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【修了式】ラストスパートは華やかに
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一年二組
クラスでの役目を果たした
鬼河内 萌
は笑顔で廊下に飛び出した。大きなリボンとポニーテールを激しく揺らして一年四組のドアを開け放つ。
多くの生徒が驚きの顔を見せる。
野菜原 ユウ
は別で、またか、と苦笑した。ツーブロックの前髪に手櫛を入れる。
「ユウくん、一年の最後はカレーで締めだよ☆」
「どういう理屈だってーの」
「締めはカレーだよ?」
「わかったって。俺も腹が減ってたし、付き合ってやるよ」
ユウは腹を摩る仕草で教室を出た。萌は横に並んで跳ねるように歩く。口癖に近い台詞が零れる。
「MMR(萌ミステリーリポート)出動だよ☆」
「おまえの行動がミステリーだって」
「締めはカレーだよ?」
「ちょっと待て。それはさっきの話で、もう、わけわかんねぇーよ」
ユウは笑った。純粋な笑顔に萌は嬉しくなって周囲を飛び跳ねた。
家庭科室
着いた先でユウは怪訝な顔で口にした。
「カレーって、作るのに時間がいるんじゃねぇの」
「ボクに任せてよ! ちゃんと準備はできてるんだよ!」
萌は冷蔵庫から四角い容器を取り出す。蓋を開けると中にカレールーが入っていた。
「食材をフライパンで炒めて、仕上げにカレールーを掛けたら完成だよ☆」
「へー、よく考えられてるじゃん。これなら簡単にできるな」
「ユウくんは座って待っててね」
ユウは勧められた椅子に座った。手前の台にはレースのマットが置かれ、スプーンまで用意されていた。
程なくして食材を炒める匂いが室内に充満する。ユウは苦しげな顔で、まだか~、と情けない声を上げた。
「もう少しで完成だよ」
「この匂いはマジで腹が減るってぇ~」
「ユウくん、できたよ!」
大皿がユウの前に置かれた。丸く盛り付けたご飯にカレールーが寄り添う。炒めたばかりの食材がゴロゴロと転がり、激しい胃痛に襲われたかのように身体をくの字にさせた。
「もう、無理! いただきます!」
ユウはスプーンを握った。ご飯の裾野を切り崩し、カレールーに塗して食べる。口から白い煙を吐き出しながら掻っ込む。
その隣で萌は満面の笑みを浮かべる。八重歯を覗かせて自身のカレーを味わう。
ユウは顔を上げた。空になった大皿を見ながら息を吐き出す。
「美味かったなぁ。辛さもちょうどよかったし、鬼河内には感謝だな」
「ボクも嬉しいよ。やっぱりユウくんは笑顔が一番だね。あ、通知表はどうだった? 数学はやっぱり一なのかな」
食べ終えた二人分の大皿を萌が片付ける。
「俺は一番が似合う男だからな!」
「同志っ!」
振り返った萌が叫ぶ。ユウは片方の口角を上げた。
「おまえもかー」
「補習のおかげで留年は避けられたよ」
「ま、よかったじゃん」
萌は大皿に水を掛けた。その音に声を紛れ込ませる。
「……次はユウくんと、同じクラスになれるといいなぁ」
「俺も、な」
水音にユウの声が混ざる。
萌は背中を向けていた。その表情は飛び切りの笑顔で、目は僅かに潤んでいた。
桃川 圭花
は自身の机を運ぶと、喧騒に紛れてクラスを抜け出した。廊下をゆっくりと歩きながら周囲をぼんやりと眺める。
――湿っぽい雰囲気が苦手なのよね。勝手な理由で掃除をサボるのは悪いとは思うんだけどさ。
未練が行動に作用しているのか。校内に留まり、行く先々を見て回る。
「お、桃川じゃん」
廊下の窓に寄り掛かっていた茶髪の女子が、へらへらと笑いながら声を掛けてきた。
「いい身分だねぇ。最後の掃除くらい真面目にやれよなー」
「そういうアンタは、こんなところで何してんのよ」
