【修了式】ラストスパートは華やかに｜リアクション

【修了式】ラストスパートは華やかに

　満ち足りた顔で八神修は星ヶ丘寮に帰宅した。ペット達が駆け足で出迎える。その場にしゃがんで纏めて抱き締めた。
「ただいま」
　小さな家族に声を掛ける。突き出してくる頭を順に撫でた。満足するまで続けて修は自室に向かう。
　待機していたかのように風間が廊下の端に立っていた。
「修様、お疲れ様でした」
「これが通知表だ」
　学生鞄を開けて風間に渡す。
「中を見ても構わないでしょうか」
「報告の義務があるのだろう。構わないよ」
　一礼して通知表を開いた。数秒の沈黙を経て風間が口を開いた。
「体育が三に上がっています。他の教科は文句の付けようがありません」
「オール五の為だ。体育の成績も疎かには出来ない」
　少しはにかむような笑みで修は風間と別れた。
　自室に戻ると学生鞄を机上に置いた。ネクタイを緩めている時、写真立てに目がいった。
　手にして目の前に持ってくる。あおいが花弁に囲まれて朗らかに笑っていた。
　――今日、目にした桜も綺麗だった。無邪気な姿を見せるあおいも……。
　微笑みは思い出し笑いに変わった。
　――あおいのお好み焼きは、焼きすぎて煎餅になりそうだったな。
　写真立てを元に戻した。修はゆったりと歩いてベッドに背中から倒れ込んだ。
　穏やかな顔で瞼を閉じる。
　――新学期もよろしくね。
　胸の中の浮かんだ言葉に修は微笑んだ。
　――一年間、とても楽しく過ごせたよ。次の一年も、また……。
「……思い出を、重ねて、いこう……あおい……」
　愛しい人に向けるような表情で修は眠りに就いた。

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あとがき

担当マスター：黒羽カラス
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無事に修了式が終わりました。
今回も校長先生の話は長く、精神を鍛える場となりました。
椅子が用意されていて良かったと心から思います。
スピーチにはＰＣさんの個性が表れていました。
ホームルームではクラス単位の試みが行われ、胸にじんときます。
担任を含めたクラス写真は、きっと良い思い出になることでしょう。
放課後の清掃は教室だけに留まらず、部室を回る人々の姿も多く見られました。
「下校時間からが本番だ」という人もいたと思います。カラオケやボウリング、お好み焼きと行き先は様々です。

長いようで短い執筆期間でした。
その影響なのでしょうか。名残惜しい気分であとがきを書いています。
胸に小波が打ち寄せる中、皆さんに最後の言葉を贈ります。
本シナリオに参加していただき、誠にありがとうございました。
満たされた気分で他の言葉は何も浮かんで来ません。

それではまたどこかのシナリオで――。

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