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ねこ温泉郷の三日間
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元気な女子数名と男子一名に追い越され、亨は一瞬丸くした鋭い瞳を細める。
(ま、呼ばれたからには盛り上げていこうかねえ)
温泉郷従業員としてお猫さまにご奉仕尽くしだった前回と違い、今回は遊ぶ余裕もありそうだ。受け取った招待状から見ても、
(今回はお客さん、でいいのかな)
とはいえ女子会と銘打たれているということは、主役はやはり女の子なのだろう。亨は楽し気な女の子たちをそれ以上に楽し気なまなざしで見遣る。
女の子は、みんなみんな華やかで可愛らしい。彼女たちのために、今回はサポート役で回していくとしよう。
結局自分からご奉仕する側に回りつつ、亨はそれでもどこまでも愉快そうに、勝手知ったる人間用の宿舎へと向かった。
「お世話になりますのです」
供物に囲まれ、ねこ大明神な雰囲気を醸し出しつつある番頭猫の前、猫用オヤツ詰め合わせと猫じゃらしをお供えするのは、
椿 美咲紀
。
「スノウもご挨拶してー」
抱きかかえて来た真白な子猫を石段に下ろす。美咲紀の愛猫スノウはそろりそろりと番頭猫に近づき、桃色の鼻を老猫の鼻にちょんとつけてきちんとご挨拶をした。
「ご招待ありがとさまなのです」
主催らしき少女ふたりにも、高く結い上げた黒髪をぴょこんと跳ねさせ頭を下げて、美咲紀は後ろを振り返る。
「シュー君」
早く早くと呼ぶのは、移動用ケージを手に石段を登ってくる
八神 修
。ケージの中、にゃうにゃうとはしゃいで騒ぐ複数の猫の声に催促され、修はケージを石段に下した。もつれるように転がり出てきたのは、修が多数飼う愛猫たちのうちの三匹。ロシアンブルーのブルー、テオ似の子猫テオテオ、甘えん坊の白猫ミルク。
「にゃんこ、しょうたいじょう届けてくれた?」
ブルーが後生大事にくわえる『しょうたいじょう』を見つけ、こんが嬉しそうな声をあげる。
「ありがとう、確かに受け取ったよ」
賢いブルーが『しょうたいじょう』をくわえて来た様子を思い出し、修は頬を緩める。
――温泉行く子、あと先着二にゃん
なぜならケージの定員三だから、とばかりに招待状をヒラヒラさせて部屋中を練り歩くブルーと真っ先に飛びついてきた二匹をケージにお招きし、以前訪れたことのあるねこ温泉郷までやってきた。
「こんは、文字はもう大体読めるかな」
「よめる!」
おかっぱ頭を大きく何度も上下させるこんに向け、修はケージと一緒に提げてきた鞄を開いて見せた。中には修厳選の絵本や図鑑。
「好きなのをどうぞ。貸してあげる」
「これなあに?」
「あ、これは問題集だから読み物じゃないよ」
問題集をめくって首を捻り、真剣な顔で絵本を吟味し、
「これ!」
こんが選び出したのは動植物の写真と絵がたくさん載った図鑑。
借りた図鑑を胸に抱えて飛び跳ねるこんに微笑み、石段の半ばに鎮座するねこ大明神には鮪缶を進呈しつつ、修はスノウと挨拶を交わす愛猫たちを眺める。遊び相手のスノウが居る上、猫たちも以前訪れたことのある場所であることもあって、猫たちの警戒心もほとんどなさそうだ。
「かわいいですのにゅ、とっても可愛いですにゃー」
猫たちにメロメロな様子でスノウも修の愛猫たちもまとめて撫でて褒めまくる美咲紀の隣では、いつの間にか混ざりこんだ真央が猫たちにうっとりとした熱いまなざしを向けている。
「今夜も仲良く猫団子になってくれるといいな」
「猫団子、なんて魅惑な響きなのだ……」
じゃれあって遊ぶのに飽きた猫たちが石段を登り好き勝手に探検を始めようとする。二三段登った猫たちに、揃って『来ないの?』とばかりに振り返られ、修は笑った。猫たちにめろめろな美咲紀と真央が張り切って探検の助手を勤めるのに付き合い、修も猫たちの後を足早に追う。
『しょうたいじょう』を手に、桜の石段を登ってゆく人々のそれぞれに楽し気な背中をぼんやりと見送り、
吾妻 優
は耳を覆うヘッドフォンを肩に落とした。プラグの先に何も繋がっていないケーブルを指先にもてあそびながら、眠たそうな眼差しを傍らに投げる。
視線の先には、その場に座り込みスケッチブックを広げて景色を素描する同学年で同じ軽音部に所属する少女の姿。
「お互い、何か妙なモン受け取っちまったなぁ……」
優が醒めた声を掛ける少女の膝には、優と同じ千代紙の招待状が広げられている。
声を掛けられしばらくしてから、少女は翡翠色の瞳をもたげた。
「女子会……って何だろう」
「何、って……メンドくせぇなぁ」
ぶっきらぼうに返されても、
日向 カノン
は動じた様子も見せず、緑がかった黒髪を春風に揺らして立ち上がる。
広げていたスケッチブックを閉ざし、舞い散る花びらに紛れそうな小さな息をひとつ零す。
「……昔みたいに目に浮かばない」
どこを描いても不思議な景色となるここを元に空想の景色を描こうとして、出来なかった。実際に目にした光景は容易く紙の上に映し出せるのに、そこに僅かでも想像を加えようとすれば、途端に筆が止まってしまう。
(……駄目だ)
心に低く呻いて、カノンは周囲を見回す。ともかく今は、気分を変えよう。ありがたいことに、周囲には見慣れない世界が広がっている。
「よく分からないけど、こんな不思議な事も起こるんだな……」
「何だろうな、ここ」
「興味が湧くな」
絵の題材になりそうだと思った。ここに迷い込むなり思わずスケッチした景色も、どこかしら不思議な雰囲気がある。
「マジかよ」
「旅人になった気分で楽しもうか」
そうして、絵を描こう。絵具で世界を記録し、旅をしよう。
「……メンドくせぇ」
うっとうしそうに吐き捨てる優を見上げ、見上げることに倦んで石段を二段登る。
そのままじっと見つめれば、優は根負けしたように眉を寄せた。
「……わかった! わかった行くよ!」
「うん」
静かに頷き、カノンは踵を返す。
「行きゃいいんだろ、ったく……」
優のぼやきを背に聞きながら、カノンは階段を登り始めた。
不承不承な仕草を見せながらも付き合ってくれた優を置いて、カノンがねこの温泉宿の絵を描くためにふらりと姿を消したのはそれからすぐあとのこと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月03日
参加申し込みの期限
2017年04月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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