笑って返すと茶髪の女子はパックジュースを、ズズー、と音を立てて飲んだ。
「イチゴオーレ飲みながら、サボってるに決まってんじゃん」
「潔すぎて笑うしかないわ」
口に手を当てる前に噴き出した。
「今度、誰かに何してんだ、って言われたら私も堂々とサボりを宣言するよ」
ずれた眼鏡を戻して圭花はひらひらと手を振った。
呑気な散策は続く。二階からとんとんと階段を下りる。踊り場で一人の教師と鉢合わせとなった。
――いやいや、さっきは堂々とサボり宣言したけど、これはちょっとハードルが高すぎるでしょ。
吉田 熊吉
は厳めしい顔付きで圭花を見下ろす。
「こんなところで何をしてるんだ? 今は大掃除の時間だぞ」
「あー、そうなんだけど、実は私も清掃の途中なもんで」
「手ぶらでか?」
熊吉の眉根に皺が寄る。威圧感のある顔を近づけてきた。圭花は手を隠すように制服のポケットに入れる。直後、表情が明るくなった。
「これが証拠。ほら、こういう紙くずが廊下に落ちてるんですって」
「わかった。俺は別のところを見回るが真面目にやれよ」
「わかってますって」
熊吉はのっそりと階段を上がっていく。圭花は後ろ姿が見えなくなるまで笑って見送った。
「……熊出没注意の看板がいるよね」
掌の紙くずを広げた。それは有名な洋菓子店の割引サービス券であった。
――こんなに皺くちゃにして。でも、助かったわ。意外な物が熊避けになるわね。
軽い足取りで一階に移動した。窓の向こうに中庭が見える。圭花の目を捉えて離さない。横目で見ながら廊下を進み、北校舎に連結された通路へと出た。
中庭を一望できるところで立ち止まる。
――入学したばかりの頃、何となく教室にいづらくて一人でお昼を食べられる場所を探していたのよね。
この中庭が、そんな行動をやめさせてくれた。
噴水の水が粒になった陽光を転がす。花の香りを含んだ風が圭花の前髪を揺らした。木の梢から問い掛けるような鳥の囀りが聞こえてきた。
――中庭にお世話になったのは、そう、夏までなのよね。
私は一人なんかじゃない。支えてくれたり、引っ張ってくれる人ができた。
その時にはいづらい場所ではなくなって、私にとってクラスは……。
「なんだろう、この気持ち?」
南校舎に引き返す。早足は駆け足となった。
――私のクラス、一年二組の教室に行かないと。
きっと、そう、忘れ物があるのよ。それがないと私は。
クラスが見えた。キュッと音を立てて止まり、勢いよくドアを開けた。
生徒の姿はなかった。椅子と机が整然と並んでいる。
放心したような顔で圭花は教室内を歩いた。最後に自身の机に手を置いた。
――忘れ物なんか何もない。
だって、そうでしょ。何も忘れてないんだから。
私は、私の心は忘れてないことを教えたかったのよ。
「本当、私って何やってんだろ」
笑いながら目尻に薄っすらと涙を溜める。
――大切な物は全て、ここにあるよ。
圭花は自身の胸に手を当てる。掌に熱い思いが溢れてきた。
御巫 時子
は北校舎へと走る。手に提げていた学生鞄がカチャカチャと軽く音を立てた。逸る気持ちを抑えるかのように早足にとどめる。
――あまり揺らすと鞄の中のお弁当が大変なことになりますね。
反省の意味の照れ笑いを浮かべた。
理科室
時子が訪れた時、
五十嵐 尚輝
はビーカーで湯を沸かしていた。
「いいタイミングですね。お弁当にしましょう。こちらの少し大きなお弁当が尚輝先生のです」
窓際の席に着いた時子は持参した弁当を台上に並べる。
「この大きさは……僕には挑戦に、なります」
「日持ちするように作っています。多いようでしたら、今日の夕飯のおかずにしてくださいね」
「わかりました……お弁当、ありがとうございます」
ビーカーのコーヒーを持って尚輝は時子の横に座った。
窓の柔らかい陽光を受けて笑顔が輝く。
「尚輝先生、プチトマトはいかがですか」
