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【修了式】ラストスパートは華やかに
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一年三組
黒い流れとなって生徒達が講堂から移動を始める。大半は教室のある南校舎に向かった。数人が勢いよく飛び出し、北校舎へと走る。
「あれって俺のクラスの連中だろ?」
卯木 衛
は遠ざかる背中に目を向けた。
――どこに行くつもりだ? 今日でクラスも終わりだっていうのに。
ポンと軽く肩を叩かれた。衛は横手に目をやった。同じクラスの
鴻上 彰尋
が爽やかな笑顔で話し掛ける。
「卯木君、急いだ方がいい」
「急ぐってどこにだよ」
「聞いてなかったのか? 今日でクラスが最後だから、皆で白沢先生にプレゼントを渡すんだよ」
「先生に贈り物?」
初めて聞いたという風に衛は疑問で返す。
「そうだ。家庭科室でビスケットを焼いて、チョコペンのメッセージも入れる。それと花束も作る予定になっている」
話を聞いた途端、衛はやる気を見せた。
「いいな、それ! もちろん、俺も喜んで手伝うぞ!」
「助かるよ」
二人は揃って北校舎へと急いだ。
家庭科室
室内に甘い香りが漂う。軽やかな音と共にビスケットが焼き上がった。出来上がりを目にした
雨崎 荒太郎
は納得の笑顔を見せた。ミトンを嵌めた手で素早く取り出し、別の皿で冷ましていく。
「ビスケットが焼き上がったよ~。チョコペンでメッセージを書いていってねー」
「お、ホンマに美味そうにできてるやん」
持参したリボンを整理していた
四野辺 蘭月
がいそいそとやってきた。ずらりと並んだビスケットを眺める。
「ええ感じやけど、味はどうなんやろ」
一つを摘まんで口の中に放り込む。乾いた音をさせて笑顔で食べる。目にした
御崎 朱鳥
が早足で突っ込んできた。
「摘まみ食いしてたら、時間がなくなるわよ」
「ちゃうって。さっきのビスケットな、ちょっと焦げとってん。それに白沢先生にプレゼントするんやから、味も大事やろ? ほら、見てみ。これも薄っすら焦げとるで」
蘭月が指差したビスケットは確かに端の方が焦げていた。朱鳥は荒太郎の方に目を向ける。柔らかい笑みを浮かべていた。
「確かに味も大切よね」
一つを摘まんで口に入れる。小気味いい音が口中で弾けた。黙ってはいても、その笑みで味は保証された。
荒太郎は次の生地をオーブンに収める。
「どんどん焼いていくからね~」
ドアが開いて彰尋と衛が入ってきた。
衛は大きく息を吸い込んだ。
「良い匂いがするぜ!」
見つけたビスケットに駆け寄る。
彰尋は荒太郎の方を向いた。
「少し遅れたみたいだ」
「まだまだ時間はあるし、平気だよ~」
「俺も何か手伝おうか」
制服の袖を捲り上げる。
「じゃあ、生地作りをお願いしようかな~。材料は台にあるよ。ボールとトレイは棚だねー」
「わかった。焼き菓子が得意という訳ではないが、弟妹達に鍛えられているからな。安心して欲しい」
「うん、よろしくね~」
彰尋は手を洗った。湿り気をよく拭き取って作業に入る。
間もなくして部屋に別の甘いに香りが笑顔と共に舞い込んだ。
「綺麗なお花を持ってきたのです!」
椿 美咲紀
は胸に大量の花を抱えていた。少し仰け反るような姿で空いていた台に乗せた。待ち侘びたという風に蘭月が駆け寄る。
「椿ちゃん、張り切ってるやん。あたしもラッピング用のリボンをぎょーさん持ってきたで」
「助かるのです。時間が迫っているので、猛スピードで花束を作っていくのです」
「その量も驚きだけど、種類も豊富にあるわね」
朱鳥が感心したような声で置かれた花々に目を注ぐ。美咲紀は機嫌よく解説役を買って出た。
「薔薇は三種類、用意したのです。こちらのピンクとオレンジ。白もあるのです。主役を彩る名脇役にガーベラとダリアも用意したのです」
「なるほど、この白くて可愛らしい花は?」
「これはカスミ草です。白沢先生のふんわりとした包み込むような母性愛を表現しようと思っています、はい」
「話を聞くだけで、頭の中に完成した花束が浮かんでくるね」
「せやね。それらにお似合いのリボンも用意せな。テーマからすると白系のリボンが良さそうや」
