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花残し月のあなたへ
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近所の店の次男
宇佐見 望月
がやってきた。
「ちゃーっす。イヤー栄転ですか、素晴らしいことですねぇ!」
望月はいやにテンションが高い。姪っ子の近くにいる異性全てを敵視する彼にとって、近所から男ばかりの三兄弟がいなくなるのは、「余計な虫が居なくなる」喜ばしいことなのだ。
望月が蒸気で湿った箱を軽やかに置くと、香ばしい匂いが漂い始める。
「『うさぎ屋』からお祝いのお好み焼きケーキでっす♪」
ケーキと言っても甘い訳ではなく、ウェディングケーキのように何層も重なったお好み焼きだ。ソースをスイーツのチョコレートシロップを真似て洒落た掛け方をしている。
「東京に食べに行ったパンケーキみたいだね。丁度このくらいの厚さだったんだよ」
エリセイが康子たちに説明している間、レナートは桜の方へ首を回していた。
「あの頃の桜ちゃんヤバかったよね」
勢い良く立ち上がった桜は「そんなことは!」と食ってかかったものの、少し前の自分を思い返して椅子へ戻った。
「あった……かも。いや、あったわ」
「うーん」英二も憔悴していた桜の顔を思い出して苦笑してしまった。
「でも美味しかったですね。一食抜いて臨んだ甲斐がありました」
望月は調理中の姉の眉間のしわを思い返していた。
「ご結婚おめでとうございますいやホントにウチのねーちゃんがぎりぎり奥歯噛み締めながらこれ作ってたっす」
「何言ってるの、あの子私より5歳以上若いんだから大丈夫よ」
そう言う康子の肩をノエルが抱いた。
「魅力的な人なら何歳でも、デートを申し込みたくなります」
店内の主に若い従業員たちが囃し立てるなか、望月は「大丈夫すかねー」と頬を掻いて苦笑する。
「まぁまぁ、一人で食べろとかケーキ入刀しろとかって話じゃないんで、みんなで分けて食べましょうやい♪」
保冷バッグからトッピングなどを取り出していると、店の従業員たちがすぐに食器を揃えにかかった。
望月が「あ、もしアレだったら俺様が旨いもん作るっすよー? 材料があればの話だけどなー!」と手伝おうとすると、オーナーの穏やかな笑みに呼び止められた。
「今日はキッチンも総出だから大丈夫よ。座って楽しんでネ」
「あと僕もケーキ持ってきたんで、もし良かったら。母が作ったんです」
弦月が花束と一緒にプレゼントしたケーキは、ドライフルーツやくるみの入ったスパイスケーキだった。シナモンの良い匂いが食欲をそそる。
すでに切り分けられており、英二が気を利かせてチャービルの葉とクリームを添えて盛り付けていた。彼がこの店で双子たち先輩から教わって習得した技術だ。
弦月が望月に皿を渡した。
「ナツメグやクローブなどのスパイスが入っているんですけれど、スパイスとか入っているケーキは大丈夫でしょうか?」
「望月さんも頂いたら? とっても美味しいのよ」
康子が嬉しそうにまた一口に運ぶのを見て、弦月は「後で母さんに伝えよう」と微笑む。
*
「康子さん、ご結婚おめでとうございます!」
送別会に現れた大学三年生になる
城山 水樹
の実家は参道商店街で古本屋を営んでおり、ミルクホールの店長と甥兄弟も顔馴染みだった。
水樹は以前から有名ファッション誌の読者モデルをしていたが、就職活動のため引退するつもりだった。
もともとアルバイトのつもりで始めた読者モデルだが、服だけでなく美容院にネイルサロンにと何でも自前で揃えなければならないので、華やかな割に意外と報酬と経費が見合わない。
得られるのはファンとSNSのフォロワー数、そして名声だけの趣味に近い世界だった。
それでも水樹が有名になり始めるとブランドからPRのために商品を貰えたりもしたが、プラスマイナスで言えばゼロ以下だ。そろそろ潮時であると、彼女は思っていた。
ところが昨年末、編集者から「ちょっと」と呼び出された日から、水樹は読者モデルをしていた雑誌で専属モデルになったのだ。
事務所の所属が変わった陽毬と同じように、一旦レールが敷かれてしまうと景色はめまぐるしく変化していく。
瞬く間にコスメブランドのイメージキャラクターが決まり、もう就職などと言っていられなくなっていた。
「相変わらず綺麗ねー」
康子は以前より更にシェイプアップされた水樹の見事なモデル体型に感心して、拝みそうな勢いだった。
「お兄さんと弟さんはお元気? 水樹さんは随分忙しかったんですってね」
「そうなんです、無茶苦茶忙しくなって春休みも仕事でつぶれたわ。でも気分は悪くない」
水樹がミルクホールを訪れるのは、恋人とパンケーキの試食会に参加した時以来だ。
康子の結婚話やアメリカへの移住は彼女にとって急な話であったので、今日の送別会に恋人の同伴ができなかった。
