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異世界からの迷い人
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グレッグ・グロッグ
は旧市街にいた。細身で身長は高く、それでいて動きには切れがあった。サングラスに黒いコートという出で立ちは不穏な空気も纏っている。
「いいじゃねぇか」
白い歯を見せて弾むように歩く。立てた襟からは時折、荒々しい炎を模したような刺青が見え隠れした。
通りに飲食店が目立つようになる。左右に顔を振った。
――見たこともねぇ、食いもんだらけだ。
胸いっぱいに息を吸い込む。落胆したように長々と息を吐いた。何度も繰り返し、頻りに生唾を飲み込んだ。
――コッチの世界の金がねぇんだよ。良い匂いさせやがって。ああ、自分の鼻をもぎ取りてぇ。
地鳴りのような低い音が腹部から聞こえる。腹筋に力を込めても収まらない。
「我慢しろや!」
握った拳を自身の腹部にめり込ませる。
力の加減を誤った。上体を屈めて軽く咳き込んだ。落ち着いたところで頭を上げた。
――ヤベェな。知らねぇ、兄ちゃんが見てやがる。
グレッグは視線を逸らした。その直後、赤茶けたパーカーを着た
志波 高久
が足早にやってきた。
「やあ、寝子島には観光できたのかい?」
「観光ねぇ。ま、そんな感じだな」
サングラス越しに相手を眺める。首筋の刺青に自然と手がいく。
――背は俺より少し低いな。それと歩き方でわかるぜ。結構、鍛えてやがるな。
「お腹は痛くないのかい?」
「見てやがったのか」
怒りを抑えた口調で言った。高久は爽やかな笑みで答える。
「偶然だけどね。いきなり声を掛けたことは謝るよ。すまなかった。よければ理由を教えてくれないか」
「大したことじゃねぇ。腹の野郎がうるさくしやがるんで黙らせただけだ」
グレッグは拳を固めて見せる。目にした高久は冷静に返した。
「俺が良い店を紹介しようか」
「それはありがてぇんだが、無一文でコッチに来ちまってな」
「何か事情があるみたいだな。どうだろう、一緒に飯を食べにいかないか。もちろん、俺のおごりで」
「だから金が、今なんつった?」
グレッグはサングラスを外した。血走った両眼で詰め寄る。
「俺のおごりで飯を食べに行こう。その時に君の話を聞かせて欲しい。言えることだけで構わないから。どうだろう」
「飯をおごってくれるだと!? こりゃ、あれか! あー、救世主ってヤツで、なんつったか、メシアだ! ヨッ、男前!」
「褒め過ぎだ。それで何か食べたい物はあるのかい?」
聞かれたグレッグは通りを見回す。一向に決められず、焦った表情となった。
高久はさり気なく口にした。
「品数の多い店にしようか」
「いいねぇ」
片方の口の端を上げた。
案内役の高久が先頭に立った。グレッグは探りを入れるような目で斜め後ろに付ける。
――親切なだけじゃねぇ。妙に腹が据わってやがる。星幽塔に来ていた、もれいびって奴か?
数分後、二人は連れ立って居酒屋の暖簾を潜った。
奥まったテーブル席に向かい合わせで座る。置かれていたメニューにグレッグが飛び付いた。顔を寄せて熱心に読んだところで力尽きた。
「俺には呪文にしか見えねぇ」
「俺が適当に注文するが、それでいいかい?」
グレッグは仰け反ったような姿で手を振った。
間もなくして店員が注文を取りにきた。高久は店のオススメを頼んだ。定番の焼き鳥、各種の揚げ物、焼き肉、それに数種類の握りを加える。
店員は注文の品を繰り返し、にこやかに立ち去った。
「それで君の話だが」
「あー、腹減り過ぎて気持ちわりぃ」
「食べながらでもいいか」
高久は朗らかに返した。
次々と皿が運ばれてきた。
「おいおい、いいんだな。これ、食べてもいいんだよな!」
「遠慮しなくていい。俺も食べるからな」
言い終わる前にグレッグは寿司を口に詰め込んだ。数回の咀嚼で呑み込む。
「うめぇ!」
唐揚げを摘まんで口に放り込んだ。食べながら串を掴んで平らげる。
「良い食べっぷりを見ていると、嬉しくなってくるものだな」
声が耳に入っていないのか。グレッグは手当たり次第に口の中へと掻っ込んだ。
空の皿が積み上がる。高久はメニューを追加した。自身もエビチリやグラタンを額に汗して食べ始めた。
二人は仰け反った。膨れた腹を互いに見せ付ける。
「ありがとな、兄ちゃん。スゲェ、美味かった」
「それは良かった。俺も釣られて食べ過ぎた。本当に腹が減ってたのだな」
「まぁな。コッチに来てかなり歩いたからな」
「やはり、観光が目的なのかい?」
グレッグは無造作に頭を掻いた。
「みたいなもんだが、実は違うんだなぁ。俺は星幽塔の住人で、踏ん付けた光の玉にブッ飛ばされて、コッチに来ちまったわけだ。おかげでうめぇもんが食えたぜ」
「別の世界の人か。いつまで島にいられるのかわからないが、楽しんでいって欲しい」
高久は立ち上がった。財布を取り出し、レジへと向かう。わりぃな、とグレッグは軽く頭を下げた。
「金はねぇけど、宝石なら」
徐にポケットに手を入れた。ん、と声を漏らして掴み出す。
「なんじゃ、こりゃ!?」
「この世界で使えるお金だ」
「そうなのか? 遺跡で手に入れた宝石が、金になってやがった。じゃあ、ここは俺が」
「俺がおごる約束だろ」
高久は当然という風に支払いを済ませた。納得がいかないグレッグが言い募る。
「金があっておごって貰うわけにはいかねぇ。お礼になんか買ってやるよ。美味そうな店がいくつもあっただろ」
「俺はもう、食べられないよ」
「歩けばいいじゃねぇか。な、ちょっと付き合え」
「できれば、胃に優しいもので頼む」
店を出た二人は心地良い風に目を細めた。
「遅くなっちまったが、俺はグレッグ グロッグだ」
「志波高久だ、よろしくな」
笑みを交わしたあと、共に肩を並べて歩き出した。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月26日
参加申し込みの期限
2017年04月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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