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散歩に出た
桜 月
は、夜の星ヶ丘を眺め、歩いていた。
迎えてくれるのは、花、花、花。
地面から生えている花。
違う種類の樹から生えている花。
家から生えている花。
車から生えている花――。
「――凄いな、本当に花だらけだ」
見渡す限りの花の奔流に、わずかばかりの感動を覚えた月であったが、すぐにそれが一過性のものであることを知る。
なるほど、確かにこの状況には目を見張るものがある。季節や種類の違う花々が、しかも生えるはずのないところからこれでもかと生えている様は、面白いものであることに違いはない。
「でも――それだけと言われれば、それだけかな」
電柱から生えていた花に手を添えると、そっと呟いた。
見るとこの街の様子をカメラに収めている人たちもいる。まあ珍しい現象だし、もしこれが夢の中であったとしても、神魂の影響であれば写真に残っている可能性もなくはない。
「違うんだよ――欲しいのは記録じゃないんだ」
美しい花。
しかし物言わぬ花を前に、一抹の寂しさのようなものを感じる。
美しい、しかし何も与えてはくれない透明感。
「狂い咲きというヤツかな――けれど、あくまでモチーフのひとつに過ぎない……」
行ってみれば想像の範疇内。頭で思い浮かべばCGでも何でも擬似再現できるご時勢だ、月が欲しているのは、もっと違う何かだった。
「そう……もっと……ピンと来る何か――」
無駄足だっただろうか、そう思った月がふと足を止めた時、それが視界の端に映りこんだ。
――ピン。
そんな音がしたかは分からない。
けれどその、大きな桜の樹の下に佇む人影に焦点を合わせた時から、月の視界から他のものが全て消え失せた。
「――」
息を呑む。
そこにいたのはひとりの女性だった。
年齢は不詳――年上のようにも見えるし、同い年くらいにも――印象としては、とにかく白い。
長い白髪に白いドレス。頭のてっぺんからつま先まで白い衣装に身を包んだその彼女は、月の視線に気付いたのか、こちらを振り返った。
「あ……」
視線が合う。
白髪の彼女は月が見ていたことに気付き、軽く会釈をした。その途端、月の視界に風景が戻ってくる。
「――あ」
ほんの数秒、月は彼女に見とれていたのだ。
「あ、あの……」
思いのほか、喉が渇いている。かすれた声を立て直して、月はやっと言葉を発した。
月は無意識のうちに理解していた。今必要なのは、記録じゃない、一瞬のひらめき。
「あのすいません、私のデザインの参考にしたいので……モデルになってもらってもいいですか?」
なら、このひらめきを、逃すことは出来ない。
突然の申し出だったが、白い彼女はにっこり微笑んで、応えた。
「ええ、あたくしでよろしければ、喜んで」
☆
「見えるか――ルヴィア?」
御剣 刀
は、胸に抱えた人形、ルヴィアに梅や桃、そして桜の花や樹を見せながら散歩を楽しんでいた。
『……』
ルヴィアは無言で頷く。諸事情あって刀が引き取った人形であったが、こういう珍しいものが見られる機会は滅多にない。
「綺麗だな」
ルヴィアには世の中のことを色々と見て、見聞を広めてもらいたいと考えていた。あまり幸福とはいえない経緯を持つルヴィアであるが、そうすることで少しでも気の向くことを見つけられるかもしれない。
「ん? なんだ、猫か」
ふと見ると、刀の足元に何匹かの猫が色とりどり、集まってきている。
「ははは。ほら、煮干し食うか?」
ポケットから煮干しを取り出して足元に落とすと、競うように煮干しを食べ始める猫たち。
「――」
その様子に目を細めた刀だったが、その視界の隅に何かが映りこんだ気がして顔を上げた。
「……白い……猫?」
ちらりと白い尻尾が見えた気がしたのだが、そこには白猫はいなかった。
「気のせいか……?」
代わりにそこにいたのは、ひとりの女性だった。
頭のてっぺんからつま先まで白いドレスに身を包んだ白髪の女性が、
桜 月
のモデルをしているのが見える。
大きな桜の樹の下で、佇んだ白い彼女を前に、熱心にノートにデザイン画を描く月。
刀は自然その女性に目を奪われた。この嫌でも目立つ組み合わせに、どうして今まで気付かなかったのだろうかと。
「……あ」
その彼女が少し顔を動かして、刀と目が合った。
知った顔ではない。何か声を掛けようかと思ったが、気の聞いた台詞は出ない。
口火を切ったのは、彼女の方だった。
「こんばんは……お散歩でしたら、あちらの眺めが良いようでございますよ」
白い彼女は、細い腕をまっすぐに伸ばして舞い散る桜の花びらを受け取った。その指をすっとある方向に向ける。
「……」
刀は無言で彼女が示した方角を見る。確かに、その方向に良い眺めの場所があることを刀は知っていた。それを思い出させてくれたのは紛れもなくこの白い彼女だ。
だが、どうして彼女はその場所を知っているのだろうか。それにまだ散歩の目的など、話してもいないのに。
いくつかの疑問は残ったが、刀はあえて柔らかく応えた。
「ありがとう――あそこなら、確かにこの綺麗な花の夜を存分に楽しめそうです。それにしても――」
刀とルヴィアはその大きな桜の樹を見上げた。ひらひらと桜の舞い散る様子は、何よりも美しい。
「――それにしても、いい夜ですね」
刀の言葉に、白い彼女はたおやかに微笑む。
「ええ、ええ。本当に、いい夜でございますねぇ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月12日
参加申し込みの期限
2017年03月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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