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花残し月のあなたへ
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常連客でジュラヴリョフ兄弟の友人である
市橋 誉
は、兄の
市橋 奏楽
と共にやってきていた。
まず先に奏楽が慣れた様子で康子たちへ挨拶をする。
「弟がお世話になりました。是非お礼を言いたくて」
「どうぞお幸せに」
礼儀正しい兄を見ながら、誉は気持ちを落ち着かせようと努力していた。仲の良い友人たちが突然手の届かない場所まで行ってしまうのは、繊細な彼にはかなり堪える出来事だ。
悲しみでいっぱいな胸の内を隠すのは難しいが、奏楽が隣にいてくれれば涙を抑えられる。頼みを聞いて「喜んで手伝いたい」とついてきてくれた兄に感謝しつつ、誉は康子へ笑顔を見せることができた。
「ご結婚おめでとうございます。
ミルクホールで色々勉強させて頂いて……。俺、将来の夢についてより具体的に考えられるようになったというか——」
誉の夢はジャズピアニスト。そして自分のジャズ喫茶店を持つことだった。クリスマス前のいつか康子に相談した時に「大変だけれどやり甲斐のある仕事だから」と背中を押してくれたことを、彼は強く記憶していた。
「感謝しています。
いつか俺が店を持ったら、招待させて下さい」
*
細い足を規則的に前に出しながら、
貴家 衿花
はミルクホールに続く路地へ入っていった。
同級生とその家族——それに職業体験をした店の変化を聞いて、衿花は驚いた瞬間そのままの気持ちで、送別会へと向かっている。
(結婚や引越し準備でお忙しいかな。
お餞別もあまり荷物にならないようにって選んでみたけれど、考えてみるとなんかすっごく定番だし、すでに誰かがあげてたら——)
心配しながらドアノブに手をかけようとした途端に、扉が反対側から開いた。
「クソガキが。音楽以外スカスカの脳ミソにどっちが上か理解させてやる」
「吠え面かくなよ豚野郎。這い蹲らせて一生見下してやるからな」
エリセイと泉がモータースポーツのサイド・バイ・サイドのような勢いで、衿花の存在に全く気付かないまま出ていった。
「なんなの……?」
衿花が呆気にとられていると、店内からポンチクが出てきて衿花の手を舐めた。次いでイリヤが出てきて、何事も無かったかのように爽やかに出迎えてきた。
「衿花さんいらっしゃい」
「あ、イリヤ君。ポンチク君にも噛むおもちゃをプレゼントで持ってきたけど……、こういうのは大丈夫かしら?」
「有難う、犬用のおもちゃなら大体大丈夫だと思うよ」
「そう、じゃあ中であげるわね」
衿花はポンチクを撫でながら、エリセイと泉を振り返る。
「あっちは大丈夫なの?」
「平気だよ。あの二人初対面の『前』から“俺の前に顔見せたら殴ってやる”って言い合ってたけれど、仲良しだもの。
それに泉も兄さん達もすぐ喧嘩するんだ。持て余してるのかな、小さな子みたいで恥ずかしいよ。
この間も自由の女神の持ってるのがソフトクリームだってリーセが言ってね。ただのジョークなんだからノってあげればいいのに、レーナが松明だって言うから、そのうち取っ組み合いになっちゃって」
話し途中から入り口に立っていた弦月が、イリヤに頷いて返した。
「でも仲のいい掛け合いをしているなら大丈夫。だと思います」
「仲が良いの定義が問われるわね」
「そのうち気が済むよ」イリヤはあまり興味が無さそうに言ってから、一旦足を止めた。
「分かってると思うけれど、泉の手だけは気をつけて」
「顔面に入れる」「蹴り潰す」
息がぴったりだ。確かに仲良しかもしれないなと呆れている衿花を、イリヤが笑い声が溢れるホールへ誘った。
「ね、入って。僕の新しい家族を紹介するね」
*
衿花がきたのに気づいたレナートが、康子とノエルを彼女のところへ連れてきた。
