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【修了式】ラストスパートは華やかに
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一年四組
真っ新な雑巾で
恵御納 夏朝
が机の上を丁寧に拭いていく。ペンのあとが残るところは特に額に汗して手を動かした。
――四月には新しい人達が、僕達の後輩が使うんだからね。
また汚れを拭き取った。夏朝は微笑み、顔を上げた。他の生徒達も掃除に励んでいる。協力して掃き掃除をする姿も見られた。
――来年の四組も、良い組になりますように。
夏朝は心の中で静かに手を合わせた。願いが聞き届けられることを信じて雑巾掛けに精を出す。
――クラスの掃除が終わったら、委員会や部活の関係先を回らないといけないね。
図書室に、演劇部の部室だね。
一層、手に力を込めた。難なく机の数をこなして、急に動きが緩やかになった。どこか遠くを見るような目となった。
――そろそろ僕も進路のことをかんがえないとね。
掛け持ちは苦しいかな。演劇のメインは長いし、身体の負担もあるから。
今の僕には、たぶんだけど、もう……。
ふらりと上体が揺れた。夏朝は歪めた表情で片方の耳を押さえた。同じ姿勢で時を待って動き出す。
――豪雨のような耳鳴りが、本当に酷くて。
でも、仕方ないよね。誰かのせいじゃなくて、僕が行動してなったんだから。
夏朝は意識して笑った。残りの机に目を向けて雑巾掛けに励んだ。余計な考えを排除するかのように熱心に手を動かす。額の汗で前髪が張り付いた。
――僕は皆の支援に回って、それで皆が楽しければ。
それで、いいんだ。それが正しい選択なんだ。
本当にそれでいいのかな。
心の中で自身が問い掛ける。冷めた目は夏夜に思えた。左手のパペット、
ハルくん
が付喪神となって喋っているようにも感じた。
――夏夜ちゃん、ハルくん。僕はどうすればいいのかな?
頭の中の考えが纏まらない。目は周囲に助けを求めた。クラスの生徒達は大らかで、楽しそうに掃除に打ち込んでいた。
「……皆に、幸あれ」
本音が口から零れた。心の中に温かい気持ちが溢れる。
――普通の幸せも、
不思議な幸せも、
たくさん、皆に訪れますように。
一度、心の声を断ち切った。少しずつ、願いが漏れ出す。
――わがままかもしれないけど、
どうか、どうか……僕にも、僕達にも、
幸せをほんの少し、分けてください。
窓から射し込む光を目にした。夏朝は天空の彼方を見遣り、その場で恭しく頭を垂れた。
図書館
図書室のドアを開けた。
綾辻 綾花
は笑顔で中に飛び込んでいく。
「珪先生、大掃除のお手伝いにきました」
黒いスーツの袖を捲り上げた姿で
早川 珪
は爽やかな笑顔で迎えた。
「綾辻さんか。助かるよ」
「今日は赤いシャツではないんですね」
「修了式に赤はそぐわないかな。僕が白いシャツだとおかしいかい?」
珪は軽く両腕を開いて見せた。綾花は微笑んだ。
「とてもよく似合ってますよ」
「綾辻さんのお墨付きが貰えたから安心だ」
包み込むような笑みを返す。見惚れたような綾花は急に視線を外した。気恥ずかしそうな表情で制服の袖を捲り上げる。
「大掃除ですよ。のんびりしている場合ではありません。珪先生、どこから始めますか?」
「まずは蛍光灯を拭くところから始めようか」
「あの高さになると脚立が必要になりますね。私が借りてきます」
「その間の時間を使って僕は本を掃除するか」
二人は行動に移る。珪は昔ながらのハタキを持って本棚に向かう。綾花は学生鞄を受け付けの台に乗せて出ていった。
数分で綾花は戻ってきた。
「用務員さんから借りてきました」
肩に脚立を引っ掛けてきりきりと歩く。蛍光灯の下で脚立をセットした。少し揺さぶってみる。
「問題ないですね」
手には絞った形の雑巾を持っていた。広げて綺麗に折り畳む。
「それでは」
脚立の階段に足を掛ける。ゆっくりとした動作で天辺に立った。
――高いです。脚立はしっかりしているのですが、揺れているような感じがします。
その状態で怖々と手を伸ばす。蛍光灯の表面に雑巾が触れた。形状に合わせて左右に手を動かした。恐怖心が勝るのか。汚れが取れているように思えなかった。
すると下から柔らかい声が聞こえてきた。
「僕が脚立を押さえているから大丈夫だ」
「珪先生、ありがとうございます」
綾花は上を向いた。雑巾に力を込めて拭くと汚れが取れた。口元に笑みが零れる。
軽快な動きで数をこなし、最後の一つに取り掛かる。順調に拭いて終わりが見えてきた。手の動き少しがぎこちない。空いた手をそれとなくスカートの後ろに押し付けた。
――珪先生の位置なら、もしかして見えて……。
「あと少しで終わりだ」
「……そうですね」
綾花は思い切って顔を下げた。珪の頭頂が見える。脚立を両手で押さえた姿でいた。
「がんばります」
「無理はしないように」
「はい、わかりました」
綾花が見ている間、珪は一度も顔を上げなかった。
