コミックヒーローズ　ヘルズゲート・ゴースト｜リアクション

コミックヒーローズ　ヘルズゲート・ゴースト

■ヘブンズゲート・コースト
「地獄と現世を繋ぐヘルズゲートは、天国と現世を繋ぐヘブンズゲートと対になっているのです」
　人類の常識を越えた、外宇宙とも言うべき空間が広がっている。
　そこに、美咲紀はふんわりと浮かんでいた。
　プリンセスフローラとして彼女が生み出す力は、外宇宙にぽっかりと浮かぶ世界樹からもたらされたものである。
　この宇宙には死の概念がなく、世界樹の中に作られた地球よりも広い空間で特殊な生命が穏やかに暮らしていた。テクノマスターがやってきたという宇宙もまた、ここだ。
「もともと世界には輪廻転生のしくみがありました。地獄へ送られ、魂の記憶だけを残して再び現世へとよみがえるしくみ」
　地獄の王であった者がエバーナイトウィッチとして転生したように、死んだ者は必ず現世へ戻ってくる。その通り道が、ヘルズゲートであった。
「けど本来ひとつだけだった穴に、外宇宙の民がもう一つの穴を開けました。それがヘブンズゲート。死した人々を転生させず、この世界に招いて暮らさせることを始めたのです」
　しかし永遠の命に飽き、現世へ戻りたがる人々が現われた。
　彼らは現世に戻り、不死の世界や輪廻転生の仕組みを人々に説き、新たな宗教を作っていく。
　それは『グレイシーフ』や『地獄軍』、『プロジェクトＰ』となり、しくみを悪用しようと試み始めたのだ。
「けど、悪がはびこって世界を壊すことはありえないのです。人々が正義の心を持つ限り、戦い続ける限り……そうでしょう、初代プロディジー」
　振り向く美咲紀。
　世界樹の上で、こっくりと頷く黒衣の男――初代プロディジー。
　美咲紀は目を閉じ、そして両手を翳した。
「今こそ、真なる力に目覚めるのです！」

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