「夫婦箸です。アメリカで使うことはないかもしれないけど」
「あらあら有難う。和食もよく作るから嬉しいわ。
スプーンも頂いたから、これを機会にもっとレパートリーを増やさなきゃ!」
夏夜が——実は急ぎで買ってきて——贈った6本の銀スプーンのセットを皆へ見せる康子は幸せそうだ。
「メオト?」ノエルが聞き返した。
「夫婦の別の言い方よ。一組の箸を結婚祝いに送られるの」
「綺麗ですね。有難う」
初対面の大人にお礼を言われて、衿花は胸がくすぐったくなる。
素っ気ない返しにならないように丁寧に言葉を選んで話していると、エリセイと泉も帰ってきた。ポンチクが割って入り大したこともなく終わったらしいが、頭突きでもしあったのか揃って額を押さえて机に突っ伏している。
衿花は苦笑しながらプレゼントの箱をおいた。
「イリヤくんとお兄さん達の3人には日本の伝統色を。お兄さん達は深緋(こひき)と紺碧(こんぺき)を選びました」
「ああ、ピアスの色? 嬉しいな」
衿花は頷いた。彼らの色を選ぶ時に、真っ先に浮かんだのだ。
「イリヤくんはどんな色が似合うかしらって迷ったんだけど、素色(しろいろ)を。真っ白じゃなくてちょっと色のついた、自然な色なんですって。
こういうナチュラルな色って似合いそうって思って」
イリヤは褒め言葉と受け取ったようで「照れる」と言いながら、両手で顔を隠している。
「それにミルクホールを何となく思い出してもらえるかしらって」
「うん。衿花さんに貰ったお箸を持つと思い出せるだろうし、きっと牛乳を飲んでも思い出すよね。……あれ、これじゃあご飯を食べる時ばっかりだ」
衿花はクスクス笑った。当初の予定では同じ高校へ進学する予定だったから残念に思っていたが、こんな彼なら何処でも楽しくやっていけるだろう。
「アメリカへ行ってもきっとあなたは元気そうよね」
「みんなが幸せなら僕は幸せだよ。だから衿花さんもここで幸せでいてね」
イリヤが返すと、一度静かな間ができた。皆衿花から貰ったおもちゃで遊んでいるポンチクを見ていたので、視線に気づいた彼は不思議そうに人間たちを見返した。
「ごめんごめん」「遊んでいていいのよ」
弦月が衿花の方へ首を回して話題を振った。
「一日職業体験で偶然会いましたよね」
「そうね。アルバイトの制服を着させて貰って……」
まだ中学生だった彼女にとっては新鮮な体験だった。ポニーテールを白いリボンで結んで、康子にかわいいかわいいとしきりに褒められたのが嬉しくも恥ずかしくもあった。
「それにクリスマスの時、一緒に料理をしたり飾り付けをしたりしました」
「今年の冬もやったりするのかしら」
衿花は口に出したあとに、イベントの発案者だった康子がいなくなることを改めて思ってしゅんとしてしまう。
カウンターの内側にいた英二が代わりに口を開いた。
「僕らは正月にカルタ大会もしたよ」
「叔母様がノエルとハワイに行ってた時だ」イリヤが衿花に「その時プロポーズされたみたい」と小さな声で付け足した。
「内容が混沌としましたが、あれはあれで面白かったですね」
「だってあれはタルトちゃんたち女の子がさー——」
捗る会話を聞きながら、弦月も数ヶ月の記憶を思い描く。
(康子さんとイリヤ先輩たちがいるミルクホールは思い出に溢れていた)
すでに全てが懐かしいものになっているこの場所で、弦月は未来について考える。
(僕も自分の兄と向き合うと決めたし頑張らないと)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月11日
参加申し込みの期限
2017年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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