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「終わり」を教えて!―死とは何か?―
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「死を教える……か」
ちょっとした用事で木天蓼大学にある博士の研究室を訪れた
御剣 刀
は、厄介な頼まれごとに頭を悩ませていた。
わずか6歳の女の子に、死を教えて欲しいというその依頼。
少し考えれば、それが結構な難題であることは自明だった。
「祖父さんが死んだ時のことを思い出すな……」
御剣にとっての近しい人の死。
その時の経験が活かせれば、あるいは……などと考えながら街を歩く。
ゆゆというらしいその子は、聞いた話によれば幼稚園の年長だという。
スマホで時間を確認すると、時刻は15時――幼稚園はとうに終わっている時間だ。
御剣は博士から聞いたゆゆの行動パターンを元に、その姿を探していた。
「うん?」
ふと、挙動不審な男を見かけた。
電信柱の陰に隠れて、広場の方に視線をやっている。
視線の先には小さな女の子が一人。
ゆゆだった。
「あの、ちょっと」
「うん?」
御剣が声を書けた相手は
鴻上 彰尋
だった。
事情を聞いてみると、鴻上も御剣と同じく、ゆゆに関する依頼を受けた一人だった。
「見つけたはいいんだが、いつ声を掛けたもんかなと思ってな」
鴻上は首尾よくゆゆを見つけたが、何をどう話すか、いつどこで話すか、そんなことを考えて、声をかけるタイミングを逸していたらしい。
「とりあえず、俺が声を掛けるよ」
御剣もまだ気持ちの整理がついているとは言えなかったが、覚悟だけはとうに決まっている。
「そうか? 俺はもう少し様子を見させて貰うよ」
鴻上はそう言って御剣と別れた。
御剣は一つ大きく息を吐くと、広場に足を踏み入れた。
「ゆゆちゃん?」
「? なあに?」
怯えさせないように極力声色を和らげたのが功を奏したのか、ゆゆは特に警戒した様子もないようだった。
「君のお母さんについて話したいんだけど、いいかな?」
「おにいちゃんは、おかあさんのことしってるの?」
御剣は膝を折って目線の高さをゆゆに合わせると、こくりと頷いた。
「おかあさんがね、いないの」
「うん」
「ずっとさがしてるのに、どこにもいないの」
「あら? 迷子?」
ゆゆの声を聞きつけて、近づいてくる人影があった。
「お母さん探しかな、手伝おうか?」
「俺も手伝う」
御剣とそれほど背丈の変わらない、女性と見まごうばかりの美形の青年は
アルレッテ・ザメニス
。
そして、もう一人の小柄でどこか無愛想な青年は
新田 亮
である。
「いや、この子の母親は……もういないんだ」
「おや……」
「……」
御剣が二人に簡単に事情を説明した。
「そうか……乗り越えるのは難しい事柄だものね」
「気の毒に」
アルレッテも新田も沈痛な眼差しでゆゆを見た。
「おとうさんがね。おかあさんはもういないっていうの。そんなわけないのに。いきてるとかしんでるとかよくわからないことをいうの……」
6歳の子どもには死どころか生すらも理解しづらい事柄なのかもしれない。
「ゆゆちゃん手を、握ってみてくれるかな」
アルレッテはゆゆへ手を差し出した。
「こーお?」
「そう。暖かいかい? ……じゃあ、これはどうかな?」
ゆゆの手をアルレッテは自分の胸に当てた。
「どきどきいってる」
「うん。これがヒトが生きている、ということだよ」
「どきどきしてると、いきてるの?」
「温かい生き物は大体そうできているんだけどね、死ぬとこのドキドキしているのが止まって、冷たくなるんだ」
ゆゆは不思議そうな顔をした。
その幼い心に自分の言葉は届いているだろうか――そう思いつつもアルレッテは続ける。
「そうするとお話もできないし、姿も見えなくなってしまう。どこを探しても見つからない。それが『死』だ」
「……おはなしも……みえない……みつからない……」
うわ言のように繰り返すゆゆをアルレッテは見た。
彼は昔、住処を襲われ、同胞と死別した経験がある。
その時の「痛み」を少しでも伝えようと言葉を尽くしたが、果たしてどうか。
次に口を開いたのは御剣だった。
「君はお母さんの事が好きかな?」
「うん、だいすき!」
「そうか。きっとお母さんも君の事が君のお父さんの事が好きだ。だけど君のお母さんが君に会う事はもうできない。電話で話をすることも出来ない。手紙を送っても読む事も返事を書く事も出来ない」