蘭月は早速、リボンの選定に入った。美咲紀は花束の形に整えていく。全体を見ていた朱鳥が配色について意見した。
三人の共同作業を経て花束は完成した。
蘭月は顔を引いて全体を見る。
「見栄えが最高やね」
「四野辺さんのリボンが映えるのです」
「白沢先生の喜ぶ姿が目に浮かぶわ」
朱鳥の一言が二人の胸にじんわりと沁みていく。
見計らったようなタイミングで荒太郎が全員に呼び掛ける。
「ビスケットの用意ができたから、チョコペンでメッセージを書いていってねー」
事前に用意されたペンを各々が手に取る。早々と書き始める者がいた。思い悩む者もいる。
荒太郎もペンを取った。ビスケットを見下ろして呟く。
「ダイエット応援、でいいかな?」
居合わせた女子達は揃って不満を口にした。だよね~、と本人は柔らかく返して別の言葉を考える。名文が思い浮かんだのか。ビスケットに手早く文字を書き込んだ。出来栄えに軽く頷いて見せる。
「あーやっぱり、『健康一番!』だねー。まー、先生は今のままでも十分、健康そうなんだけどねー」
「私は料理が得意な白沢先生のレシピの秘密がもっと知りたいのです」
美咲紀の思いはメッセージに込められた。『美味レシピ! もっと!』と。隅の方には自身の名前まで書き添えていた。
「あたしは直球勝負でいくで」
蘭月は力強い文字で書く。隣にいた朱鳥がそれとなく口にした。
「確かに『家庭科は大事!』は見事なストレートよね。私も自分に正直になって書いてみようかな」
ビスケットの表面、一杯に文字を書いていく。字が潰れないように用事して最後まで続けた。
「これでいいわ」
「シンプルだけど、それ、いいな!」
正面にいた衛が覗き込む姿で言った。そう、と少し照れた顔で返した。ビスケットには『先生、一年間ありがとうございました!』と書かれていた。
衛は自身の物と向き合う。口を尖らせた状態で頭を上下に動かした。
「こう、見た瞬間にビシッてくるようなメッセージが、どうにも思いつかねえんだよなあ。ありがとございました、でもいいんだけど、もう他がやってるし……」
「文字が苦手なら絵にしたらどうだ、こんな風に」
衛の横にいた彰尋が自作を指差す。猫や兎が描かれていた。
「その手があったか! 俺、こう見えてもウサギは得意なんだぜ。バレンタインデーの時には
ウサギ型のチョコレート
を作ったし!」
勢い付いた様子でチョコペンを走らせる。
「どうだ、なかなかのもんだろ!」
「どれどれ」
蘭月が上体を倒して現物を目にする。顔を横に傾けて、これ、なんやの? と聞いた。
衛は誇らしげな顔で言った。
「決まってんだろ! ウサギだぜ!」
「どこがウサギやねん! こんなんおったら珍獣ハンターに狙われるわ!」
切れのあるツッコミのあと、バリバリとビスケットは食べられた。
「……なんでだよ。可愛いじゃねえか」
衛は不平を漏らす。新たなビスケットに感謝の言葉を書いていった。
全員が全てを遣り終えた。一斉に家庭科室を飛び出していった。
一年三組の教室に全員が雪崩れ込む。担任の
白沢 絢子
の姿はなかった。安堵の言葉を漏らし、各々の席に着いた。
間もなくしてドアが開く。柔らかい笑みを浮かべて
白沢 絢子
が教室に入ってきた。
「少し待たせてしまったかしら」
「そんなことはありません。時間通りです」
朱鳥は何事もなかったかのように返した。
衛は頭の後ろで手を組み、天井を見るようにして言った。
「もっと遅かったら、俺のウサギも大活躍できたんだけどなあ」
「ネタばらしが早いわ」
横合いから蘭月が声を飛ばす。
「間に合ったみたいですね」
絢子は生徒の遣り取りに微笑み、教卓の前に立った。耳に心地よい声が流れてくる。一時の騒々しさは自然と消えて全員が姿勢を正して前を見る。
鈴原 天音
も話に耳を傾けていた。好きな音楽を聴いているかのように頭が左右に揺れる。頭頂から飛び出た髪が気持ちよく同調した。
――これが最後のホームルームかぁ。
クリッとした青い瞳を周囲に向ける。先程まで家庭科室で一緒にいた生徒達も担任の話に聞き入っていた。
――このメンバーで過ごすのも今日が最後なんだよ……。
あれ、なんか急に悲しくなってきたんだよ! そんな湿っぽいのは似合わないんだよ!
