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賽の目の憂鬱
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たまたまだ。
散歩途中で橋を渡る
佐藤 英二
が何気なく視線を流した先で、送水管の上を駆ける猫がつるっとその足を滑らせたのは本当にたまたまだった。
目の前から茶トラの色が残像だけ残して消えた。
あまりに華麗なほどにも綺麗な転落に声を失った英二は、真下から聞こえた水音で我に返った。
「あの猫、いきなり川に落ちたよ!?」
そんな英二に驚きは至極もっともである。
慌てて川下側の欄干へと飛びつき、状況を確認しようと身を乗り出だした。
幸いにも川は大きくなければ激流にも程遠い。猫が命の危機に曝されパニックにか泳ぎがめちゃくちゃなのが妙に気にかかった英二は、周囲の環境に得心に吐息した。
「そうか、岸が無いのか」
ここ一辺は河川工事で岸壁になっていておいそれとは上陸できない。
激しくなくとも川なので水の流れもある。いつまでもその場に留まれない。むしろ上陸できる川岸まで流れに身を任せるという方法もなくはないが、猫の慌て様を見るに体力が先に尽きてしまうだろう。必死の努力は時に消耗だけを促すのだ。
時間が無い。
しかしながら時間帯が悪かった。この辺りの人通りはぱったりと無くなるのだ。
「周りには僕しかいないし……何とかして助けてあげないと」
呟く英二の頬には焦りを表すかのように一筋の汗が流れた。「うし」と気合を入れて、欄干をぐっと両手で握りしめる。
「待ってて!」
声を残して、欄干から手を放した英二は駆けだした。
他人の援助が望めない現状では、身ひとつで飛び込むには岸壁の高さに不安を覚えてしまう。
ひとりで溺れる猫をどうにかアシストするには道具が必要だと直感が訴えている。それには賛成だ。人の腕の長さなど高が知れているし、救命側の安全も確保しなければ救助も本末転倒になるだろう。
途中でホームセンターの前を通りかかったという新しい記憶に促されたのも理由のひとつだった。周囲には道具になりそうなものは無い。探すより買うのが考えるよりも断然早い。
ダッシュで突貫とばかりに駆け込んで、購入品をレジ袋に入れるのももどかしくサッカー台に広げ、包装を引きちぎって中身を出す。物干し竿に虫取り網を布ガムテープ(限られた予算で厳選した三点である)で濡れることも考慮してぐるぐるに厚手に巻き固定させたものを作成した。
ごみはポケットに押し込んで橋へとダッシュで取って返す。
「猫は!」
先ほどと同じく欄干に飛びついて身を乗り出した英二は水面に視線を走らせた。
「良かった、まだ無事みたい」
川下へと流され少しばかり遠くなった猫の姿を見つけ、ホッと安堵した英二は、近道になると地元の人が通ってちょっとした小道になった川沿いを走り、猫と同位置になったのを確認してから転落防止の柵を超える。
即席のロングな網付き竿を両手で掴み、自分の安全を確信してから水面に網を沈めた。
「うん、上手くいきそう」
急ごしらえだったので防水未加工で強度に自信を持てなかったが実用には耐えてくれそうだし、距離は十分と届いてくれた。
「落ち着いて、落ち着いて」
驚かさないように声をかけつつ、猫の真下へと網を移動させ位置を調節する。
「僕は助けたいだけだ。驚かせるかもしれないけど、いじめるつもりは無いから、暴れないでくれるとこちらも助かる」
苦手だろう水に充分に浸かって心なしか疲労の色さえ滲んでいる猫の表情が英二の訴えに反応するかのように動いた。
眼が合った気がする。
「せーの、で。持ち上げるから」
動物との意思の疎通は可能だろうか。
それとも猫ですら溺れていれば藁にでも縋り付くのだろうか。
英二が助けの手を差し伸べていることを察しでもしたのだろうか。
ただ、英二には、茶トラからパニックが消えたように見えた。
そしてその瞬間がチャンスであった。
「――せーの!」
水を吸った毛は想像よりも重くずっしりとした手応えを英二に課した。そのまま掬った魚の如く持ち上げるのは危険と判断して、網の中に猫を入れたままこちら側に手繰り寄せるように引き寄せた。
最難関は川から岸への引き上げだったが、そこはほぼ即席ロング竿の強度に賭ける他なかったものの、なんとか折れず剥がれずにすみ、無事救出と相成った。
「びしょ濡れだ」
濡れた毛が体表にくっついて元の体型が顕になった茶トラに英二は大事に至らずよかった、ひと安心だと充足感に頷いた。
相手が野良のようなのでそれ以上は触らず、竿を軽く振って水気を飛ばしならが、
「今度から送水管を渡るときは気をつけた方が良いよ」
英二が忠告すると猫は彼の顔を見上げ眼を背けるとその場で毛づくろいを始めた。
懐かれるには理由は薄く、野性味溢れる風体から懐きやすいというわけでもないだろう。ただ逃げ出す気配もなかった。
「ま。日当たりもいいしね」
体が乾くまで英二は一人と一匹、束の間の時間を過ごし、予定外の買い物を手に帰路につく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月27日
参加申し込みの期限
2017年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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