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「終わり」を教えて!―死とは何か?―
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ゆゆは御剣たち3人と分かれると、商店街に向かった。
3人の話しを聞いても、ゆゆはまだ完全には死を理解してはいなかった。
それでも、辛くなったら時々深呼吸をし、胸の奥に向かって会いたいと祈ることで、ゆゆは先程までよりも気持ちが落ち着くのを感じていた。
そんなゆゆだったが――。
「うむ、島は今日も平和だな! これも俺様というマスコットのお陰だな!」
何やら得体の知れない物体に遭遇して、絶句してしまった。
今日も今日とて漁の後のパトロールをしていたのは、一分の一スケールのマグロのきぐるみを身にまとった
黒 マグロ
だった。
強烈なインパクトの黒の容姿に、思わず色んなことを忘れてぽかんと見つめてしまうゆゆ。
「ん? 嬢ちゃん、どうしたんだ? 何か困ってる事があるならこの寝子島の(自称)マスコットの俺様が力を貸すぜ!」
「おさかなさん?」
「そうだぞ! マグロさんだぞ!」
「すごーい!」
「はっはっは、そうか、凄いか!」
何やら意気投合する二人であった。
「ゆゆね、おかあさんをさがしてるの」
「ん? そうか迷子か。俺様に任せとけ」
「ありがとう、おさかなさん!」
「はっはっは、マグロさんだぜ!」
大船に乗ったつもりで着いてこい、と自信満々に母親探しを始めたゆゆと黒だったが……。
「……見つからねぇ……」
「……おかあさん、いない」
やがて暗礁に乗り上げた。
普通に考えれば警察に届け出るのが早いのだが、それはゆゆが嫌がった。
実はゆゆは母親を求めてこれまでにも一人で商店街をさまよい、警察のお世話になることが何度かあった。
そして、警察がお母さんを見つけてくれないこと、そして、迎えに来る父親が一層悲しい顔をすることを学習してしまっていたのだった。
「もうお母さんがいそうな場所は全部回ったんだよな?」
「うん」
「こりゃあ、お母さんの方が迷子じゃねえか」
「おかあさんはまいごじゃないよ」
「あん?」
「しんじゃったの」
黒はぎょっとした。
(おいおいおい、そいつはちょいとハードだな?)
「ちょっと一休みするか。嬢ちゃんも疲れたろう?」
「……うん」
黒は仕切り直して、じっくり話をしようと公園へやってきた。
突然現れたマグロのきぐるみと幼い女の子の二人連れにびっくりしたのは
青山 絢
だった。
「あ……あの……」
普段人見知りで自分から声をかけることは稀な青山だったが、ゆゆが何か厄介なことに巻き込まれていないか、と勇気を振り絞って2人に声を掛けた。
こういうことは慣れているのか、黒は自称寝子島のマスコットらしくダンディに(?)状況を説明した。
話を聞いた青山は、胸が締め付けられるようだった。
幼い容姿に不似合いな寂寥の影に、かつての自分を重ねてしまったからだ。
それは大いなる喪失の傷跡。
青山もかつて母親を失った。
それだけではなく、痛みを分かち合ってくれるはずの父親は、新しい母親だと言って新しい女性を連れてきた。
その時、そのお腹にはすでに新しい命が宿っていたという。
青山は全てを拒絶し、しかし、完全に「終わり」にしてしまわないために、一人寝子島へとやってきたのだった。
悲しみは深すぎると、かえって何も感じられなくなる。辛すぎて泣くこともできなくなる。
だから、青山はゆゆの示した反応を理解できる気がした。
「……私も、お母さんを亡くしたの」
「おねえさんも?」
「うん。亡くなった時、絶対に泣くと思ったけど……ちっとも泣けなかった。どうして涙も出ないのかな、私って冷たかったのかな……って思った」
思い悩んだ日々を思い出し、青山の心の傷から血が滲む。
それはまだ決して治りきっていない、かさぶたが出来ているかも怪しい、じくじくとした心の傷跡。
しかし、そこに痛みはない。
なぜなら、痛すぎて麻痺してしまっているから。
「でも、そうじゃなくて……まだ、お母さんがいなくなったこと、まだ受け入れきれていない。本当はもう会えないことがわかってるのに、そのことをどうしても認められなくて……」
「……」
「ゆゆちゃんの今感じていることは、私と同じで……そう、悲しすぎて悲しいと感じられない、だから泣くこともできない……そういうことってあるのよ」
「かなしすぎて……?」