天音は自身の頬を挟むようにして軽く叩いた。その姿を目撃した荒太郎が、そっと声を掛ける。
「天音ちゃん、もしかして眠くなった~」
「そんなことないんだよ。大丈夫だよ」
「最後のホームルームだからねー」
温かい声音に天音は元気な笑顔で八重歯を見せた。
――どういう気持ちになっても今日が最後なんだよ。だから、その思いをいっぱい詰めてビスケットに書いたんだよ。表だけじゃ足りなくなって、裏にも書いたんだよ!
表の感謝の言葉を思い出す。
『一年間、ありがとうございました!』
裏では自分の本当の気持ちをぶつけた。
『先生のクラスで楽しかったです!』
思いがじんわりと目元に溜まる。急いで指先で拭った。
――最後は笑顔なんだよ! そして最後に白沢せんせーに胸いっぱいのありがとうをするんだよ!
天音は目に気持ちを込めた。その時をじっと待つ。
寝起きのようなぼんやりした目で
遠野 まほろ
は担任の話を聞いていた。いつもの寝癖は少し控え目で手は思い出したかのように髪を撫で付ける。
――一年生が終わるんだね。そうなると来年度は私……二年生になるんだね。
心の中で思いを噛み締める。表情が少し虚ろになった。
――まだ、実感がわかないなぁ。私、本当に高校生なのかなぁ。そこからもう、あやふやなんだよね。
目にほんの少しの意志が揺らめく。ゆっくりとクラスメイトの顔に目を向ける。
――でも、一年三組のみんなと一緒にいられるのは、今日までなんだ。
また同じクラスになるかもしれない。でも、別のクラスになる人も。
今日で本当に終わり。一年三組としては最後なんだね。
家庭科室での出来事が頭に思い浮かぶ。
――私もみんなと一緒にチョコペンでメッセージを書いたんだ。たった一言だけど、これしかないと思えたんだよね。
『ありがとうございました』
まほろは微笑んだ。机の中にそっと手を忍ばせる。リボンに触れた。柔らかい胴体を手の中に包む。
――私の手作りのねこさん。赤いリボンでお洒落して。
先生は喜んで貰ってくれるかな。この子も先生の大切な生徒になれるかな。
まほろは正面に目を向けた。全てを受け入れてくれるような担任の優しい表情に、胸に生まれた冷たい不安は静かに溶けていった。
「それでは生徒の皆さん、これで私の話は終わります。続いて通知表を渡したいと思います」
「はーい、先生。ちょっといいですか」
着席した姿で
青木 学
が手を挙げた。
「青木君、何かしら?」
「最後のホームルームなので感動的な場面を映像として残したいのですが、ダメですかねぇ?」
「あら、いいわね。でも、他の皆さんは」
生徒達は顔を見合わせた。瞬間、盛大な拍手が湧き起こる。そうなのね、と担任は嬉しそうに見回す。
「青木君、クラスの為に記憶に残る映像を撮ってくださいね」
「俺に任せてください!」
学生鞄からハンディビデオカメラを取り出し、上機嫌で構えた。
「さあ、皆の感動的な場面を俺がばっちりカメラに収めるからねー」
「撮影もいいけど、通知表もちゃんと受け取ってね」
立ち上がった学に絢子は通知表を差し出す。自身を撮りながら受け取る。
「カメラ目線になってんぞ!」
衛が笑って指摘した。蘭月が続く。
「あざといわ~」
「わかったって。取り敢えず、演技はなしで!」
学は真面目な表情に切り替えた。絢子に向かって一礼した。
「白沢先生、一年間、本当にありがとうございました」
「ありがとう、青木君」
ちゃっかり映像に撮って学は次に備えた。次々と呼ばれる生徒の場面をカメラに収めていく。
