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決戦、妄信する配下は何ぞ思う ~機鋼世界マシナリア~
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◆終章『信じる者』
テューア陣営の者達が防衛陣の第三陣へと辿り着いて見たものは静かに立つイヴァと彼女を取り囲む様に守っている巨大蜘蛛数匹、さらには無数の昆虫兵であった。
立ち塞がる巨大蜘蛛の前に躍り出たのは轟だった。
「おらぁぁ虫どもぉっ! 俺が相手だァァァーッ!」
走りながらドリルブレイドを振り回す様に振るうと昆虫兵達はぐしゃりという音をたてながら絶命していく。
ゴブリン達とは違って動きは素早いようだが、攻撃を相手の動きの先へと置く様に振るってやると簡単に捉える事が出来た。
飛び跳ねながら回避しようとする昆虫兵を追い、轟はドリルブレイドを薙ぎ払う。
多数の昆虫兵が薙ぎ払われ、砕け散った破片が辺りに転がった。
一体の昆虫兵が鎌状の爪を展開し暴れまわる轟へと襲いかかる。色が違うその個体はリーダー格なのかその速度は速く、防御は間に合わない。
組みつかれ、鎌が肩に食い込んで血を滲ませる。
「悪いな、こういう時の奥の手ってのがあるんだよッ!」
痛みに耐えながら轟はドリルブレイドを展開し、回転刃を起動する。
激しい駆動音を立てて回る回転刃が轟に組み付いている昆虫兵をズタズタに引き裂いていった。
拘束から解かれ、自由となった轟は回転刃を最大速度で回転させたまま突撃の構えを取る。
「後の奴らの為にあらかた片付けないといけないからな! ちょっと無理させてもらうぜ! 直通敢行! スゥゥゥトレイトォォォッ! ドリルゥゥゥッ! チャァァァージィィッ!」
ドリルブレイドを最大稼働させ、轟は昆虫兵蠢く中を突き進んでいく。
攻撃しようとする者も回避しようと試みる者もその昆虫兵全てを巻き込んで砕いていった。
昆虫兵を物ともせず動き回る轟だったが、その動きは急に鉄にぶつかったような衝撃と共に止まる。
顔をあげると巨大蜘蛛がその蜘蛛脚を地に突き立てる様にして彼の動きを止めたのである。
咄嗟に後方に跳躍する轟を蜘蛛脚の連続刺突攻撃が襲う。
ドリルブレイドで何度も薙ぎ払い、その巨大な蜘蛛脚の致命の一撃を轟は跳ねのける。
「なかなかやるじゃねぇか……面白くなってきたぜ! いくぞ、虫野郎ッ!」
地面を強く蹴って飛ぶとドリルブレイドを前に突き出し巨大蜘蛛の顔目掛けて轟は突進する。
ガードするかの様に巨大蜘蛛は足を交差させ、轟の突進を防ぐ。
金属と金属がぶつかり合う様な音をたてながら轟と巨大蜘蛛は拮抗する。
拮抗する中、ドリルブレイドは駆動部分から煙を上げ、ばちばちと火花を散らせていた。
「持ってくれよ、ドリルブレイドォォッ!」
直後、ガキィンと音を立てて巨大蜘蛛の交差した蜘蛛足とドリルブレイドは同時に折れた。
「ありがとよ、ドリルブレイド……後は……俺の番だッ! いぃぃくぜぇぇーッ! ザ・スゥゥトレイトォォォッ! バァァァーストォォォッ! トラァァァンスッ!」
微かに赤く輝きながら彼は身体は今までにない速度を得る。
その状態から繰り出される拳の連打は巨大蜘蛛を守る強靭な顎を割り砕いていく。
崩れ落ち地響きを立てながら地面へと倒れる巨大蜘蛛を追い、轟は拳と蹴りの連続乱打を叩き込んだ。