「……ゆゆちゃんには難しかったかな。ごめん、何だかわからないこと言って……」
「……ううん……」
ゆゆは言った。
「おねえさんもゆゆとおんなじなんだね……?」
「そう……だと思う」
「なんでなのかなあ」
「……」
「なんでおかあさんはいなくなっちゃったのかなあ」
「……」
その問いかけには、無垢の中に確かな悲しみを湛えていて。
青山はその小さな体を掻き抱いた。
まるで、かつての自分を抱きしめるかのように。
「うぐっ……俺様こういうのダメなんだよなあ……。そうか、お母さんが死んじまったのか……そりゃ、辛いよな……」
黒は男泣きに泣いていた。
「死って言うのは別れって事だ……少なくともこの世ではもう会えない……悲しいのなら泣いても良いんだぜ。俺様が受け止めてやる」
「おさかなさん……」
「マグロさんだ。でもな、お母さんと直に会えなくなっても嬢ちゃんにはお母さんとの思い出があるだろ?」
「おもいで?」
「そうだ。嬢ちゃんはその思い出を大事にしてお父さんと一緒に幸せにならなきゃいけねぇ……それがあっちに逝ったお母さんを安心させる為に嬢ちゃんがしなきゃいけない事だ……お母さんに誇れるようにな」
「……おもいで……おとうさんと……しあわせ……」
ゆゆは一生懸命考えた。
青山も黒も、きっと何か大切なことを自分に教えてくれているのだ、と肌で感じ取っていたからだ。
ただ、二人の思いを全て汲み取るには、ゆゆはまだ幼すぎた。
すぐに頭が疲れてしまった。
そこに――。
「はい」
「?」
唐突に差し出されたのはたい焼き。
香ばしく甘い香りが、ゆゆの鼻をくすぐった。
「ちょっと多く買いすぎちゃってね。よかったら食べてくれる?」
「おにいさんは?」
「俺は
鴻上 彰尋
。ゆゆちゃんのお父さんの友だちの友だち」
「おとうさんの!」
「うん。そっちの二人もよかったらどうぞ」
鴻上の一言で、ゆゆは一気に警戒心を解いたようだった。
ずっと機会を伺っていた彼が、このタイミングで声を掛けたのには訳がある。
色んな人と話して色んな事を考えたり、泣いたり混乱したり、ゆゆのような小さな子には色々な事が起き過ぎたのではと考えたのだ。
少しでも気を紛らわせてくれたなら、というのが彼の願いである。
ゆゆは、礼儀正しくいただきます、と言ってからたい焼きにかぶりついた。
「あまーい!」
「はは、美味しいだろ?」
「うん、おいしい!」
無邪気にたい焼きをぱくつくゆゆを見ながら、鴻上は考える。
(俺の事を一番大事に扱ってくれたじいさんが死んだ時も、弟達がちょうどそのくらいの歳だったな。弟達はゆゆちゃんと同じ感じだったな)
そう思うと、この子にも何かして上げたいと思う。
「ゆゆちゃんはたい焼き、頭から食べるんだね?」
「ん? いけない?」
「ううん。でも、たい焼きを頭から食べるか尻尾から食べるかは、よく話題になるんだよ」
「あ! おとうさんとおかあさんがけんかしてた! でも、ゆゆはおかあさんとおんなじで、あたまからたべるの!」
「……ふふ……」
「はっはっは」
明るい声で言うゆゆに、青山と黒からも自然と笑みがこぼれる。
鴻上自身も、ゆゆににっこりと笑顔を返した。
「ゆゆちゃん、今日はどんな一日だった?」
「うんとね、いろんなおにいちゃんやおねえちゃんやおさかなさんが、いっぱいいーっぱいおしえてくれた」
「マグロさんだぜ!」
「そっか……どう思ったかな?」
「んとね……むずかしかった……」
今日かけられた言葉を思い返しているのか、ゆゆが少し眉を寄せた。
そんなゆゆに鴻上は言う。
「みんなね、ゆゆちゃんに元気になって欲しいんだよ」
「そうなの?」
ゆゆが青山に問う。
「ええ」
「おさかなさんも?」
「おうとも……マグロさんな?」
黒もダンディーに答えた。
「わかった。ゆゆげんきになるね。ありがと、おにいちゃん、おねえちゃん、おさかなさん」
「マグロさんだ!」
最後まで覚えてもらえない黒に、一同はどっと笑った。
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担当ゲームマスター
つづり
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月04日
参加申し込みの期限
2017年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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