荒太郎の名前が呼ばれた。ほんわかした雰囲気で通知表を受け取る。ほんの少し表情を引き締めた。
「白沢先生、今まで一年、お世話になりましたー。クラスのお母さんみたいな先生のために、クラスのみんなでビスケットを焼いたんだよー、食べて食べて~♪」
「雨崎くん、アンタもか!」
いきり立つ蘭月の表情が急に砕けた。
「もう、ええわ~。隠すのだるなったわ~」
包装されたビスケットを絢子に渡した。俺も、と衛が続く。
「あら、びっくり。こんなプレゼントがあるなんて思ってなかったわ」
生徒達は呼ばれる順番に関係なく、進んで席を立った。教卓の上には綺麗にラッピングされた焼き菓子が寄り集まる。
彰尋は『楽しい思い出をありがとう』というメッセージを贈った。
学はカメラで撮りながら『おばあちゃんちみたいに安心できるクラスでよかったです!』と温かい言葉をびっしりと書いた。
天音は絢子の側で元気な言葉を放つ。
「白沢せんせー、ありがとうございましたなんだよー!」
「こちらこそ、ありがとう。鈴原さんには、先生、たくさんの元気を貰ったわ」
「わたし、わたしの方が、もっとありがとうなんだよー!」
感動の場面に水を差すという思いがあるのか。申し訳なさそうな顔で学が顔を出す。手には外付けのレンズが握られていた。
「たぶん、これを握ればろっこんが使えると思うから。お願いできるかな」
「……いいよ。わたしでよければぜひ」
潜めた声に合わせる。事前に話は聞いていたので天音は笑顔で受け取った。
学は祈るような思いで『POV』のろっこんを発動した。カメラの画像は瞬時に切り替わる。絢子が大写しにされた。無事、天音の視界に切り替わった。
「オッケー、画質も悪くないよ」
「やったね!」
天音はぴょんと、その場で飛び跳ねて喜んだ。
目立った行動なので慌てて自重する。
途中で衛の映像にも切り替わった。絢子が映像の中で優しく微笑み掛けてきた。ビスケットのメッセージの話になると蘭月がウサギの絵の話をした。
「うっせーよ。あれはぶさいくじゃなかっただろ!」
衛の文句に合わせて蘭月が映像の中で笑い転げる。感動とは違うものの、楽しい記録となった。
美咲紀の映像には花束が映った。三色の薔薇を中心にした物で配色がよく、白いカスミ草が全てを纏めて包み込んでいた。
少し涙ぐむような声も添えられた。
「この一年、色々な経験ができて楽しかったのです。ありがとうございました。
この記憶は残り続けて、ずっと忘れないのです。
先生に教えて貰った家庭科の知識も、絶対に忘れないのです」
「椿さん、ありがとう。良い生徒に恵まれて私も楽しく一年間を過ごせたわ」
「あ、マジか。カメラマンの俺が目にきた」
学は顔を上に向けた。その姿で教室の隅に走って目元を拭った。
その間にまほろが呼ばれて通知表を受け取った。
「この子、私が作りました。先生の生徒の一人にして貰えませんか?」
「可愛い猫さんね。名前はあるのかしら」
「先生に任せます」
「かわいい名前を付けてあげないとね」
絢子は丸い眼鏡の奥の目を細めて言った。
続いて朱鳥が呼ばれた。学は急いで戻り、外付けレンズを差し出した。
「任せてよ」
気楽に受け取った。
「御崎さんは音楽に才能があるわ。それと国語もよくがんばったわね」
「ありがとうございます。でも、古文は少し苦手なんですが」
照れ笑いで通知表を開いて見る。音楽は五。あとは平均点で、その中には国語も含まれていた。
「意外に点数がよくて……あ、まさかこの映像まで撮ってないわよね!」
「え、何か問題でも?」