繰り出されるその一撃、一撃が必殺の威力を秘めた乱打に成す術もなく殴られ続ける巨大蜘蛛に抵抗の術は残っていない。
「これで終いだぁぁぁッ! ザ・スゥゥトレイトォォッ! バアァーストォォッ! ナッコォォォウゥッ!」
腰を落として引き絞った右の拳で放った轟の渾身のアッパーカットが巨大蜘蛛の身体の中心を打ち貫いた。
絶命し脚を縮ませ硬直していく巨大蜘蛛に背を向け、轟はポーズを決める。
盛大に。
周りの昆虫兵を引き付ける様に。
「ザ・ストレイトッ! ここに在りッッ!」
轟がそう叫び、残った昆虫兵は光に引き寄せられるように轟の方へと集まっていく。
その光景はまるで強い光に惹かれる飛虫のようであった。
「……助かったべな」
身体のあちこちから血を流し肩で息をする海斗は橋の縁に背を預けその場に座り込む。
彼は一陣目で暴れた後に少々休みを挟んだとはいえ、もうぎりぎりの状態であった。
発動していたろっこんの効果が切れ、体中に焼ける様な痛みがじわじわと広がっていく。
「今、回復するのです! 待っててくださいっ」
動く気力すらない彼の元に駆けつけたのは美咲紀であった。
彼女は懐から花を取り出すと舞い始める、するとみるみるうちに海斗の傷は塞がっていったのである。
「もう回復されてもオラは動く気力がねぇ……代わりといっちゃあれだが、情報を。昆虫兵は打撃に弱いと思うんだべ。なぜなら昆虫はモノコック構造の場合が多いべ。それならなんかかてぇもんでぶん殴ってやれば、ひしゃげて動きが阻害されるべ」
「わかった……その情報、活用させてもらいます」
常闇は地面に落ちている壊れたドリルブレイドの破片をいくつか鋼糸で巻き取ると走り出す。
その背中に八神が声をかけた。
「これを使う、少しだけ息をするな! 常闇!」
そう言って彼が投げたのはちーあに用意してもらった酷い臭気を放つ混合液の入ったボトルだった。
頭上を通ったボトルを目で追うと常闇は並走し跳躍。空中で先程の鋼糸の先に巻き取った破片をハンマーの様に振るとボトルを砕く。
風に乗って刺激臭を伴う液体が辺りに散布された。
その臭いを感じた昆虫兵達は戦闘をやめ、右往左往する様にパニック状態に陥る。
それも当然、虫は強い臭いを放つ物を忌避する傾向が強い。
兵士化しているとはいえ、昆虫兵も『昆虫』である以上その例に漏れない。
「纏めて焼くぞ、常闇頼むッ!」
「お任せください……!」
真っ黒に焦げて役目を果たさなくなった扇子を力いっぱいに空中へ八神は投げた。
常闇は再び飛ぶと、臭いを避けて集まる昆虫兵の群れ目掛けて扇子を弾き飛ばす。
先に巻かれたドリルブレイドの破片で簡素なハンマーと化した鋼糸に殴り飛ばされた扇子は徐々に火を放ちながら回転、燃える扇子となって昆虫の群れに飛び込んだ。
そして数秒後、爆炎と暴風が昆虫兵の群れの中心で炸裂する。
激しい炎に焼かれ、止めとばかりに炸裂した扇子の衝撃波で群れていた昆虫兵達は跡形もなく消え去った。
着地した常闇は数体残ったよろよろと動く手負いの昆虫兵を鋼糸の先の破片で殴り飛ばす。
破片によって殴り飛ばされた昆虫兵は打撃の衝撃に耐えられず、そのまま地面に叩きつけられて絶命した。
「あとは……蜘蛛だけですね」
用済みとなった破片を捨てた常闇の視線の先には先程の刺激臭で緩慢な動きとなった巨大蜘蛛がいたのである。
