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白いハコニワ~梅モモさくらとエトセトラ~
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「イテッ!!」
思わず声を上げてしまったのは、
新江 天懸
である。
「いててて……血が」
ティッシュで指先を押さえると、じわじわと赤い色が染み込んでくる。思いのほか出血はしたが、たいした怪我ではない。
「なんでぇ、桜とかだけじゃなくで、薔薇まで咲いてんのかよ」
良く見ると、天懸の部屋には梅と桃、桜だけではなくてつる薔薇までもが咲いていた。
それが不用意に伸ばされた天懸の指を傷つけたのだ。
「つる薔薇か……」
軽く指先をなめると鉄の味がする。
「親父が植物学者だったせいかな……」
花や枝に囲まれているのには、苦痛を感じない。
「これはこれで悪くねーけどよ」
それでも、部屋いっぱいに咲いた薔薇で怪我をしかねないこの状況は、歓迎しかねるものがあった。
「どれ」
天懸はどうにか服を取り出し、着替えた。
「花見ついでに薔薇の刺抜きといくか」
軍手と鋏を用意した。刺抜きはいいとして、花見の準備ができていない。
「ふん、ちょいとコンビニかな」
せっかくの花だ、楽しまないのも損。窓の外からかすかに聞こえてくる声を耳にして、天懸は呟いた。
「あー……やっぱこういう時は、未成年だといいな、うん」
それは、花見と称して酒盛りをする街の人々の声。
「大人だと酒飲んで騒いで忘れちまう。桜のことなんてそもそも見ちゃいねーだろうしな」
☆
夜。
八神 修
は自室で机に向っていた。
「……」
さて、いつの間に机に向っていたのだろうか。自室での勉学についてはいつもの習慣だ、特に違和感を覚えることはない。
しかしこの夜は、いつ机に向っていたのか思い出せない奇妙な感覚があった。
だが習慣というのは恐ろしいもので、机に座って問題集など目の前にすると、修の集中力の前に違和感や雑念などはすっと消え去ってしまうのだ。
特に数学の問題に向っている時などは、である。
数式。
数式。
数式。
邪魔な花びらはさっと指で払ってまた数式。
数式。
数式。
頬に張り付いた花びらを払ってまた数式。
「ん?」
ここにきて、ようやく修は気付いた。
「……花だ」
いつの間にか部屋中が梅や桃、そして桜の花で覆い尽くされていることに。
「ふむ……なるほど」
勉強の手を休め、さっと手元のスマートフォンを操作した。ねこったーで世間の様子を確認すると、どうも街全体で花が咲き乱れているらしいことが確認できる。
「神魂の影響かな……なら、そんなに長くは続かないだろう。ならこの際楽しむとするか」
それにまだこれが夢でないとは言い切れないし、とデジカメを用意して、上着を羽織った。
住居を抜け出すと、そこは一面の桜。
まるでピンク色の雪かと見紛うような光景を一歩踏み出して、修は微笑んだ。
「……悪くないな」
☆
「んあ?」
真境名 アリサ
は目覚めた。
「……あー……うん知ってる知ってる。アレよね、アレ」
いや、まだ寝惚けていた。
「んー?」
どうやら、寝ている間に花びらの中に埋まってしまっていたらしい。
目が覚めたら、まさに花びらの洪水だ。
軽い驚きと共にアパートの窓から身を乗り出した。うっかり窓から落っこちそうになったのはご愛嬌というヤツだ。
ここは旧市街にある築40年もののアパートの一室、アリサの居室である。無意識にあけた窓からは満月の光が差し込み、外の景色と同じように花で埋め尽くされた部屋を照らしてくれている。
状況を理解するのにさほどの時間はかからなかった。
「せっかく明日は休みなんだから、これは徹夜コースもアリでしょ」
最近勤め先での昇進があり、仕事に忙殺される日々が続いていただけに、彼女にとってこれは嬉しいサプライズであった。
もとより明日の休みを当て込んで、今夜は目覚ましをかけずに朝まで爆睡する予定だったのだ。
だが、今となっては。
「いやいや、こんな夜にただ寝ちゃうのはもったいないでしょ、むしろ目覚めてくれてラッキーだったわ」
すとんと、スタイルの良い身体から服が抜け落ちた。
てきぱきと服を着替えて、アパートの部屋を後にする。
「さあて……」
軽く空を仰ぐと、この異常事態に似つかわしくない清らかな満月。
この静かで騒がしい空気の中、アリサの足取りは軽かった。
☆
「うわー……なんですかコレー……ちょっと怖いですねー……」
やや呆然とした表情で呟くのは、
屋敷野 梢
だ。
梢はいつの間にか花で埋まった自室で眉をひそめていた。
「うーん……」
窓を開ける。爽やかな夜風に乗って部屋に入ってくるのは、ちょっとだけ涼しい空気と、この状況を楽しんでいるのであろう人々の賑やかな声。
「どうにも……植物系にいつの間にか埋め尽くされてるのって……ちょっと怖いですね……意図されている現象ならいいんですが……本当の暴走とかだと困りますね……」
もちろん、このお花見をただ楽しんでしまいたい気持ちもあるが、ちょっと理性的に考えるとそうもいかない。
状況の見極めが必要だった。何が分かるわけではないが、何とはなしに目を閉じて夜風に耳を澄ませてみる。
「――ねこ」
細く、猫の鳴き声を聞いた気がした。
それで何か分かったわけではない。でも、悪意は感じられない。
「でも油断はできませんね……とすれば原因究明ですねー」
梢は跳ね起きて手早く着替えを済ませた。
「さてさて、どうやって探ったものですかねーこんな時、探し物が得意な人がいればいいんですがー」
呟きながら、梢の脳内にぼんやりとしたイメージが湧く。
「探し物が得意でーお人好しでー」
お気に入りの帽子を被る。
「探し物が得意でーお人好しでーいっつもヨレヨレスーツのー」
バッグを肩にかける。
「探し物が得意でーお人好しでーいっつもヨレヨレスーツのー探偵さんなんか適任じゃないでしょうかー」
それが丁度いいですねきっと! そう呟いた梢は、勢い良く部屋を飛び出していった。
そう、これが春の嵐のはじまり。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月12日
参加申し込みの期限
2017年03月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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