「ちょっと、そこは消しなさいよ!」
「わ、わかったって。あとで編集するから」
掴み掛りそうな勢いに学は大いにたじろいだ。
「次はあたしやね。青木君、ほら、レンズ」
「あ、通知表の中は、やっぱ、NGかな」
「せやね」
蘭月は気軽にレンズを受け取ると、絢子の前に進み出た。
「四野辺さんには語学センスがあるわ。あと、家庭科を頑張ったわね」
「え、ほんまに。家庭科は先生のおかげですよ。こっちで独り暮らしを始めて、よーわかりましたわ」
「あら、そう」
絢子は嬉しそうに微笑んだ。
蘭月は照れ臭そうにして通知表を開いた。英語は得意なので四であった。他はバイトの影響で三以下が多い。その中、家庭科は健闘して三に上がっていた。
「なんか、悪いながらも嬉しいもんやね」
全員に通知表が渡された。教卓の上には生徒達のビスケットが身を寄せ合う。
目にした荒太郎が思いを語る。
「このクラスになるまで、ぼくは料理とかお菓子作りに縁がありませんでしたー。
でも、家庭科の白沢先生、女子力の高い三組のみんなのおかげで、家庭科的な男子になれたような気がしまーす。
えー、何が言いたいかというと、とにかく、ありがとうございました!
みんながバラバラになっても、そのままでも、またよろしくお願いしまーす!」
絢子は目を潤ませて拍手を送った。他の生徒達が後に続く。
静まるのを待って学が持っていたカメラを掲げた。
「最後に記念撮影をしようじゃないか。白沢先生を中心にして、このカメラでパシャリって、どう?」
「良いと思う」
彰尋は同意を示す。皮切りに賛成の声が集まる。
「オッケー、じゃあ、そういうことで。ほらほら、東門も入って!」
隅の方にいた
東門 巧
が恥ずかしそうに縮こまる。学は大股で近づき、腕を掴んで仲間に加えた。
学は一台の机の上にカメラを置いた。レンズの高さを微妙に変える。フレームに全員が入っているかを細かく確認する。
「左の女子はもう少し左に寄って。そうそう、そんな感じ」
その中、天音はすでに目を潤ませていた。青い瞳からは大粒の涙が零れ落ちそうになっていた。
――この一年、いろいろあって、入学式、身体測定、創立記念祭に体育祭、他にもたくさんで。
どれも普通のことなんだけど、わたしの中ではどれもが大事な思い出なんだよ。
今日が終わったら、二度と会えなくなるわけじゃないけど、やっぱり、やっぱり、なんだかとっても寂しいんだよー……。
学は用意を終えた。一人分、開けていたところに自身が収まる。
「じゃあ、みんな、撮るからね。最後の一枚に気持ちを込めて!」
その言葉に天音の涙腺が崩壊した。大粒の涙を流しながら叫んだ。
「三組のみんなー、ありがとうなんだよー! 一年間、とても楽しかったよー……」
会心の写真がカメラに収められた。
天音は他の女子に慰められた。貰い泣きする者もいた。
まほろは嬉しそうに、少し寂しそうにして教室を見回す。
「……ありがとうございました」
全てのものに等しく、感謝の言葉を捧げた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
59人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月15日
参加申し込みの期限
2017年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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