痺れたように身体を震わせる巨大蜘蛛はいまだ戦闘の意思があるようで常闇を見つけた途端、ゆっくりとした動きで前足を振り下ろす。
それを軽く身体を傾けるだけで躱した常闇は地面に突き刺さった蜘蛛の前足を足場に身体の上を駆けあがっていった。
巨大蜘蛛の足を蹴って跳躍した常闇は半円軌道を取って巨大蜘蛛の側面へと迫る。
彼女は蜘蛛の足に巻き付けた鋼糸を利用し振り子の要領で自らの身体を横に振ったのである。
常闇は雫の太刀を振り抜くと両手でしっかりと握り、蜘蛛の腹を側面から思いっきり突き刺した。
体重と速度の乗ったその一撃は頑強であった巨大蜘蛛の表皮を貫き、紫色の飛沫をあげさせる。
紫色の返り血を浴びながらも常闇が更に深く雫の太刀を突き入れると巨大蜘蛛はぴくぴくと縮こまり、その生命活動をついに停止した。
刀を引き抜き、巨大蜘蛛から離れると常闇はツクヨに言う。
「残りの昆虫兵や巨大蜘蛛は私達が惹き付けます。ツクヨさんはイヴァさんとの戦闘を」
「お膳立てという奴ですかぁ……うふふ、これは負けられませんねぇ……」
ツクヨの背を守る様に常闇は静かに雫の太刀を構えると眼前の敵達を睨みつける。
あらかた片付いたとはいえ、昆虫兵はいまだ残っておりその数は突破されてしまえばツクヨとイヴァの戦いを邪魔するものなのは確かであった。
「申し訳ありませんが、ここから先は通行止めです。お引き取り願えない場合は……この世からのお引き取りを願います」
◆
大きな扉の前で激しくぶつかる光が二つ。
片方は紫色の光を放ちながら赤い鎖と剣を振るうツクヨ。
もう片方は青い光を放ちながら大鎌を振るうイヴァ。
激しく動き回る二つの光は時に消失し、時に現れぶつかる度に周囲へと衝撃波を放つ。
「あら、あららら? 瞳に迷いと焦りが滲んでますよぉー? いいんですかぁ……そんなじゃあツクヨには勝てませんよォー」
「うるさいです、黙っていてください! その軽口を叩く唇ごとこの鎌で引き裂いてあげてもいいんですよ!」
薙ぎ払う様に赤い鎖を放つツクヨだがその攻撃はイヴァの大鎌で防がれてしまう。
チェーンソーの様に高速で回転する赤い鎖がイヴァの大鎌の刃をがりがりと削って火花を散らした。
「えぇーー避けちゃうんですかぁ? てっきり死に急いでるモノと思いましたよぉー」
そういうツクヨを睨むイヴァだったがその瞳にはやはり焦りの色が見え隠れしていた。
「貴女は……いいですよね。何でもやりたい事して。自分の思い通りになる様に動くことができて」
「どういうことですぅ?」
刃と刃をぶつけ合い、拮抗した状態のままイヴァは言葉を続けた。
「私は、私は……見捨てられた。もう、道なんて……どこにも…………どこにもッ! ないんですよーッッ!」
泣き叫ぶようなイヴァの渾身の一撃を自分を中心にし球状に鎖を展開して防いだツクヨは後方に跳躍。一旦イヴァから距離を取った。
そこに駆け付けたのは竜司と
御剣 刀
の二人であった。
「すまない、遅くなった……!」
「いいんですよぉ……とても調度いい所ですから。後はお二人にお任せしようかと」
戦闘狂のツクヨらしからぬその言動に御剣は尋ねずにはいられなかった。
「どういう風の吹き回――」
そこまで言って表情こそいつもの狂気の笑顔だが、ツクヨの額や頬には大粒の汗が滲み呼吸も荒いことに御剣は気がついた。
何も言わないが気が付いた様子の御剣に満足そうに笑うとツクヨは言う。
