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旧市街の閑静な住宅街で、
橘 千歳
は緊張した面持ちでインターフォンを鳴らしていた。
ここは
小山内 海
の実家だ。海の母は出かけていて不在らしいが、友人といつもの桜花寮と違う玄関先で会うだけでも新鮮な気分だった。
「こんにちは小山内さん。お招きありがとう」
千歳から手土産を渡すと、海が『来てくれて有難う』と微笑んだ。
海が『変な時間に呼んじゃって』ごめんねと謝ったように、千歳が到着したのは遊ぶにしては半端な時刻だった。
夕陽が射す部屋で対面する二人の横には、衣紋掛けに華やかな振袖がかけられている。これは先日海の母が衣類の整理をした際に、半ば物置と化していた箪笥から出てきたのだそうだ。
基本は未婚女性の衣装である振袖で、しかも若々しい模様だから着られるのは海だけだと彼女の母親は言っていた。
『せっかく出てきてくれたんだし着てみよう』
桐の箱から出すまでは海一人だけでもできたのだが、生憎彼女は着付けの仕方を学んでいない。そこで京都の旧家出身で神社育ちの千歳に白羽の矢が立ったのだ。
「——ええ。私は普段から着るというほどではないけど、京都にいたときはたまに」
わざわざ来てもらったことへ申し訳なさそうにぺこぺこ頭をさげる海に、千歳は「普段から慣れてないと着物は着るの大変だから」と微笑んで着物の前に立った。
鮮やかな地色に散る金箔と、輝く糸で刺繍が施されている煌びやかな振袖だ。
箪笥の奥からひっぱり出されたとあって柄こそ古典柄だが、明るめの地色もあって全体的に若々しい印象だから自分たちのような学生向けだろうな、と千歳は印象を持った。
「立派な着物ね」
千歳が様々な色の文様に見入っていると、横からぱしゃっとシャッター音が聞こえてきた。
「着物の写真、誰かに送るの?」
海は撮影した写真をトークアプリで送っている。彼女が画面を見せてくれた画面には、
御剣 刀
と表示されていた。
「刀君に送るのね」
『今からこの着物を二人で着るよ』と海がメッセージを打っている。千歳は頷いた。
「そうね、着た後にまた二人で撮っておくってあげてもいいわね」
いまいち乗り切らない言い方をしつつも、彼の反応を考えると千歳の白い頬に朱色が散っていく。しかしそれに気づかない彼女自身は、奇妙な胸騒ぎに囚われていた。
過去の経験と、状況。そして刀の存在がそうさせるのだ。
(何だろ、今何か嫌な予感が……流石に考え過ぎよね)
思わず背後を見てしまうが、インターフォンすら鳴っていないのに誰が来よう筈もない。海に不思議そうに見つめられて、千歳は「なんでもないわ!」と両手を振った。
(いくら刀君でも降ってわいてきたりするはずもない。はず、たぶん。)
*
お茶で一息つくと、夜も深まってくる時刻なのですぐに着付けを始めた。
千歳が必要なものを揃えている間に、海はラフな部屋着を脱ぐ。ショートパンツの上にパーカーを丁寧に畳んで、千歳の肩をトントン叩いた。
『終わったよ』の合図に振り返った千歳は、海の下着姿に思わず見惚れてしまった。ペールトーンに細かいドットが散ったブラジャーとパンツのセットは柔らかな印象の海にぴったり似合っている。
「やっぱり小山内さんは、私から見ても可愛いわ」
ほうっと熱い吐息が溢れると、海が首を傾げている。千歳は慌てて取り繕った。
「下着も女の子っぽくて可愛いわね」
『うん、この下着新しく買ったの。似合ってるかな?」
「ええ、まるで小山内さんのために作られたみたいだわ。
それに比べたら私の下着とか地味だなぁ。でも、私は小山内さんみたいに可愛くないし」
海は『ありがとう!』と破顔して、いそいそとスケッチブックに書き込んでいる。彼女が書きあがった合図にトントン叩いてそれを覗き込んだ千歳は、全身に駆け上がるような熱を覚えた。
『千歳ちゃんも可愛いって私は思ってるよ。見てるとドキドキしちゃうもん』
「もう! あなたって人は——」
千歳はそれ以上何も言わず、くすくす嬉しそうに笑う海に背を向けて自分も服を脱いだ。
シンプルな白い下着は確かに千歳の言う通り地味にも見えるかもしれないが、ストラップとリボンだけ赤色だ。堅い印象のなかに可愛らしさが隠れているのが、千歳らしくて良いなと海は思った。
こうして二人の少女の友情が深まっていたときである——。
「あれ?」
「………刀くん!?」
「やっぱり来てたんだ……」
海と千歳の目の前に、いつの間にか刀が座り込んでいた。三人は互いの顔を見つめ合い、状況を飲み込もうと努力してみる。
最初に口を開けたのは千歳だった。
「どこから入ってきたの? というか、いつからいたの? ノックぐらいしなきゃダメでしょ!」
論点が少しずれている気もするが、動揺しているから仕方ない。
海も同じく動揺はしていたものの(刀くん、今日は呼んでないのに)と彼女らしく柔らかいもので包みこみ、のほほんと首を捻るだけだ。
そして一番動揺しているのは、もちろん突然転移してしまった刀だった。
彼が神魂事件に巻き込まれるトリガーになったのは、海のトークアプリが原因だった。自室で彼女からの写真を開いて、二人の着物姿を想像していたらまさかの出来事だ。
(俺知ってる、これヤバいやつだ……また神魂か? 本当にいい加減にしろよ? 俺死んじゃうだろ?)
