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賽の目の憂鬱
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それはいつもの様に一日が終わるかと思えた日。
図書館から自宅に自転車で帰る時に通りかかる途中で。
夕方が近い町並みを春めく風を全身に受けて爽快と快走する中、遠くに見える送水管の上で動く影に
八神 修
は気づいた。
「器用だな」
渡ろうとした橋の横で並列に設置された送水管。その向こうから、っとっとっと、と軽快な足取りで送水管を渡る茶トラに、こっちに来るのかなと自転車のブレーキを引いて止まった。
「家に帰るところかい?」
そんな危ない橋(ルート)を渡って。
好奇心の強い子供だろうか。危険な冒険のあとは母親に甘えながら眠りにつくのだろうか。そんな想像にほっこりと心を擽られ、つい見守る心境になり、修は茶トラの姿を静かに眺めやった。
驚かせないように身じろぎ一つしない修と、送水管の半ば辺りで要領を掴み余裕ができ前を見た茶トラと、ひとりと一匹の目が合った。
「お」と修から声が漏れた。修を発見した猫は一旦その場で立ち止まってから、今度は修から視線を外さないまま駆けだしたのだ。送水管は一本橋だが修という目標を得てまっすぐと向かってくる、そんな猫の様子に彼は苦笑する。
「待っているから焦らずおいで」なんて心配が声に出たのは猫があまりにひたむきな眼差しで疾走(はし)ってくるからだ。
一見野良のようだが人慣れしているのだろう。これは何かおねだりされるかもしれないと予感する修は、猫が送水管を渡り切った暁には鞄の中に常に潜ませているオヤツササミを提供しようと密やかに決めた。
きっと喜んでくれる。そんな楽しみに浸る修の目は、刹那大きく見開かれた。
「猫がッ!」
修が状況を把握したのと同時に、ど派手な水音が橋の下で水飛沫を飛ばしながら猫を飲み込んだ。
猫が送水管から落ちた。
その一瞬の落下は修の目にはっきりと焼き付いている。不意に訪れた理不尽に状況を理解できずきょとんとした猫の目が嫌に印象的で、修は咄嗟に腕を伸ばす。
届かないとわかっていたが、それ以上に愕然としたのはその速さが遅かったことだった。
緊急事態で過剰に集中する感覚のせいで、実際は一瞬だというのに酷く遅く見えて不可能なのに可能だと錯覚したのだ。更に言えばこんな時にまで冷静に分析しようとする自分にも嫌気がさす。
そんな場合ではない。考えるよりも動け!
修は跨いでいた自転車から蹴倒すままに離れ、鞄を道端に投げ捨て、川へと駆け寄った勢いのままひらりと転落防止用の柵を飛び越える。溺れ下流に流される猫から目を離さずに川沿いを並走する修は棒などの長物、それか板状の何かがないかと周囲を見やるが、希望に沿った理想的な道具は見つからない。
ならば、やることはひとつだ。
意思が決まれば、決断も早い。
地を蹴った修の体は川へと吸い寄せられる。
修は考えなしではない。どうすれば最良かを追求した結果だ。
自分がびしょ濡れになるだけで猫一匹助けられるのなら安いも安い。
一泳ぎで猫に追い付くと暴れる猫を抱き、楽な体勢を取らせ、岸へと戻る。
「川に落ちたからな。ちょっと付き合ってくれ」
言って、水に濡れ見事に激ヤセした猫を上着で包んだ。自転車の前籠に乗せる。
有事の際時間を確認する癖で時計に視線を落とし、修は通い慣れた動物病院の診療時間内に間に合うだろうかと、最短ルートを選び自転車のペダルを漕ぐ。
…※…
オレンジ動物病院。
見慣れた院内で診察を待つひとりと一匹。
「暖かくして乾かして……って、俺もか」
借りたタオルで猫を拭く修はうっかり自分の事を忘れていた。通りでタオルを二枚渡されたわけだ。
「ササミ食べるか?」
自分の頭をタオルで拭きながら聞いてみる。反応は「にゃお」と鳴くだけ。「怖かったもんな」と宥めては、ふと修の表情は翳る。先生とも話たが茶トラは野良の可能性が高いそうだ。
「もうこれ以上猫を増やすつもりは無いんだ。
ごめんな。里親を探してやるからさ」
上着越しに猫を撫でる修の手が自然と止まる。
猫の眼は、
何故こうも純粋なのだろう。
何故こうも素直な色で訴えかけてくるのだろう。
ごめんな、と音もなく修は詫る。
「……俺は――」
独白めいた修の声は、茶トラが診察に呼ばれたことで中断されたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月27日
参加申し込みの期限
2017年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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