「あの子はどうしようもない誰かさんにそそのかされて、失意のどん底にいるんですよぉ。それを助けられるかはあなた達次第。お任せしましたよォー」
そういうとツクヨは後方で昆虫兵や巨大蜘蛛といまだ戦う者達の方へと駆けて行った。
御剣は静かに言う。
「……とんでもない頼まれごとをされてしまったよな」
「ああ。でも俺は今度こそ必ず……イヴァちゃんを救うんだ」
「そうか……それなら俺はお前が説得する為の道を作ろう。ある程度ダメージを与えないとあの子の本音は聞き出せない。そうだろう?」
小さく苦笑しながら竜司はそれに答えた。
「そうだな、全く……その通りだよっ」
「なら、救って見せろよ……必ずな!」
「ああ、任せとけっ!」
戦闘態勢を取り、ゆっくりと御剣は歩み出る。
彼の脳裏には戦闘直前、飴を配りながら皆にイヴァの説得の協力をお願いしていた竜司の姿が浮かんでいた。
(あれだけ必死なあいつの想い……それを届ける為の道を作ってやらないとな)
刀を抜き放ち、イヴァへと向ける御剣は声を大きく彼女に話しかけた。
「よう、俺と賭けをしないか」
「……賭け?」
「ああ、簡単な……すごくシンプルな賭けさ。俺が勝ったら俺たちと来い、お前が勝ったら俺を好きにしろ。なに、改造して私兵にでもなんでもすればいい」
薄く笑いイヴァは武器を構えたままそれに答える。
「正気ですか? 人間如きがたった一人で私に挑むうえに……負けたら好きにしろと。とてもあなた方に理があるとは思えませんね」
「かもしれないな。まぁお前がハガルの為に戦うってことに迷いが何も無いなら勝てるさ。だが負けたのなら……十全に戦えない訳、迷いって奴がある……だからその時は強引にでも引っ張って連れていく」
「迷い……はっ! そんなものがあるわけないじゃないですか。高等魔族たる、この私に! 迷いなんて無縁ですから」
「そうか、なら俺の勝算は薄いのかもな。ああ、戦わないって選択肢だってあるんだぞ?」
嘲笑するように笑うとイヴァは見下したように言葉を放つ。
「あははは! 血迷ったんですかね、人間! 私が戦わずに降伏するとでも?」
「いや、その見えてる傷痕以上に消えない傷を作ったら……ハガルの所に帰れないんじゃないかと思ってな……」
「――――ぬかせッ! 人間ッッ!」
傷の事を話に持ち出されたからか激昂する様に大鎌を構え、一直線にイヴァは御剣へと突っ込んできた。
冷静な判断を失っての単調な突撃だがそこから繰り出される大鎌の連続斬撃は侮れない速度があった。
その斬撃を辛うじて受けつつ見る次は考えていた。
(この速度だと即座に発動したいものだが、恐らく戦闘不能にまで追い込めるタイミングは一瞬……その時を見誤らないようにしなくては)
大鎌を頭上で高速回転させ、闇色の炎を纏った薙ぎ払いをイヴァは御剣目掛けて放つ。
斬撃と炎による範囲攻撃を左に飛んで避けると一足でイヴァの懐に潜り込んだ御剣は至近距離から上段への斬り上げを繰り出した。
風を斬る白刃が後にのけ反ったイヴァの鼻先を抜け、前髪の先端を軽く断つ。
「まだまだァァッ!」
そのまま後方へ倒れ込む様にしながらイヴァが放った蹴りを読み切っていたかのように後方へと地面すれすれの低く短い跳躍で御剣は躱す。
イヴァが体勢を立て直すよりも早く御剣は撃鉄が落ちるイメージを浮かべ、ろっこんを発動した。
(この刃が届くまで、世界よ凍てつけ!)