得体の知れない原因を断定して悪態をついてみたものの、それが解決にならないことは彼自身がよく知っている。そしてこのまま下着姿の二人の前に無言でいることも得策ではないのは分かっていた。
とにかく事情を説明して、二人に理解して貰おう。
(きっと二人なら分かってくれる、分かってくれないと俺死んじゃう!)
刀は自分の正当性と冷静さを主張するため、姿勢を正してごほんと空咳した。わざとらしく始めたおかげで、海も千歳も座ってきく姿勢をみせてくれる。
「気づいたらここにいたんだ。これは事故だ。神魂絡みのさ、よくあるだろう?」
「下着のところに出てきてしまうなんてよくあるとは言い切れないけれど……そうね、刀君にはよくあるかもしれないわね」
「いや参ったな。だからちょっと落ち着いて話そう」
神妙な顔をしてみせた刀だが、目はがっつりと二人の下着姿を見つめてしまう。
(それにしても二人とも綺麗だな、下着姿の二人を見る機会なんてそうそうないからな、じっくりと見て記憶に焼き付けておかないと)
柔らかそうな海と千歳のたおやかな様子。『他人へみせたい自分』を取り去った本来の二人は、刀のような男が触れれば折れてしまいそうなか弱くも美しい姿だった。
「二人とも綺麗だな、似合ってるよ。いや違う言い訳言い訳、じゃない説明」
「いま、言い訳がどうのって聞こえた気もするけど。御剣君?」
千歳の眉がぎゅっと寄ったのに気づいて、刀は息を止めて両手をあげる。
「宜しい。とりあえず、回れ右。それから、目を閉じる」
「アッハイすいません」
刀が言われるままなのを確認して、千歳は海の方へ首を回した。
「まったく、もう」盛大にため息をつく。「確かに、刀君に瞬間移動能力があるとは思わないけど……」
『いくらなんでも自分の意思でアポもノックもなしで部屋にまで入ってくる事はしないと思うから、不可抗力なんだなとは思うけど』
「ええ。でもこう毎回タイミングよく現れるなんて……」
『絶妙だよね』
「さすがっていうのもおかしいけど、刀君だわ」
『刀君だね』
こくこくと頷きあっている二人の気持ちは、治まってくれたのだろうか。刀は瞼の裏に焼き付けた光景が血になって鼻から出てこないよう、熱ををおさえるために首の後ろをトントンと叩いていた。
しかし背後が気になる。何を話しているのだろうと堪え切れなくなり、刀は身体を疼かせる。その時ちょうど二人が「あ!」と声を揃えて叫び、刀は慌てて膝を揃えた。
「でも、綺麗とか似合ってるって……。私たち、まだ着物着れてないけど?」
『下着のことだよね』
「それは誤解だ!」
刀は千歳に注意されていたことも忘れて二人へ振り返った。自分が褒めたのは下着ではない。
「着れてない? そりゃそうだ、綺麗って言ったのは着物や下着の姿じゃなくて海と千歳自身のことなんだから」
「私たち自身……?」
千歳が言葉で繰り返し、海が刀をじっと見つめる。二人がどんな意味に受け取ったのかはともかく、刀はこのあと事態は悪い方向へ進むだろうと思い込んでしまった。
(これ言ったらやっぱりヤバいパターンじゃないか!)
「違……いや、違わない、けれど」
刀は動揺を抑えきれないまま、二人へ弁明しようと立ち上がりかけた。しかし正座からだったのでうっかりつんのめる。彼は足を縺れさせながら、下着姿の海と千歳の方へ倒れそうになった。
*
絶妙なタイミングで三人の会合は終了となった。
刀は一度床に座り気持ちを落ち着けようとしたが、目を閉じると海と千歳の姿が浮かんでしまう。
(いかん、いかん!)
刀はのぼせ上がった顔を両手で抑え、床にゴロゴロと転げまわった。
その頃海と千歳は、二人で顔を見合わせていた。
「『綺麗って言ったのは着物や下着の姿じゃなくて海と千歳自身のこと』……ですって?」
千歳に確認された海は、こくりと頷いた。
刀のセリフを頭のなかで整理した瞬間、二人は刀と同じく床で転げ回ることになったのだが、離れている刀はそれを知る由もない。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月18日
参加申し込みの期限
2017年04月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月25日 11時00分
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