時子は自分用の小さな弁当箱をそっと横に押し出した。
「プチトマト、ですか。含まれているリコピンには、活性酸素を除去する機能が、ありますね……いただきます」
尚輝は一つを摘まんで口に入れた。もぐもぐと寡黙に食べる。
「とても尚輝先生らしいです」
「……そう、ですか?」
微笑む時子に尚輝は顔を少し動かした。前髪に隠れた目のせいで感情がはっきりとしない。それでも構わないと、はい、と時子は澄んだ声で答えた。
昼食の後、本格的な掃除が始まった。
実験に使うメスシリンダーやフラスコ、大小の割れ易いビーカー等の器具は尚輝が受け持った。丁寧な手付きで次々と洗っていく。
「私は何をすればいいですか」
「洗い物は僕がするので、御巫さんは掃き掃除と、窓拭きを、お願いできますか……」
「わかりました」
時子は掃き掃除の前に窓を開けた。換気の用意をしてから箒と塵取りを手にした。
薄っすらと溜まった塵を小分けして塵取りで回収した。埃が大気に舞うことはほとんどなかった。
「次は窓拭きですね」
適度に絞った雑巾を手に窓に取り掛かる。内側は手早く、外側は用心して拭いた。
春めいた風がゆるゆると舞い込む。時子は顔を向けて目を細めた。
――少し前は冷たかったのに、今はこんなにも心地よくなって、清々しい気持ちになりますね。
チチチ、とスズメが囀る。青い空に向かって元気に飛んでいく。目で追っていた時子は軽く頭を振った。
――窓拭きに集中しないと危ないですね。
気を引き締めて窓拭きに専念した。
粗方の掃除が終わった。台上には逆さまになった器具が置かれている。ほとんどの物が乾いていた。
僅かな湿り気を見逃さず、尚輝が拭き取る。
「片付けは私も手伝います」
「場所は……わかりますね」
「はい、任せてください」
理科室に足繁く通った成果を発揮した。時子は器具を適切なところに収めていく。その過程で一つのビーカーに注目した。
――傷どころか、一点の曇りもありません。尚輝先生にとても大切にされているのですね。
羨ましいと表情は仄かに語り、そっと棚に入れた。
全ての掃除が終わった。
尚輝は窓辺の椅子に腰掛けた。自身の肩を軽く揉み解す。
目にした時子は労いの言葉を掛ける。
「お疲れ様でした。今、コーヒーを淹れますね」
「ありがとう。御巫さんのおかげで助かりました」
尚輝の口元が笑みを作っていた。時子の表情に幸せが広がる。
コーヒーを淹れる用意をしながら考えた。
――私にとって春休みはとても長いです。自炊が苦手な尚輝先生の身体が心配になります。
先生の為にお弁当を作りましょう。アパートに持っていきましょうか。部屋の掃除をする必要があるかもしれませんね。
尚輝は何気なく、時子の方に顔を向ける。
「あの、御巫さん。とても楽しそうに見えるのですが……何かありましたか?」
「私の提案で尚輝先生が困る姿を想像して、少し楽しくなりました」
「え、それは、本当に、楽しいこと、なのですか?」
「どうでしょうか」
時子はにこやかな顔で、少し濃い目に淹れたコーヒーを運んだ。
慌てる尚輝に時子が微笑む。西の空がほんのりと焼けるまで、二人の会話は続けられた。
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黒羽カラス
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
59人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月15日
参加申し込みの期限
2017年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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