彼以外の動きがゆっくりと進む様になった世界で御剣は雫の太刀を鞘に納めてから空気を足場にして上空へと駆け上がる。
イヴァも体勢を立て直してはいたが、いまだ大鎌を構えるまでは至っていない。
御剣は抜刀術の要領で太刀を鞘から振り抜くと水の衝撃波がイヴァ目掛けて勢いよく放たれた。
そのまま御剣は空気の足場を駆け降り、水の衝撃波を追い越してイヴァへ上段から斬撃をくわえる。
イヴァはゆっくりと――元が速いために常人程度の速度で――御剣の太刀を受け止めると左手を引いて魔力を急速に溜めている様だった。
御剣は防がれる前提の斬撃が受け止められた直後、再び低く後方へ跳躍して鞘に太刀を納め抜刀の構えを取る。
追いついた水の衝撃波がイヴァに炸裂する瞬間、御剣も同時に抜刀する。
加速がとけ、世界の速度が戻ると水の衝撃と御剣の抜刀による衝撃で体勢を崩しながらもダメージを最小限にとどめたイヴァの姿があった。左手の魔力は咄嗟に防御用のシールドへ使ったのか消失している。
「――――まだだッ!」
そう、あと一歩。
あと一歩で届く。
再びろっこんを発動し加速した御剣は抜刀の勢いそのままに遠心力を利用した斬撃を放った。
その一撃は防御もままならないイヴァの胸部に深い一撃を刻み込む。
赤い鮮血が迸る中、イヴァが苦し紛れに投擲した大鎌が御剣の腹部を貫いた。
「ぐぅう、あぁっ!」
「おい――今抜いて――」
「――来るな! お前にはあの子を説得する大役があるだろ……なに、きっと回復してくれる誰かが……すぐに、駆けつけてくれるさ」
「……わかった、あとは――任せてくれ」
竜司はゆらりと腹部を押さえて立つイヴァへ向かってゆっくりと歩く。
「はぁはぁ……に、人間風情に……私が、ここまで……有り得ない」
「イヴァちゃん、今度こそ俺が君を救うよ……!」
「また来たのですか……ほんとに、はぁ、はぁ……わからない人間、ですね。しつこい……ですよ」
血塗れになりながらもイヴァは近寄る竜司へ格闘攻撃を仕掛ける。
鋭い回し蹴りが竜司へと炸裂する。
直後、脳まで揺さぶられるような凶悪な衝撃が彼を襲うが、意識を刈り取られる事なく彼は踏み止まった。
「しつこい? 残念、俺は残念ッ! 俺は諦めないだけが取り柄なんだッ!」
「しつこい人は嫌われますよッ!」
イヴァは右のストレートを放ち、そのまま流れる様な動作で蹴りの連続攻撃へと移行する。
左へ右へと身体を揺さぶられながらも竜司はガードを固めていた。
(どんなに攻撃され様とも……突き放されようとも……諦めるわけにはいかないんだ! 恐らく、これがイヴァちゃんを説得する最後の機会だからッ!)
「それでも! 諦めない! 俺は何度でも――」
そこまで言った段階で彼の視界は空を捉える。
(あ、れ……なんで空……)
そう思った瞬間には激しく地面へと叩きつけられていた。
「うぐ、がぁ……ッ!」
「わかりましたか。貴方如きには私は……私自身なんて、受け止められるはずはないんですよッ! ……がふっ!」
そこまで言って限界が来たのかイヴァはその場に崩れ落ちる。胸の出血は既に服のほとんどを真っ赤に染めていた。
その時、竜司の視界にイヴァの頭上が崩れるのが映った。
(今動かないとだめだ……だめなんだ!)
「どうか……どうか、あの子を助ける力を俺にください! まゆ先生ッ! 大好きだァァァッ!」
そう叫んだ竜司は力強く地面を蹴り、まるで弾丸の様に飛んだ。
真っ直ぐに飛んだ彼はイヴァを抱きしめると勢い余って地面を転がっていく。
背後で瓦礫が地面にぶつかり砕けた音を聞いた頃、地面を転がっていた二人は橋の縁にぶつかってやっと止まった。
「はぁ、はぁ……大丈夫? イヴァちゃんっ」
「貴方は……どうして、私を……」
満面の笑みを浮かべ、イヴァを抱きしめながら竜司は言う。
「言ったよね、前に楽しい事をしようって。俺は何度でも言うよ。俺達と一緒に楽しい事しよう! そして俺達と一緒に過ごそう! 君が何で諦めてるかはわからない……けど、俺達が――――俺が受け止めて守るよ! 君の『大事な存在』になる! だから……俺と一緒に来てくれッ!」
抱き締めている竜司をイヴァは抱き締め返す。
その眼には涙が浮かんでいたがその表情は明るい笑顔であった。
「ふふっ……何言ってるかわかってるんですか? それって……ほとんどプロポーズにしか、聞こえないんですけど」
顔を赤くしながらも抱きしめるのをやめない竜司にイヴァは囁く。
「そこまで言われたら……無下にできないじゃないですか。いいですか、私は重いですよ。しっかり受け止めて、あなた達の楽しい事を教えてください。あなた達の……あなたの世界で」
「ああっ! もちろんだよっ! 一緒に行こう、俺達の世界へ」
「……はいっ」
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月15日
参加申し込みの期限
2017年03月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月22日 11時00分
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