御剣は淡々と話しかけた。
「君がいい子にしてても褒められない、君が悪い事をしても叱れない」
「……」
「君が怪我や病気になっても傍にいられない、君が泣いて苦しんでも慰められない」
「……」
「抱きしめてくれないし頭を撫でてくれない、怒ってぶってくれない」
「……や」
「お母さんは君が大好きだけど君のお友達のお母さんがお友達にしてくれている全部がもう出来ない」
「……や……や……」
御剣の言葉の全てが伝わった訳ではないのだろう。
だが、そこに込められた不穏な空気。
それを多感な少女は敏感に嗅ぎ取ってしまった。
怯えた様子のゆゆに、御剣の決意が弱まる。
しかし、ここでやめる訳にはいかない。
(俺は伝えると決めたから)
言葉を続ける。
「小学校の準備もお母さんの代わりにお父さんがする、何故なら君のお母さんは死んでしまったから……死んだらバイバイなんだよ」
「いやぁー!」
「おい、御剣!」
とうとう泣き出してしまったゆゆを見かねて、新田が止めに入った。
アルレッテがゆゆを抱きしめ、落ち着かせる。
「そりゃあないだろ……こんな幼い子に」
「……でも、伝えないといけないことなんだ」
「もう少し手加減しろよ。誰もがお前みたいに強い訳じゃないんだ」
「……別に俺は――」
強くはない、と続けようとして、その言葉が今だけは何の意味もないことを悟った。
御剣に悪意のたぐいは一切なかった。
ただ、御剣は少し――ほんの少し不器用なだけだった。
「ゆゆちゃん」
「ぐすっ……?」
ゆゆは怯えたままの眼差しで、新田を見た。
新田もゆゆの前でしゃがみ、目線を合わせた。
(まずは彼女の心境を探ってみるか)
亮はゆゆの表情を観察しながら、慎重に言葉を選んだ。
「ゆゆちゃん。お母さんに会えないってどんな気持ちかな」
「……くるしい……かなしい……」
「そっか。もしとっても苦しいなら、お兄ちゃんが楽になる方法を教えてあげるよ」
「……ほんと?」
うん、と新田は大きく頷いた。
「目を閉じて。何も考えずにゆっくり息を吸うんだ」
「……」
すうっと、言われたとおりにゆゆは息を吸った。
「次はゆっくり息を吐いて」
新田はそのまま数分間、ゆゆに何度も深呼吸をさせた。
「どうだい、少しは気分が楽になったんじゃないか?」
「ほんとだ……どうして?」
「理由は難しいから気にしなくていいんだ。いいかい、ゆゆちゃん。辛い事を考え続けるのは、怪我した所をもっと痛くするのと同じだ」
「……うん」
「ゆゆちゃんは怪我したらぺったんを貼ったりして治すだろ?」
「うん、おけがしたらおかあさんがぺったんはってくれる」
先程まで涙に濡れていた瞳が、理解の色を示す。
「心も同じだ。痛くなったら治さなきゃならない」
「……ゆゆ、おむねがとってもいたい」
「うん。だから辛くて辛くてどうしようもない時は、ゆっくり息を吸ったり吐いたりしてごらん。そうすれば辛い事も少しずつ楽になるはずさ」
新田はゆゆの頭を撫でて笑みを浮かべた。
その笑顔は普段無愛想な彼が浮かべた、ぎこちないながらも精一杯の笑顔。
もともと童顔ではある彼がそうやって笑うと、見るものにとても安心感を与えるのだった。
そしてそれは、ゆゆにも伝わったようだった。
「ゆゆちゃん、これも覚えておくといい」
アルレッテは腕の中にいるゆゆに呼びかけた。
「『死』はお終いじゃないんだ。死んじゃうと会えなくなるけど、ちゃんといるんだよ、ここに」
アルレッテはゆゆの胸を指し示した。
「ここに居るから、話したいことがあったらお祈りするんだ。『祈り』っていうのはね、『思う』こと」
「おもえばいいの?」
「うん。なんでもいいよ。今日は何を食べた。何をして遊んだ。おかあさんは元気でいるか。大好き……本当になんでもいい」
「……」
一生懸命理解しようと、幼い瞳がアルレッテの瞳を見つめる。
「君がお母さんに伝えたいことを目を閉じて思い浮かべて。そうすれば伝わるから」
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担当ゲームマスター
つづり
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月04日
参加申し込みの期限
2017年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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