何より祝いの品を用意出来なかったことが悔まれる。せめて結婚祝いだけでも何か渡せれば良かったが——。
水樹が申し訳ない気分で一旦康子の前を離れると、ふと康子の近くにいる青年が目に入った。水樹より10は年上に見えるが、接客業を長く深く続けている人ほど年齢不詳なものだ。顔立ちやスタイルより、とにかく清潔感のある外見と笑顔だけが印象に残る。
「接客百戦錬磨と言った感じね」
「次の店長の田崎さんですよ」とレナートがそっと教えてくれた。
もっとも水樹が興味があったのは、田崎の男としての部分ではなく、ミルクホール従業員としての能力だ。今の彼女は、大切な恋人しか見えていない。
水樹がが反応するのは、例えば『日本人と英国人のハーフ』であるとか『カメラマン』など彼女の恋人と共通項があった場合のみ。仕事でどんなに素敵な人と絡んでも、クラともヨロともヨロリラーともこなかった。
「何か取ってきましょうか」
「紅茶をお願いできる?」
レナートは一瞬考えて「蜂蜜かミルクでも?」と聞いてきた。気遣いは嬉しいが、蜂蜜のカロリーは白砂糖よりか『マシ』なだけだ。
水樹は残念そうに首を横に振った。
「ノンシュガー……ストレートティーでいいわ。仕事柄、ここのおいしいお菓子をたくさん食べられないし。
かわりにみんなの話しで楽しませて貰うわね」
*
「海外進出おめでとう! 結婚祝いと餞別に!」
タルトが贈ったイラストのプレゼントは、店にきていた人々を沸かせた。
描かれているのは康子とジュラヴリョフ兄弟だ。一度は自作の薄い本をイリヤへ贈ろうと考えたが、イラストが即座に康子の結婚相手やお年を召したオーナーらたくさんの目に触れている現在、思い直して良かったと心から思う。
「わあ、とても素敵ですね。有難うございます!」
破顔するイリヤはこの頃幼さが抜けてきて、綺麗になってきているように感じる。この美しい少年が青年へ成長していく様を目の当たりにできなくなってしまったのは残念だが、これきりだとタルトは思わない。
「イリヤくんの成長ぶりを写真入りのブログで発信してよ。友人のみの公開でもいいから♪」
「じゃあSNSで友達申請を——。ええっと武道さん!」イリヤは武道を呼んで、彼に状況を説明した。
「武道さんの友達一覧に出てくると思うので、僕のこと探して下さい」
「ありがと♪ 帰ったらやっとく」
「はい。また日本に行く機会があったら、ここでちゃんとお知らせしますね。それにタルトさんがアメリカにってこともあるかもしれないし」
「生きていればまた会えるよ。僕は会いたいもの」
タルトは大人しく椅子に座っている泉の方を向いた。「状態異常が解散しても、泉くんは帰国するでしょ?」
「帰国? どこに」
レナートが「日本のことだろ」と泉を突く。イリヤは泉を見上げた。
「分かるよ。僕たち自分の国って感覚が薄いよね」
「アメリカとかヨーロッパではアジア人て言われるし、日本だと帰国子女とかアメリカ人扱いされるからな。
帰る……、俺の居場所は」泉はイリヤの膝の上にあった手をすくい上げて握った。
「やだ泉、もしかして」
「I will stay with you always.(*ずっと一緒にいるよ)」
「しゅき! 抱いて!!」
お決まりのハグをした二人を、レナートが建て付けの悪い両開きの扉を開けるように引き離そうとする。
「おいバカ、やめろ。兄貴の前で弟を口説くのも、口説かれるのも本ッッ当やめろ! 人前で抱いてとか下品だろ!」
「あははレナート先輩めんどくさいお母さんみたい☆」
「お母さん!? ちょっ、タルトちゃん酷くない俺まだ17だし!」
「エリの方がめんどい」泉が言ってしまったものだからいよいよだ。
「Эй!(おい)」エリセイも加えてのドタバタをタルトがひとしきり笑ったところで、イリヤが口を開いた。彼はタルトの描いた絵を見つめている。
「僕たちが帰るのは、場所じゃなくて人です。
でも家族の他に、友達や仲間のところに帰ることが出来るようになった気がします」
「どこかでつながっていられるよ。愛は地球をつなぐからね♪
日本のアニメやマンガが世界で愛されているように、外国に行ったってつながりが消えちゃうなんてことはないんだ」
タルトは武道の方へ首を回した。
「ね? ブドー先輩もそう思わない?」
場を盛り上げようと元気に振る舞う先輩を、後輩として気遣ったのかもしれない。武道は泉と取っ組み合いになっている双子を見たまま、曖昧に返事をした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月11日
参加申し込みの期限
2017年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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