網が纏められている一角で蹲っているようだった。駆け寄って、砂地に膝を付く。
「お姉ちゃん、手伝って……」
蒼が縋るように紫を仰ぎ、自ら雨除けになって保護しようとしている靴下柄の猫を姉に見せた。
しかも投網に絡まってただ激しく鳴いて暴れている。
「大変……!」
呻く紫に「お願い」と蒼は願う。
紫が灰白の子猫に気づいたのと同時に、蒼も別の猫の鳴き声を聞いていた。
猫の多い島だからあちらこちらに生息していて漁師道具で遊んでいるのも見慣れた光景と言えば光景だったが、投網の山に見事なダイブを決め込んだ猫がすぐに顔を出さないとなれば網に絡まったということで「大変、助けなきゃ……」と最悪を想像して蒼は駆けつけたのだ。
細い糸の怖さは色々と聞いている。
暴れないで欲しいと頼むも豪雨の襲来に猫は完全にパニックを起こしてしまった。絡まる糸をひとつひとつ解こうにも一人では、猫の苦しそうな呼吸を聞きながら濡れた指での作業は気持ちだけが逸ってあまりに難航してしまい、蒼は困り果てて紫を呼んだ次第であった。
多少強引になってしまうことに「ごめんね」と蒼は謝り、早さを優先する。
一人では無理でも二人なら。ましてふたりとも集中力の高いとなれば猫の救出劇はまさに劇的だった。
「もう少しだよ、がんばって」
応援する蒼に猫の体勢を変えるよう指示する紫。
一瞬とはいえ暴れたが故に難解なパズルと化したそれから猫を救出するにはそれなりに時間がかかった。
姉妹二人、びしょ濡れになりながら作業を進める。黙々として、世界を強かに打つ雨音だけが全てを支配していた。
「やった……!」
最後の絡みをほどくと、蒼は喜び、
「よかったわね」
猫に助けの手を差し伸べる妹に紫は安堵の表情を浮かべる。
「雨……」
靴下柄の猫を持ち上げた蒼が呟くと、
「……止んだわね」
灰白子猫を抱く紫が気持ちは同じと首肯する。
投網から猫が解放されるのと、雲間から光が差し込み始めたのはほぼ同時だったのだ。
…※…
濡れたままではまずいと判断し、二匹の猫と別れを告げた後、ふたりは杜の湯へと直行した。
二人並べば美人美少女で豪雨に濡れて三割増の魅力も、湯船に浸かる様には負けるのか。白い柔肌をほんのり桃色に染めてのリラックスタイム。自然体であるのが健康的で健全で綺麗だ。
「それでね、その大会なんだけど――」
蒼が話して、紫が頷く。
主な話題は先日秋葉原でのゲーム大会の内容だが、蒼は意外にもゲーム以外での知識も豊富で時には紫を驚かせもした。
笑いあったり呆れられたりしつつ、それなりに充実した時間を過ごし、冷えた体が芯まであたたまった頃、今度こそ姉妹は家に帰るのだった。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
賽の目の憂鬱
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月27日
参加申し込みの期限
2017年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!