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寝子島高校
【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
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【巡る想い】
少しずつ日が傾いてきた頃、
綾辻 綾花
は図書室の窓から、眼下の光景を見下ろしていました。
こうして3階の窓から眺めていると、あちこちで、様々な別れが展開されているのを見つけることができます。爽やかな微笑みも。泣き濡れた顔も。たくさんの想いが、そこでは花のように咲いては散っていくのです。
「……あ、うっ……」
不意に。唐突に、それまでこらえていたものが綾花の中から噴出し、あふれ出しそうになって、
「ん? 綾辻さん、どうかしたかい」
「あ、いえ! 何でもないんです」
どうにかそれを、心の奥へと押し込みます。
「そう? ならいいけど。それにしても、卒業か……僕もこの学校へ赴任してきて、1年経ったんだね。何だか感慨深いよ」
隣へ並び、珪先生は目を細めて窓の外を見つめ、つぶやくように言いました。
「そう……です、ね」
明日からはもう、会えないのだと。そう思うと、寂しさがどんどんこみ上げてきて。たまらなくなります。抑えきれなくなってしまいそう。
珪先生のほうが、きっと辛いだろうな……綾花は思います。多くの生徒たち、3年生たちとも触れ合ってきた彼は、きっと自分よりもずっと……だから彼女は、ここにいるのです。ひとりにして、しんみりとしてしまわないように。寂しくないように。なるべく明るい話題で、楽しい気持ちになるように。
「そ、そういえば! 校長先生のお話は、やっぱり長かったですね。でもとてもためになるお話でしたよね、私、ずっと聞いていたかったくら、い……で……っ」
ああ。ダメだ。川が氾濫するように、ついには胸からあふれ出してしまったものを慌てて押さえ込もうとしても、もう遅くて。どうにもならなくて。
「……っ……あ、あれ? おかし、な……私……わた、わたし……」
「綾辻さん……」
気付くと彼は、綾花を見つめていました。いたわりのにじむ、優しい笑顔で。
「泣きたいときは、泣くのがいいよ。我慢することなんてない」
結局最後は、くしゃくしゃです。それでも泣いた顔を先生に見られているのは、ちょっぴり恥ずかしくて。
「寂しいことも悲しいことも、いつかは必ず、良い思い出に変わっていくはずだから……」
無理やり、泣きながらではありましたけれど。彼の言葉に、綾花はどうにか、笑うことができました。
そう。辛い思い出もいつか、笑い飛ばせるようになるものです。悲しい思い出だって、いつかは懐かしい記憶へと変わっていくものです。
城山 水樹
の姿はその日、寝子島を離れて、都内のスタジオにありました。
(世間は初春、とはいえ肌寒いこの3月に、夏のコーデ特集の撮影だなんて)
この時期には早すぎる、ノースリーブのブラウスから覗く二の腕を手のひらであたためながらに、ちょっぴり苦笑い。
まるで衣替えのように、この春には水樹自身にも、大きな転機がいくつかありました。とあるファッション誌の読者モデルから、専属モデルへと転身。この前などは、
著名なコスメブランドのイメージキャラクターに採用
されてしまいました。
そのこと自体はもちろん、嬉しいものの。これから、さらに忙しくなりそうね……と、撮影の合間の休憩時間にスマートフォンをいじりながら、水樹は小さく息を吐きました。
(……あら)
何とはなしにねこったーのタイムラインを眺めていたら、やけにその単語が目に付きました。
(卒業式、か)
今日は母校、寝子島高校の卒業式。初々しい後輩たちのつぶやきを、水樹は仕事の慌ただしさからにわかに逃れるように、微笑みながら眺めていきます。
同時に、きり、と胸が痛みました。
高校の卒業式。それは水樹にとって、否応なく思い出さざるを得ない、
ある記憶
と紐づくものでもありました。
(馬鹿だった、よね……私)
水樹は、頬へと手を添えます。あの日、卒業式の前日に、振るわれた平手の痛みや熱を感じる暇もないほど、水樹は混乱の真っただ中にありました。
叩きつけられた辛辣な言葉、それらは決して一方的なものではなく、いつしか自分が彼女を傷つけていたのだと知らされました。
大切な、大切な友だちであったはずの、彼女を。
ケンカ別れしたその翌日、卒業式当日に彼女は姿を現さず、水樹は虚ろな気持ちのままに高校を卒業しました。彼女がわざわざ寝子島から遠い、北海道の大学への進学を決めた理由へ、水樹はその時になってようやく思い至りました。
(……もう……取り戻せないのかな)
気持ちがしぼんでいくのを感じます。スタッフやカメラマンたちが仕事へ向ける熱を浴びて、彼女自身がそれに向き合うために高めていた気持ちが、ぷしゅうと。
彼女に謝りたい、今でもその気持ちはあります。とても強く。そのための連絡先を、水樹は実のところ知っていました。わざわざ共通の友人に連絡を取り、教えてもらったのです。
けれど……やっぱり、気後れしてしまいます。あれから何年も過ぎてしまって、もう今さらそんなことを言われたって、きっと迷惑だよね……そんな気持ちもありました。
どんどんどんどん、沈んでいきます。空虚に迎えた卒業式、あのぽっかりと開いてしまった穴の中へと、再び落ち込んでいくように。
「撮影再開しまーす! 城山さん、お願いしますっ」
「! はーいっ、今いきまーす!!」
けれど今や、水樹は専属モデルです。いつまでも、読モ気分ではいられません。求められればすぐに、完璧な自分を作り上げて見せつける必要がありました。
「お待たせしました、よろしくお願いします!」
プロの現場に満ち満ちるこの熱量に焼き尽くされまいと、先ほどまでの苦悩がまるで嘘のような華やかさと笑顔を纏って、水樹は撮影へと舞い戻っていきました。
……そうして瞬く間に、数時間が過ぎていき。撮影スケジュールを全てこなし、スタジオを出る頃合いには、空はすっかり金色に輝いていました。
寝子島へ帰り着いたら、もうすっかり夜になっているでしょう。それでも水樹の胸には、充実感が満ちています。すべてやり切ってなお気力は失われておらず、明日も頑張ろう! そんな前向きな気持ちの中へ、
(あら、メール?)
便りはするりと、飛びこんできたのです。
「っ!? この、メール……まさか。うそ、そんな……なんで」
もう二度と。そう思っていました。二度と彼女と言葉を交わすことはないのだろうと。
かたかたと足が揺れておぼつかず、水樹は思わず手近な壁へもたれ、へたりこむように屈みます。口元へ震える手のひらを添えても、声は知らずに漏れ出しました。
「……結、ちゃん……!!」
メールに何が記されていたのか、水樹と彼女を覗いて、知ることはないかもしれません。けれどきっと、察することはできました。
水樹の両の瞳からは雨のように雫がこぼれ落ちて、その口元を彩っているのは鮮やかなルージュではなく、微笑みであったので。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月18日
参加申し込みの期限
2017年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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