――私のお馬鹿さん。
最後の汚れを渾身の力で拭き取った。
汚れた雑巾を洗ったあと、綾花は窓拭きに専念した。手の届かないところは珪が受け持った。
締めの掃き掃除に取り掛かる。驚く量の埃が集まった。
――静かな印象の図書室にも、ゴミは溜まるものですね。
感慨深い表情でゴミ箱に入れていく。
「少しいいかい?」
傍らに珪がいてハンカチを持っている。綾花は言葉の意味を探ることなく、はい、と返事をした。
珪は綾花の額にハンカチを当てた。優しい手付きで拭き取る。
「黒い筋が付いていたけど、完全に取れたよ」
「あの、ありがとうございます」
「大掃除だから、色々なところを綺麗にしないとね」
柔らかい調子で言うと珪は破損した本の修繕を始めた。
綾花は自身の額に手を当てる。珪の姿を見ながら嬉しそうに笑った。
清浄な空気の中、二人はパックのジュースを乾杯の意味で打ち合わせる。
「一人で二つは多過ぎた。綾辻さんには助けられっ放しだ」
「そういう設定ですね」
「そういう建前だ」
二人は笑って言った。共にジュースで喉を潤した。
「珪先生は春休み中、どうされるのですか」
「考えてないよ。たぶん、忙しく動いていると思う」
「そうですか。図書室は春休みに利用できないんですよね?」
「余程の事情があれば別だが」
暗に休みであることを伝える。
「綾辻さんは春休みの予定は何かあるのかい?」
「家族で島外に花見に行く予定になっています。満開の写真を撮れたら、メールに添付して送りますね」
「それは楽しみだ」
珪はジュースを飲み終えた。
「あの、卒業式の時のことなんですけど、
図書室で泣いちゃったこと
は、その、他の皆には内緒でお願いします」
「わかった。綾花さんの良い思い出になるまで黙っているよ」
日溜りのような珪の温かさに触れて綾花は少し涙ぐんでいた。
第一グラウンド
椎井 莉鳥
はセパレートの身軽なウェアに着替えてグラウンドにいた。軽いストレッチと走り込みを行なう。
身体が程良く解れてきた。事前に用意した走り高跳びのバーと対峙した。その場で軽く跳躍する。
――この私が二年生になるのね。
大きなストライドで走り出す。バーの手前で歩幅を調整して軽やかに背を反らして跳んだ。
青い空に鮮やかな人型の三日月を作り出す。バーの上を軽々と越えてマットに身を沈める。直後に起こる反発を利用して軽やかに立ち上がった。少し乱れた髪は頭を振って整える。
普段の足取りでスタート地点に戻った。同じ高さのバーに眼差しで問い掛ける。
――テストを受ければ簡単に進級できるのに、どうして去年はそうしなかったのよ。
成績はよかったわ。自分の評価でどうかと思うけど、学力も高かったよね。
二本目、心に蟠りがあるとは思えない鮮やかな跳躍を見せた。空に吸い込まれるように身体は浮上してマットに着地した。くるりと回って起き上がる。
スタート地点にとぼとぼと戻っていく。
――去年の私は期末試験の全教科を放棄したわ。試験期間中は部屋に閉じ籠り、誰の声にも耳を貸さなかった。
その理由が今でもわからない。あの強固な態度に意味がないなんて、あり得ないわ。
それでもわからない。誰かに説明を求められても、伝える手段がないなんて、本当に考えられないわ。
三本目、ストライドが広がった。速度も上がり、調整が間に合わない内に跳んだ。歪な月はバーと共に沈んだ。
莉鳥はマットの上に座って落ちたバーを見詰める。
――あなたはこんな私をどう思うんだろうね、雅樹。
もしかして私が進んで留年を選んだのは……。
バーを荒々しく掴んだ。立ち上がり、元の位置にセットする。
莉鳥はスタート地点に立った。冷やかな表情でバーに向かい、一度、上体を後方に大きく逸らし、走り出す。伸びやかなストライドは無理なく収束して身体を空に押し上げる。
会心の跳躍を大空に捧げる。中空で莉鳥の表情は軽く驚いていた。見たこともない領域に到達したかのように両目を大きく見開いた。
余韻を味わうようにして立ち上がる。スタート地点を目にした途端、自嘲気味に笑った。
――練習に励んでいるように見えて、実は現実から目を逸らしているだけなのかもね。
スタート地点に戻りながら息を整える。踵を返してバーと向き合う。
――過去の自分の行動がわからなくても、時間は止まってくれない。このまま進めば、本当の別れはやってくる。
その時、私はまた閉じ籠るのだろうか。今度は誰にも開けられない、心の奥底に……。
莉鳥は静かにスタートを切った。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
59人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月15日
参加申し込みの期限
2017年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月22日 11時00分
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